caprinのミク廃更生日記

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喫煙、アディクト、オタク (伊藤計劃)

http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051008/p2

そこで思うのが、オタクだ。毎年、夏コミの帰り、ロリキャラの紙袋を下げた人間を見て、東京湾花火大会にいく人間たちは嫌悪をあらわにする。アニメのTシャツを来たデブオタ。いわゆる「アキバ君」の格好。あれもまた、その人間が(周囲を無視して)アディクトしていることを身体で表象していることからくる醜さなんじゃないか。自室にエロゲのポスターが貼ってあろうが誰も気にしない(人の部屋など見ないから)。しかし、オタクがそれと分かる形でパブリックなスペースに出ていくとき、状況は一変する。それは、自室から外に持ち出されたアディクトしている身体だ。オタクの服装とは、究極的には外に延長された自室である。「趣都の誕生」はアキバを「巨大な個室と化した」と語ったが、オタクの服装や持ち物はそれ自体が外延された自室であり、そのオタクの自室は生活空間という機能以上に、ある(人目をはばかるはずの)メディアに中毒するための空間という意味合いが強い。つまり、オタクの服装、体形、ノートパソコン、リュックなどの装備とは、外に持ち出された中毒空間の表象なのだ。

 タバコの中毒と絡めてヲタクの格好も中毒化されたものだという発想がおもしろい。
 アキバがヲタクの巨大な個室となり、個室から持ち出されたヲタクのアイテムを一般人から見て気持ち悪いというのは、アディクトされた連中を嫌うという状況であるというのはなるほど確かにと思った。

 しかし、自分は最近はもっと深刻な中毒症状があると思っていて、それは携帯だったりする。自分は最近あまり電車に乗らないのだが、久々に乗っていると、次の駅で電車に入った8人くらいの人間が、電車が走り出すと一斉にみんな携帯を持って「カチカチ」メールやゲームをやり始めた。誰も本なんか見ない。これは、電車に毎日乗る人には珍しくない光景かもしれないが、冷静に見るとかなり怖い現象だ。