caprinのミク廃更生日記

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分配が問題なんですよ…。分配がなければ貧困が拡大する (ロリコンファル)

http://d.hatena.ne.jp/kagami/20070206/p3

 分配が必要というところは同意出来る。アメリカの場合、ガメつく儲けることは自由民主主義として肯定されることなんだけど、その分、稼いだ額の一部は寄付として弱い者に再分配しないといけない雰囲気がある。でも、今の日本は経営者がアメリカの都合の良いところだけをどんどん真似して稼ぐだけ稼いで何が悪いと開き直る人が増えてきたように思う。確かに昔の日本の「儲けることは悪いことだ」という雰囲気も決して良いものではないのだが、だからといって勝ち組だから全ての富を手に入れるのが当然という雰囲気は、大多数の労働者(大多数の負け組みでもある)にとって労働の意欲を失わせてしまった。バブルがはじけてこの方、労働環境の悪化により、会社への忠誠度も、勉強の意欲も下がり続ける……。
 経団連の会長とかが今やっている政府の働きかけは、自社の利益のための圧力なのか、本当に社会全体を見ているのかといえば、どちらのためでもあるかもしれないが、あえて優先順位を取るとすれば自社の利益の方がはるか上に来るように見えるんだよなあ。偽装請負をやってもマスコミを押さえ込めるであろうTOYOTACanonもすでに世界的な企業だから、賃金の高い日本よりももっと安い海外に工場を建てた方が有利かもしれない。だが、それを日本人の賃金を下げる脅し文句になっては駄目なんだよなあ。「まったく労働が無くなるよりも安くても働ける偽装請負の方がまだマシだ。」みたいな。


・関連リンク 見渡せば、はてブはバカばかり (albinoalbinism)

http://d.hatena.ne.jp/albinoalbinism/20070206/1170757088

相変わらず「似非科学」以前の頓珍漢な話でPage Viewを集めようとしているので、しっかり釣られて叩きまくろう。

「『誰かがやらなくてはならない生産性の低い仕事』はどこまで本当か?」というタイトルからして何が言いたいのか分からない。「生産性の低い仕事」の何が「本当なのか」を問いたいのだろうか。その仕事が存在するか? 本当に生産性が低いのか否か? それとも「誰かがやらなくてはならない」のは本当か? と言っているのか?

多分、言っている本人ですら分かっていないに違いない。いつもながら日本語が曖昧で、それは書き手のオツムの程度がかなーり低いことを表している。それが、同じくモノを考えるのが苦手な読者の支持を集める要因であろう。一つ一つの事象を検証することなく、なんとなく分かった様な気分にさせてくれるところ、頭を使う労力をサボったままで賢くなったような錯覚を起こさせてくれるところがこのblogの人気の秘密である。

 突っ込んでいることは確かに正しいのかも。だけど、この人の言葉はいろいろきついなあ。分裂勘違い君の言葉は自分も含め、ある層には非常に心地よく聞こえるのだと思う。(そういう層は単にバカということか!?) いつも俯瞰した位置から労働とか、経済を語るからそれぞれの専門筋から見たら勘違いや間違いは多いかもしれないな。それよりも彼の持つこの義憤みたいなものがどこから来るのか!?ということの方が気になる……。世の中には頓珍漢で当てずっぽうな経済学者とかも多いわけで、それらと同じような説と考えれば別にどうということもないけどなあ。

バカの極み。生産性が上がれば余剰人員が発生し、首を切られた人は「掃除のオジサン」にならざるを得ない。「掃除のオジサン」の供給が増えたら「給料」は下がりこそすれ「上がる」ことはなかろう。「掃除」の「生産性」まで上がり始めたりしたら、更に「誰でもできる」賃金の低い仕事に甘んじるほかなく、結果としてワーキング・プアが増えることとなる。高度成長期にはパイがどんどん大きくなっていたから、生産性が上がっても更に工場を建てるとか販売人員を拡充するとかで余剰人員は発生しにくかったが、今やそんな甘い時代ではない。今日の日経にも書いてある通り、非正社員の活用により労働分配率は5年前に比して8.9ポイントも下がったと報じられている。何が「困る人は誰もいません」だ。こんなバカを言っている奴が生産性を上げられる筈はないから、真っ先にお前が失業して「困る」羽目になるぞ!!

まとめ : 労働需給と生産性をごっちゃにしている大馬鹿エントリ。恐らく「 働かなくても食っていける社会がもうすぐやってくるよ」に影響を受けて書かれたものと思われる。あれも高効率企業という生産性の高さを前提としていた記事だったからな。まさに類は友を呼ぶの類であって、トンデモはトンデモを再生産するようである。このような糞下らない記事を得意げに書ける神経が理解できないし、また、現時点におけるはてブの数はまだ78だが、またもや「この記事は納得! カイゼンカイゼンっと」だの「上手にまとまってる、すごい!」だの言ってるバカが発生していることからすると、今後更にその数は増えて行くのかもしれない。

 むしろ今の生活に困っていない人がこういうことを書けるのだと思ったのだが。


・関連リンク 「誰かがやらなくてはならない生産性の低い仕事」はどこまで本当か? (分裂勘違い君劇場)

ぼくは、いつも丁寧に駅のトイレを掃除してくれるオジサンが大好きですし尊敬しているし感謝しています。
だから、僕にとっては、駅の掃除のオジサンの価値生産性はとても高いです。
だから、ボクはそういういい仕事をしてくれるオジサンの給料はもっと高くなるべきだと思うし、掃除のオジサンの給料を上げるためという理由で、鉄道会社が運賃を値上げすると発表したら、ぼくは喜んで差額を払います。

 だからといって、自分でその仕事をしたくはないと思うんだよなあ。

みんなが、このようにして生産性を向上させることで、幸せになる人はいても、困る人は誰もいません。
なぜなら、その結果、生産性の低い職種から人がいなくなれば、需給バランスの関係で、その職種の生産性は、自動的に高くなるからです。

 う〜ん、自由市場は競争なので、チキンレースが続く限り、他と比べて生産性の低い職種というのは常にあるような気がする。全体として生産性が上がるのは良いことだろうけど、流通のトラック運送業や深夜タクシーみたいに、他社とのチキンレースで、宅配スピード、マッチング、効率を上げまくったあげく、一番大事な労働者の健康や交通安全をないがしろにしては駄目なわけで……。


・関連リンク 大多数が余裕を持って暮らせる豊かな社会の作り方 (分裂勘違い君劇場) (再掲)

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061231/1167563326

 こちらは大晦日のエントリ。これに代表されるように壮大なシミュレーションを元に話が展開される。話としてはおもしろい。


・関連リンク 働かなくても食っていける社会がもうすぐやってくるよ (アンカテ) (再掲)

http://d.hatena.ne.jp/essa/20070131/p1

 「タダ」と見えるは、誰かが消費者の変わりに代金を払っているからか!? 日本でもフリーペーパーとかが流行っているけれど、消費者がその印刷代・製本代を払う代わりに、そこに広告を出す企業達が肩代わりで出している。純粋に「タダ」なモノはかなり少ないはずだ。


・関連リンク 高給取りの条件は、生産性の高さではなくて、独占の度合いである (暗闇の海底でみる夢)

http://d.hatena.ne.jp/yuyu99/20070206/p2


・関連リンク たくさん給料を払える会社 (gettoblasterの日記)

http://d.hatena.ne.jp/gettoblaster/20070207


・関連リンク ゴッドランドの経済学 (山形浩生 の「経済のトリセツ」)

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204/p1

 生産性の高い人だけを集めたら――気持ちはわかる。これはみんな考えることだ。まったく、オレの脚を引っ張るあいつとか、こいつとか、出張精算が10円ちがうとかで再提出を要求する経理部とか、残業や休日出勤にいちいち申請書を求めてくるXX部とか、みんなオレの生産性を下げるウンコどもばかり。こいつらがいなくなったらオレの生産性がいかに上がることか。やっても意味のない仕事を要求してくるこのクズ顧客。説明をまともに理解する能力すらなさそうなあいつとかこいつとか。なんでこんなのが給料もらっとるんじゃ! こういう連中を一網打尽でぶちころし、すっぱり話の通る、うてば響くような連中だけ集めて仕事をしたら、同じ仕事が半分以下の時間で終わりそうだ――みんながイメージするのはそういうことだ。いろんな仕事における、二八の法則というやつがある。ある集団の中では、二割の人間が八割の仕事をやっている、という説。その二割の生産性は高く、残り八割は生産性がとっても低い。実際の感覚でいうと、二割の生産性は高く、三割ほどはそこそこ、さらに三割はいなくてもいい存在で、残り二割はもう積極的に足を引っ張る足手まとい以外のなにものでもない。この最後の足手まとい二割を銃殺させてくれたら、この世は楽園と化すでありましょうぞ!

 が……多くの人はこの話の続きも知っているだろう。じゃあ、といってその生産性の高い二割の人だけを集めて仕事をさせてみる。すると、その二割の人々がまた二八に別れてしまうんだと。二割の八割は仕事をしなくなる。これが本当に実験の結果として観察されたものなのかどうかは知らない。でも、何となく実感にあう話でもある。実は生産性というのは、個体の生得的な能力で決まるんじゃないかもしれない。むしろ組織内の力学で決まるのかもしれない。ゴッドランドを作ってみたら、高潔で高いモチベーションを持った特殊部隊の人々の一部は結局堕落して、昔とあまり変わらない状態になっちゃうかもしれないのだ。

 「北斗の拳」世代には分かりやすい例えで経済を切る。(笑)