caprinのミク廃更生日記

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2007年を斬る: 「働く」って何だっけ? 世界に誇るべき日本人の労働観、その誇りと自信を取り戻せ (NBonline)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061227/116261/?P=1

欧米的、特に米国的な方に向かおうとしているけれども徹底的にやれていないのは、そこなんですよ。日本人というのは、元々お金をもらえるから頑張るという文化ではなかったのに、無理やりに「報酬はお金だ」と叫んでいる。ところが、実際にはそれほどお金をもらえるわけじゃない。メリハリもつけず中途半端なまま。気がつくと、今まで自分たちを鼓舞していた日本的な労働の価値観を希薄化させただけだった。誰もが「このままではダメだ」と思っているのに、どうしたらいいか分からなくてもがいている。

 高橋伸夫さんが書いた『虚妄の成果主義』でも引用されている有名な社会心理学の話があります。ユダヤ人の床屋の話です。ドイツの子供たちが、床屋に来ては石を投げてガラスを割る。困った床屋が知恵を絞った。ガラスを割って逃げようとする子供たちに、「よくやった」と言ってお金をあげた。ガラスを割ってお金をもらえるんだから、子供たちはまたガラスを割る。何回か繰り返した後に床屋の主人はピタッとお金をやるのをやめた。すると子供たちは、お金がもらえないなら面白くないというのでガラスを割らなくなったというのです。モチベーションのスイッチングが起こったんです。

 このスイッチング効果ってものすごく大きい。今までメーカーの現場などでは、「カネのためにやってるんじゃないんだ」「俺はこの製品に命を懸けているんだ」と誇らしく言っていた社員が、成果主義が導入された途端に「こんなに安い給料でこき使われたんじゃ、やってられない」と言い出すという具合に、意識のスイッチングが起こっちゃったわけです。重大な落とし穴です。

 もちろん、日本の労働観が手放しで良かったかと言えば、そうではなくて、一歩間違えば、「傍を楽にする」のではなく「皆で楽になる」というぬるま湯文化に陥ってしまうことも少なくなかった。


・関連リンク 2007年を斬る: 竹中平蔵からの直言 (ニュースを斬る)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061227/116263/?P=1

所得水準の高い国の方が経済成長率が高いなんて、そんなことをすんなり受け入れてはならない。日本はもっともっと成長率を高める余地があるんです。国内の格差問題を論じるのも大切ですが、日米の経済格差が拡大しているという現実から目をそらしてはいけません。

 国際経済研究所のブラッドフォードとローレンツという研究者による最近の試算では、グローバリゼーションの流れに合わせて開放を進めることによって、日本は先進国の中で一番大きなメリットを享受するという結果が出ています。日本は改革によってもっと良くなるんです。もう1つすごく重要なのは、日本の所得水準が高まっているということです。改革と言うと、「痛み」を指摘する人が多いのですが、改革にこそ確かな効果と恩恵があるんです。

 安倍(晋三)さんは、改革を続けるという熱意を持っています。彼を支える官僚、補佐官、民間議員などのアドバイザーが、反対派を上回る知恵を出して戦っていかなければいけないと思います。

政治というのは、“できること”をタイムリーに実行に移さなければならない。良い数学者とは“解ける問題”を探し出す者だという有名な定説がありますが、政治のアジェンダ設定もそれとよく似ています。解けない問題をいくらやっても前に進めない。確実に解ける問題を設定し、しかも国民、経済のためになり、なおかつ世論の流れにも乗っていなければならない。

 今、振り返ると、アジェンダ設定の多くを経済財政諮問会議がこなしました。小泉政権で我々が最初に掲げたアジェンダは、「公共事業に頼らないで経済を回復させる」というマクロ経済の大転換でした。そこから、“道路族”とか“公共事業族”との大闘争が始まりました。2年目になって税制改革と一緒になり、金融改革がイシューになってきた。そして、三位一体改革、郵政改革と、次から次へと新しいアジェンダを打ち出したのです。郵政民営化なんて、最初から国民が望んでいたわけじゃありません。なぜ郵政民営化が大事なのかという説得から始めたわけです。


・関連リンク [日銀][経済] 森永卓郎の経済展望:今年最大の波乱要因は日銀の再利上げ (nikkei BPnet)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070104_morinaga/index.html