NHKスペシャル「ワーキングプアII　努力すれば抜け出せますか」の感想 (紙屋研究所)

http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor3.html

　丁寧な解説。私もこの番組を再放送で見たのだが、それを補完するのにとても役に立った。
前回の番組よりも今回はさらに悲惨な気がする。

　いま（2006年12月）、政府予算原案で初年度4000億円もの大企業減税（減価償却制度の拡充）、政府税調や与党税調が次々法人税減税を打ち出した。他方で07年度政府予算の原案は、定率減税の全廃をもりこんでいる。これらの動きをマスコミも軒並み「企業には手厚く　個人には厳しく」などと書いた。
　大銀行の多くは法人税をほとんど払っていない。たとえば三菱東京UFJは９月中間決算で過去最高益をあげながら、法人税は2002年3月決算から１円も払っていないのだ。仮に、利益に見合う分の法人税を払うとすれば、銀行が払っていない分は年8000億円にも達する。
　それだけの額が経常費としてあるだけでも、貧困世帯に十分手厚い支援をすることができる（たとえば、07年度に廃止された生活保護世帯への母子加算は420億円である）。