caprinのミク廃更生日記

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過酷労働を自慢するのは坊やだからさ

・なぜ過酷労働を自慢するか (おちゃめクールの周回遅れブログ)

http://d.hatena.ne.jp/ochame-cool/20061217/p1

自分たちを差し置いて救済されるのが腹立たしいという意見であれば確かにわかる。だとすれば「まず俺を救え」と主張するのが正しいはずだ。

ともあれ、今回の「これで過酷労働かよ!」的発言は、実は自らの生物的な優位性の主張なのではないかと思われる。ようするに、「俺はもっと過酷な労働をこなしている」と主張することによって「俺は生物的に優れた個体」であることを誇示しているのではないだろうか。私はこれらの一連の「これで過酷労働かよ!」的発言が単純に僻みや妬みから来るものではないと思う。

 おっしゃることはまったくもって正しい。んが、自分のとこの会社の愚痴ぐらい自由に言わせてあげれば〜!?というのが私の立場だ。私も会社に対しては文句ばっかりだしな。ただ、今回、公務員(今回は郵便局員なので半公務員!?)よりもわりを食らっている(もしくはそう思っている)人間が、「それぐらいで過酷労働かよっ!!」と下層がさらに下を蔑む状況はやはりよくないよね。なんで50代の老齢の人に対して「夜勤はそれぐらいが普通」と簡単に言えるのか、自分が50代になっても連続して夜勤なんて想像するだけでもつらいじゃん……。また、そういう老人をいたわれない人に限って自分がその立場になった時には「もっと楽をさせろ」とか言いだしそうだ。

 しかし、「俺の方がもっと忙しいぜっ」とか、「俺の病気のほうが重いぜっ」とか、不幸自慢で競い合うのも不毛だが、「もっと民間には厳しいところがある」などという身も蓋もない論は、それが例え正しいことでも、世の中に対して人に対して際限なく厳しくエスカレートする危険がある。2chの書き込みでは「ナースたんはもっと忙しいぜっ!!」というものがあったが、これが看護士でもない人間、しかもそれが学生とかNEETのような人間から発せられたとしたらそれはそれでとても不幸なことだ。自分に優しく、他人に厳しく。「ナースは大変!!」という、その言葉はあくまで看護士が自ら声を発して主張しない限り、言葉に重みがないのだ。ただ、あれだな、今までよりも仕事がきついきついといいながらも、この老人が実は下層でもなんでもなく年収にして700万以上もらっているとかになったら、「今までが楽すぎたんだろっ!!」と意見を簡単に鞍替えしそうな自分がいるのも確かだ。これはやっぱり了見が狭いのかなあ!?

 この元エントリのテキストだけで、郵便局員を甘いとする考えが生物的優位性から来るのか、ただの妬みなのか、これだけでは私には判断出来ないけど、自分で自分の首に鎖をつける隷属根性を持ってしまい、それを自分もそうなんだからと他人にも強要するのは明らかに間違いだ。確かに会社は人を時間的束縛で縛ってしまうが、本来ココロまで縛ることは出来ないはずなのに、自ら犬になってどうする!? ワーカーホリックでワーキングプアなんて狂っているとしか思えない。


 なお、自分はホワイトカラー・エグゼンプションに関しては、賛成もしないが、反対もしない。もともとうちは、サービス残業が普通なのであまり関係しないというか、これの影響が多分出ないのでピンと来ないというか……。ただ、今回の案が採決されれば、人を使い捨てと考えているような企業にはより都合の良い状況にはなるだろうし、政府がなんと言おうと過労死の人間が増えるのは間違いないだろう。だから、自分の会社の経営者が「残業代を払わなくなってラッキー、でも仕事の時間はそのままね。」というような場合は断固反対と声をあげるべきだろう。

 でも、ならば今のうちにと「サービス残業なんて違法なんだから会社を訴えるなり、労働局にチクれば!?」というのもある意味正論なんだが、それを実行に移すことは、今の弱体化した中小企業ではさらなる崩壊、倒産につながる危険性がありやっかいだ。自暴自棄になって今の会社が潰れてもまあいいやという人はいるかもしれないが、さすがに普通のサラリーマンが人生基盤の収入源を失うのはきつい。結局、それが出来るのも金銭的に余裕がある大企業に対してしか行えないように思うよ。でも、その大企業でさえも、縦の繋がりが弱くなり、経営者に立ち向かう労働組合も本当に弱くなってきている。そういえば、数日前にも経営者だけが得をするという大企業に有利な企業減税がたくさん行われ、一方個人への増税がたくさん増やされる政策が決定されていたなあ……。いまだ個人所得が上がらず、景気を実感出来ない人の方が多いこの時期に 政府はいったい何を考えているのだろう!? 自分には労働者が一人一人弱い立場に分断され、政治家が大企業の経営者の言いなりになっているようにしかみえない。

 あ〜、書いててなんだか分からなくなってきた。でも、2chにたむろする連中が本当に相手にしなければいけないのは、もっと上の人間であって、50代の老人をやっかむことではないような気がするな……。


言及リンク 鎖の自慢 (チョッチ)

http://d.hatena.ne.jp/tantubo/20061218

僕は貴方より沢山働いている」を測る方法は、時間ではない。時間の長さで「私はこれだけ頑張っている」と言うのは、いかに中身の薄い時間を過ごしているかの裏返しであって、人生の有限な時間を無駄に過ごすように仕向けらた愚民政策に多くの人が乗っかっている事を示しているように感じる。

 クリリンのことかーーーーーーっ!!(つまり、俺)


言及リンク 過酷労働を自慢する理由 (あとで○ろそうか)

http://d.hatena.ne.jp/atode/20061218

この場合、生物的にというよりも社会的にだと思う。問題はなぜその優位性が過酷な労働をしていることで誇示できると思ってるのかという点。

思うに、暇=社会から必要とされていない、という解釈があるからではなかろか。いつも暇な人間の周りにはあまり面白いことが起こらないイメージがある。するとあたかもその人の価値が低いように感じてしまう。そこで逆に、暇じゃないどころか死ぬほど忙しい→なにか価値があるのでは、と考えてしまうのではないかな?嫌味な見方をすると、そのように解釈することで自分を正当化しようとしているように思える。

冷静に考えれば時間あたりに貰える金額のほうが社会的優位を表すはずなんだけどね。


言及リンク 2ちゃんねるとブログの愛憎劇 (無名随筆)

http://d.hatena.ne.jp/kyosikage/20061219

 一般の労働環境に言及しているのならば、そこから浮かび上がる人間の姿は平均的な労働能力を持つ人間のそれだろう。それは、「生物的な優位性の主張」とは関係がないはずだ。もちろん、レスの中には、自分の労働環境を比較対象にした「不幸自慢」も散見されるが、しかし、平均的な日本の労働環境を考えれば、この郵便局の「深夜勤」は過酷な労働とはいえない。

 このような言いがかり的な記事が出てきてしまう背景には、近年のブログのメタ志向があるのかもしれない。最近、2ちゃんねるはベタな発言、ブログは2ちゃんねるに対するメタな発言、そういった図式の中に落とし込もうとする記事が多いように思われる。


言及リンク 搾取と労働のWin-Win (sam113のブログ的生活)

http://d.hatena.ne.jp/samona/20061218

自分は今、残業がしたくてしたくてたまらない。今の自分の職場は、なまじプロジェクト管理がしっかりしているおかげで、年末のこの時期でも大した残業が発生していないんだけど、それが自分にはひどくつまらない。こんなことを言うと今大変な人に殴られそうだけど。

何故つまらないかというと、それは経験値が稼げないからだ。仕事を「自己実現ゲーム」に見立てた場合、労働時間の長さは、基本的には得られる経験値の量に直結する場合が多い*1。今の気分を例えるなら、『早くレベルを上げてロマリアに行きたいのに、スライムしか出なくてイライラする遊び人(勇者、とは言わない…)』といったところだ。

だから自分には、「過酷労働自慢」にもある程度理解できるところがある*2。仕事を自己実現ゲームと捉える人にとって、超過労働は経験値稼ぎと同義なのだ。デスマーチに至っては、はぐれメタルが集団で現れるようなものと言えるだろう。もっともそのはぐれメタルは、イオナズンザラキを連発してくる超強敵なのだが。


・関連グラフ 労働待遇 (シイサイドの日記)

http://d.hatena.ne.jp/sea_side/20061218


・関連リンク 現職郵便局員が明かす『深夜勤』 (東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061217/mng_____tokuho__000.shtml


・関連リンク 来月から郵便局に導入計画 4日連続の「深夜勤」 睡眠4時間、夕食は電車の中か (共産党)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2004-01-08/05_01.html


・関連リンク 超多忙な教員の実態 (パソコンはおもちゃ箱)

http://d.hatena.ne.jp/Marumameko/20061217/p1