caprinのミク廃更生日記

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全世界の家電メーカーが力を合わせてもApple1社に勝てなかった日 (キャズムを超えろ!)

http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20070110/p1

言葉がない、というかグゥの音もでない。誰が何といおうと、完敗である。家電メーカーの中の人達が一番良くわかっていることだろう。ポータブルの動画・音楽プレイヤー、デジカメ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA、カーマルチメディア、これら全ての機器群を担当する家電メーカー社員にとって、今日は眠れない夜になるはずだ。当分の間「今君たちが開発してる機器、それってiPhoneが普及しても売れるの?」という上層部からの責めを嬉しく思うMっ気のある人を除いては。

 むしろ、日本の携帯機メーカーは胸をなでおろしているかもしれない。「良かった、日本だけが独自規格を採用していて……」 少なくともiPhoneを日本語化する作業以前にiPhoneの世界標準規格のGSM/EDGEを日本の独自規格W-CDMACDMA-2000に合わせるには少なく見積もっても1年以上はかかる。その間にもっと出来のいい携帯を作れば、あるいは日本だけは世界と違うシナリオを書けるかもしれない!? いや〜、携帯音楽プレイヤーの世界でSONYもかなわなかった今のAppleに、日本の閉鎖空間で高収益にあぐらをかいていた日本の携帯機メーカーがおいそれと追従出来るかというと、それも難しいかなあ……。もちろん、日本の独自規格などはNTTを制限する法などでそうなったのだから、携帯機メーカーのせいだけにはしてはいけないのだが、iPhoneを見てからオンガクケータイとかLismoとかの日本独自の音楽サービスを見てみると、携帯と音楽プレイヤーの融合をApple以上に本気で考えていたとは到底思えないというか、Apple側から見るとそのサービスはお遊戯にさえ見えるかもしれない。「この音質でも若者は買ってくれている、これで十分だ」と某メーカーの人達は言っていたが、そういう若者はより良いサービスがあればすぐそちらに乗り移ることに躊躇はしない。(もちろんピュアオーディオの世界から見れば、デジタルオーディオのiPodの音質だってお話にならないわけだが、日本にはそれさえも劣る音質、かつ制限の多いサービスがまかり通っている)

だがiPhoneは違う。目新しいデバイスを何一つ使うことなく、「こんなのあったらいいよね」と誰もが思う機器を如実に実現させたトータル・マネジメント能力は驚愕に値する。

PCとWebの世界は驚くほど進化が早い。その世界で叩きのめされながらも必死に生き延びてきたAppleが、コンピューターメーカーとしての発想で作ったポータブルAVCデバイス。対する進化の遅い家電の世界を生きてきた家電メーカーにとっては、とてもじゃないがAppleのようなデバイスを作ることはできないだろう。勿論、家電の世界には家電の世界の難しさがあり、Appleが冷蔵庫を作れるかというと、作れない。

だが、AVC系デバイスについてはもう、世界を隔てる壁など存在しないのだ。家電メーカー社員ってのが、何となく江戸時代末期の武士のように思えてきた。

 確かにAppleマーケティングのうまさも発表したタイミングもさることながら、欲しくなるハードウェアとしてもそれをバックアップするソフトウェアの充実度なども、Appleのトータルのバランスの良さは際立っているよなあ。Mac OS Xを乗せているにしてはバッテリーの持ちも良さそうだし。
 しいてたったひとつiPhoneにアキレス腱があるとすれば、PS3みたいにハードウェアの出来は良くてもそれでも携帯端末としては高く感じてしまう値段かなあ……。でも、それさえも日本の携帯の売り方みたいに月々の携帯使用料にiPhoneの値段を転嫁してしまえば、見た目の高さは吸収できるわけで、やっぱり死角はかなり少ない。ここらへん、海外の売り方はどうなっているのだろうか!?
 あと、個人的には、タッチスクリーンによるオペレーティングには若干の不安を感じるのだが、日本でもNintendoDSがちゃんと受けいられている現状を考えると、それも一般には問題ないのだろうな。しかし、これって考えれば考えるほど、SONYCLIEが目指していて出来なかったPDAの新たなる末裔だよなあ……。これがNewtonの後継ではなく、表面は携帯となっていてもだ。


・関連リンク 質問です。iPhoneは本当に「日本の鎖国」を解き放つ黒船なのですか? (煩悩是道場)

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070111/1168472759

 この場合、iPodというかiTunesによる黒船襲来はすでに1回行われていると考えることがミソだと思う。iTunesダウンロード販売は日本のCD至上主義を否応無く変えさせ、日本でiTunes Music Storeが始まる前に先行しようとした各サービスも結局はiTunesに飲み込まれてしまった。
 また、2回目のiPhoneによる黒船襲来も今までと異質なキャリア、Softbankがいる以上、法の制限による鎖国も崩れかけていると見る方が自然だろう。なにより、日本のユーザーがiPhoneをのぞんでいるのだからそれの方式がどうなろうと、iPhoneという端末は入ってくる。むしろ、Docomoauが政府とか偉いさんにどれだけ働きかけて、その流れを邪魔しようとあがくのかがウォッチャーとしては今から楽しみだ。また、そのDocomoauでさえ、自分の陣営にiPhoneを持ってこられれば逆にライバルを突き放すには強力な武器になるわけで、数々の障害はあるもののiPhoneのコンセプトが日本に入ってこないとは考えにくい。


・関連リンク AV機器の製品カテゴリーはなくなるのかも (うつせみ日記)

http://d.hatena.ne.jp/hidematu/20070111

今のデジカメでも簡単な動画を撮れるしビデオカメラでも写真は撮れるので、この2つの製品についてほとんど同義語のような気がする。同様にこのグループの中に携帯電話を入れてもいい気もする。そう考えると、iPhoneはどういうカテゴリーの製品なんだろうかと考えてしまう。名前は"電話"だが実態はマイクロソフトUMPC(Ultra-Mobile PC)の"理想型"の様に見える。こういう製品が出てくるとこれまでのAV機器のカテゴリである携帯電話やPDAなどの分類は意味がなくなるんじゃないだろうか。

最近の任天堂の製品もゲームという言葉の定義を変えようとしているように見える。

今はまだ漠然としか分からないが、情報(音楽/映像/動画/通信)のデジタル化というのは、従来の製品カテゴリー(既成概念)を無意味なものにしていく変化なのだと思う。この変化に追従できない組織はふるいにかけられ淘汰されていくのだろう。


・関連リンク iPhoneについての感想をコレクションする (シナトラ千代子)

http://d.hatena.ne.jp/wetfootdog/20070111/p1


・関連リンク iPhone、欲しいか? (ただのにっき)

http://sho.tdiary.net/20070111.html#p01

なんだかApple信者のたてるノイズが多すぎて、冷静に判断できない雰囲気。

でも、iPhoneの存在自体は秘密でもなんでもなかったし、全面タッチスクリーンのデザインも「第6世代iPod」として何度も流出している。こういうのが出るのはとっくに想像していたわけで、いささか騒ぎすぎだろうし、奇襲に成功とは思えないな。二本指が使えるUIだってMacに搭載済みだし。

で、仮に今使ってる「W32SA + W-ZERO3 + iPod shuffle」をiPhoneで置き換える(値段的に釣り合いがとれる置換案だろう)ことを冷静に考えてみたら、まだまだ欲しいと思わせるだけの出来ではないと思えてきた。

 問題なのは、アップルのやることは分かっていてもトータルパッケージとしてアップルよりも品よく見せる製品を他のメーカーが作れていないことだよな。基本的にWindowsユーザーな私でもこのアップルの製品をいいなと思ってしまうのはやはりその微妙なバランスの一番いいところにこの製品があるからかもしれない。
 それぞれの専用機を使い分けて深く使い込む人にとっては、レスポンスの面でもかゆいところに手が届く仕様の点でも「W32SA + W-ZERO3 + iPod shuffle」の方がいいに決まっているのだが、ライトユーザーにとってはその3つがまとまるだけでも買い換えるには十分な理由になるかもしれない。アップルの製品はデザイン系でMac使う人を除き、プロフェッショナルよりも一般ユーザーが多く使う。これも多分、W-Zero3に真っ先に飛びついた連中は逆に禁忌にしてしまいそうな製品なんだろう。

 しかし、これがまた売れすぎて、iPodが車業界のカローラみたいな製品になったように、誰も彼もが持っている製品となってくると、またイメージが変わってきそうだ。今までApple信者は少数派だったからこそ、そのアイデンティティを保ってこれたのだが、この手の製品に少数派の持つ特権みたいなものはないような気がする。


・関連リンク iPhoneの主機能は電話では無いという仮説 (適宜覚書はてな異本)

http://d.hatena.ne.jp/dacs/20070111


・関連リンク [動画] iPhoneほしい、iTVほしい、MacBookProほしい (B-KOOL)

http://d.hatena.ne.jp/B-KOOL/20070111