席を譲らなかった若者 (らくだのひとりごと)

http://rakudaj.seesaa.net/article/3130212.html

　この人たちに気づいたのは、この高齢者組の男性が「最近の若い者は年寄りを立たせても平気なんだから」「ちょっと前は罪悪感からか寝たふりをしたもんだが、最近じゃ寝たフリもしないからふてぶてしい」などと、かなり大きな声で話しているのが耳に入ってきたからだ。どうも自分の前にいる若者に席を譲らせて女性２人を座らせたかったらしい。

　確かに席を立つことを強要する高齢者もどうかと思うが、単にレディーファーストをしたかっただけではないだろうか。自分が座るというわけではないだろうし。この高齢者が連れの女性にいい格好をしたかったのはあるかもしれないが。

　「あんたたちさぁ、山は歩けるのに電車では立てないの？　それっておかしくない？　遊んできたんだろ？　こっちはこれから仕事に行くところなんだよ。だいたいさぁ、俺みたいなヤツが土曜日も働いてあんたたちの年金を作ってやってるんだって分かってる？　俺があんたみたいなジジイになったら年金なんてもらえなくて、優雅に山登りなんてやっていられないんだよ。とにかく座りたかったらシルバーシートに行けよ」

　う〜ん、典型的な今の若者の逆ギレだよな〜。大きな声で罵倒するよりは反論していて一見まともにみえるけど、自分勝手な若者の本音が見え隠れするなあ。「山で歩けて、電車では〜」のくだりは「ああいえば、こういう」の世界の屁理屈だし、今まで税金を払いつづけ、現在年金受給している人に対して年金体制の話をしても始まらない気がする。
　あと、NHKの受信料を払ってなくて番組に文句言う人がいるのがおかしいのと一緒で、年金払っていない40%の若者はすでにここで文句を言えるような立場にはいないんだよなあ。このグラサン男は払っているというか天引きされているだろうけどね。
　つうか、このグラサン男、「仕事に行く前で実際にはまだ疲れていませんから、残念！！ 」　と、いうか土日に働くのは、サービス業なら当たり前でそんなに偉いことか！？

　細部の表現は覚えていないながら、こんな感じ。チャラチャラしているように見える若者の意外な発言に正直言ってビックリ仰天した。「お年寄りに席を譲りましょう」とか「お年寄りを大切にしましょう」などというキレイごとを聞いて育ってきた世代の私にしても、彼の言っていることは正論に聞こえた。あたしって壊れてきているのかな？　浮かせかかった腰を再び降ろしちゃったよ。３人の高齢者は凍りついたように黙りこくり、次の駅で降りていった。ほかの車両に乗り換えたのかもしれない。

　いや実際、言動の勝手さからチャラチャラしている風に想像してしまうよ。自分からは絶対謝らないタイプだ。こういうのに限って、自分が老人になったら「老人に席を譲らないかっ！！」って言うに決まっている。そういう意味で、この二人は似た者同士なのかもしれない。あと、このブログ書いた奴も何を感銘うけてるんだ！？

浮かせかかった腰を再び降ろしちゃったよ。

　おいおい。ここでこの人が席を立って丸く収めたら、この人の株も上がったんだが。「お年寄りを大切にしましょう」はキレイ事ですか、はい、そうですか。

　なんつ〜か、世代間の断絶というか格差を思い知らされたな。そういえばいま一番元気でお金を持っているのってシルバー世代なんだよね。戦後の復興と日本経済の躍進を引っ張ってきた彼らが「よく働いたんだからゆっくり楽しもう」「若い人から尊敬されて当たり前」と思っているのも理解できる。

　一方、若者世代ときたら、自分の納めた年金保険料は自分のための積み立てじゃなく、いま現在支給されている年金の原資。自分が受け取る年金なんてこの少子化社会で支えられるはずないって分かっている。消費税だって時期はともかく２ケタになるのは必至。これまでのような高度成長も望めない。将来に悲観的になるのもムリはない。そんな世代のハザマにコウモリみたいな私の世代がいるってワケか。

　なんだ、釣りか！？　むちゃくちゃ突っ込んでもらえることを望んでいるのか！？　つうか、本気でこんなこと思っている人だったら、それはそれで素晴らしいなあ。みんなまっとうな意見をトラックバックしてやってくれよ。でも、このサイトのコメントやトラックバックを見ると「若者に賛同します。」とかの意見の方が多くて萎えてしまった。まあ、ブログやっている人は若い人が中心だからと認識しているが、それにしてもせいぜい「言いたいことは分かるけど、賛同出来ない。」あたりにとどめておいて欲しいよなあ。若者に現状に対する不満があるのは分かるし、自分だって、もっと上の世代だってそうだ。みんな不満を抱えて生きているのが当たり前なのに、自分のとこだけが苦労しているってどうよ。特にまだ働いていない学生とか、おいおいまだ苦労していないじゃんかと言いたい。
　八つ当たりを老人に向けるくらい現状に不満があるなら政治家に文句を言え。このグラサン男が行ってるかどうかは知らないが、まずは、20歳以上の若者は選挙ぐらい行け。何もしないうちにあきらめるより、自分で世界を変える努力しろ。まずは、自分で自分を変えろ。って、何か自分に言ってる気がするな・・・。自分もじじいか若者かと言われると、まだ若者であるはずだし・・・。自戒も含めてな。

　いやとにかくなにより言いたいのは、ここのコメント欄の「老人だからといって偉そうにするな。」とか、「老人だからといって席は譲らなくてもよい。」というような雰囲気がたまらなく不健全な気がするということだ。

　だって、ちょっと想像するだけでいいんだけど・・・、実際自分に子供が出来た時に、息子や娘に「お年寄りを大切にしましょうというのはキレイごとだから、大切にしなくてもいいよ。」とでも言うつもりなのだろうか！？　それって自分の首を締めてない！？　まだ若いから自分も年をとるということを認識できていない！？　今自分が食べているモノが知らない誰かによって作られているとか考えたことない！？　ちょっと席を立って老人に譲る方が口論するよりもみんなが少しだけど幸せになれて良いと思ったりしない！？　なによりそこで走っている電車でさえ、勝手に走っているんじゃないぞ、誰かが働いて動かしているからこそ、グラサン男も座っていれば目的地に着くようになってるんだぞ。想像しろよ。
　しかし、そういうことを本当に想像できない人ばっかりだったら、今のうちにせいぜい働いて老人になった時には、日本を離れよう・・・、じゃないと自分もいつか若者に殺されるよ・・・。

　団塊の世代がリタイヤした時、ただただ自分の身は自分で守る時代が来るのかもしれないね。小さな子供や老人をいたわるのは、時代を超えて普遍なことだと思ってたけど、世の中はもっと殺伐してきている・・・。こういう子供を作った親よ、出て来い！！