caprinのミク廃更生日記

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「荻上さんに自己投影し、トラウマ克服のファンタジーを楽しむ」という構図 (シロクマの屑籠(汎適所属))

http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20060826/p1

 いや〜、8巻は随分、ファンタジー度が上がったねえ。これだけヲタクが日本中にいるのだから、こういったカップルもそりゃ実存するのだろうけど、「非モテ」からすればこれは立派なファンタジーだ、ぶっちゃけありえねえ。どちらかというと連載初期の頃が好きで、ヲタクの妄想というかファンタジー度の上がった最近の「げんしけん」には興味がなくなっていた私だが、それでも続きが気になって買わせてしまうのだからこの作者はたいしたもんなのだけど…。(一応、褒めている)
 と、いうか8巻の私の感想を一言で言うと、「おもしろいけど、おもしろくない」というのが一番ぴったりくると思う。それは、私が個人的に好きな咲ちゃんのヒロインの座を荻上が奪ってしまったという直接的な理由だけでなく(笑)、ファンタジー度が上がって物語としては強化された分、ヲタクとしてはこのぬるま湯に長くつかっている状態にいつまでいていいのかと嫌でも自問自答してしまうのだ。いや、分かってて作者の用意したぬるま湯につかっている分にはいいのだが、その夢が長ければ長いほど、ふと我に帰った時に急激に冷めて風邪をこじらせてしまいそうなのだ。

 いっそのこと、「あ〜る」みたいにファンタジーでもギャグ漫画だったら良かった。恋愛ドラマなら「耳をすませば」ぐらいに純化されていたら、痛いのなら「稲中卓球部」ぐらいに突き抜けてたら、こうまでもやもやした気持ちにならなかった。結局、今のヲタクがぬるいのと一緒でこの漫画のオブラートに包まれたぬるさも、いったん裏読みしてしまうとどうにもこうにも純粋にストーリーを追えなくなってしまったのかもしれない。なんせ、自分の視点では良くても斑目視点、悪くて玖珂視点あたりが一番馴染みそうだからな。裏読みしだしたら、相当嫌な漫画だぜ、「げんしけん」は…、だが、そこがいいっ!!(とも思ってしまう自分が嫌)