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どう動く「村上ファンド」 (日経IT)

http://it.nikkei.co.jp/business/special/rakuten_tbs.aspx?i=20051013an009an

 WBSで村上さんが出演していたので見たけど、「ああっ、やっぱりこの人はお金のことにしか興味ないんだな。」という感じがした。まあ、預かったお金を短期的に増やすのが目的の会社を営んでいるので、それが正しいか正しくないかといえば正しいのだけど、お金の味方であるということはつまりは強い者の味方であって正義の味方ではないということははっきりしているな。
 番組の中で、彼は村上ファンドへの出資者の半分は日本人で半分は外国人投資家ということを言っていた。(彼の言葉を本当と信じればだけどね。) また、投資の金額が多いので、実際は投資家というよりも投機目的の企業の方が多く、億の1桁単位ではなく2桁単位で投資を行っているらしい。そこには石油高騰での儲けをどこかにまわしてさらに儲けようとしているアラブの財閥なんかもいたして、まあなんと縁遠い話だこと…。
 だけど、彼のお金の源泉の半分は外資ということなら、半分は外資ハゲタカファンドと変わらないのでは!?と思ってしまう。「私が外資が来る前に日本の会社を鍛えているんだ。」というこようなことを言ってたけど、それもこうなってくると白々しい話だ。フロントに立つ人間が日本人なだけで侵食は今すでに行われいるのだ。

 あと、阪神タイガースの上場は、彼にとっては本当にどうでも良いことで、最近は「阪神タイガースの経営権を取ろうなどとは思っていません。」などと饒舌にしゃべっている様子は、やりすぎると反発を買いそうな「儲けよう」という彼の目的を一般の人から遠ざけているようにも見える。(普段はあんなにペラペラしゃべる人ではないと思うし。) 大きな嘘を覆い隠すために、小さな嘘は言わず本当のことを言う彼の場合、記者がくいつきそうな質問のところでは「嘘は言っていない」のでバカ正直なほりえもんより余計に信頼できそうにないよ。(もちろん投資家にとってはこれほど頼りになる人も他の日本人ではいないのだろうが。) 自分にはほりえもんが80%のお金と20%の名誉で行動が決まっているとしたら(名誉も多少欲しいから議員に立候補した。)、村上氏は100%お金が行動の源泉になっているように見える。

 さて、阪神グループの持つ阪神球場や阪神百貨店などの実際の相場よりかなり安く見積もっていることから出来る含み益をどうやって彼がゲットしていくのかこれからも注目だ。古くからの株主が「保有資産を株主に分配しろ。」というのは、まっとうな意見だが、昨日今日株主になった人がこう会社に要求し、利益が確定したら株を売って去っていく。法律的にはまったく問題なしだし、「だったら上場しなければ良かったんですよ。」というのもまったくそのとおりなんだから、狙われた企業としてはぐうの音も出ない。
 つうか、これと同時に行われているTBSの買収もライブドアと一緒にやった時と同じ手法ですでに売り抜け完了しているもんなのかなあ。「TBSの本社がある赤坂の建物は不当に安く見積もっている。」とかとぼけたこといいつつ、すでに買収した分は予定調和的に楽天TOBで渡したりするんだろうなあ…ポワワ。まったくうらやましい話だ。しかし、楽天も強力なメディアとコンテンツが欲しいにしろ、今回はかなり強引だなあ。今のところライブドアと同じ手法を使っているが、ここでさらにウルトラCを出してくるのか、裏に影のボスがいて糸を引いているのか、これからも何かが起こりそうで目が離せないね。

 しかしまあ、日本の会社は「外国のハゲタカファンドが狙っているぞ。」とか言う前に「日本のハゲタカファンド」をまずなんとかしないとね。有料保有資産があちこち狙われた後、日本の経済はどうなるんだろうか!? 勝ち組にしか選択権を与えられない世界では、たくさんの負け組みが復活もせずにくさってしまう。これは長期的に見るとかなり怖いぞ。