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一匹狼の保守業務 第3回 トラブルシューターは一匹狼 有害な“正論”を盲信するな (ITpro)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070604/273175/

 一般的にもよく知られているが、有害な正論というのが2つあげられている。

第1は「仕事は部下に任せよ」というもの

ふむふむ、それでその結論が、

 悪く言えば,「おいしいところは自分のためにとっておく」。姑息な考え方と思われるかもしれないが,職人の世界ではごく当然のことである。
 技術者の場合,自分の腕一本で食べているのだから,自分だけが持っている知識やスキルを,簡単に他人に伝授してはいけない。職人に上下関係はない。上司も部下も全員がライバルなのだ。教育の名のもとに安易に極意を伝授してしまったら,いずれは部下に取って代わられ,泣きを見ることを覚悟しなければならない。

 いや、それはかなりせこい話だ。ITProはいつから姑息に自分だけが生き残る処世術を教える場になったのだろうか!? 技術革新の早いこの時代、一人で抱え込む技術にはおのずと限界がある。どちらかというとあらゆる技術をオープンにして、情報を共有するのが今の時代の方向性だと思うのだけど……。そりゃ技術の中には、ライバル他社に情報を漏らさないためにとか、著作権とか特許とかの制約があるため、クローズドな情報共有もあるだろうが、それにしたって同じ会社にいる上司や部下、仲間にも教えられない技術って、どんだけ自分の技術がすごいんだよっ!! 今はそういう技術を独占する時代ではないと思うのだけどねえ。ましてや、トラブルシューティング系のFAQ的な知識や技術なんかは、その業務に関わるお客様側も保守側も同じように共有している方がスムーズに仕事が出来ると思うんだが……。


 そしてもうひとつ、

第2は,「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を欠かすな」というもの

その結論が

 問題が起きたら,自分が“壁”となって問題の拡大をせき止めることを第一に考えるべきだ。できれば上司の耳に入れる前に解決してしまう。そのくらいの気概を持って,障害対策に当たって欲しい。筆者がトラブルシューターとして過ごした長年の経験から,何でもかんでも上司に連絡して判断を仰ぐ,という受け身の姿勢は感心しない。

 「些末なことで上司の手を煩わせたくない」という気持ちもあるし,「主人公はあくまでも自分であり,上司の手柄にはしたくない」という気持ちもある。だが,それ以上に,トラブルシューターには,「システム障害に関する限り,自分が最後の砦だ」というプライドを持って欲しいのだ。

 「気概を持って仕事に当たれ」とか、「自分を最後の砦だと思って」とかいうのは同意する。しかし、「ほうれんそう」の法則が、「何でもかんでも上司に連絡して判断を仰ぐ,という受け身の姿勢」というのは飛躍しすぎだと思う。「わかりません」という報告もあれば「うまくいきました」という報告もある。「分からないので教えてください」という判断を仰ぐような相談もあれば、「これはこういう方法でどうでしょうか!?」という部下からの提案みたいな攻めの相談もあるかもしれない。つまり、部下と上司の連絡を密にすることが、受け身の態度になるとは限らないのではないだろうか!?

 こうした考えが,時には裏目に出ることもあるだろう。自分の手で解決することにこだわった結果,障害がさらに悪化したり長期化したりするかもしれない。そうなれば,もちろん上司も責任を問われる。だからこそ,トラブルシューターはプロとして障害の質を厳格に見極め,最悪の場合を想定して判断を下す必要がある。

 上司には悪いが、「ほうれんそう」というのは結局、部下が上司にも責任を負わせるための必要事項なのだと思う。上司の手を煩わせないからといって、部下の独断で進まれて失敗されても、「報告」を受けていないのだったら上司はその責任を持ちようがない。連絡を密にさえしていれば、部下がうまくやっている場合は上司も自分の手をわずらわせずにまかせることも出来るし、うまくいっていない場合も部下の暴走を抑え正しい方向に導くことも出来る。つまり「ほうれんそう」は双方にとってメリットがあるのだ。もちろん難しい仕事を、上司が部下の伸びしろを信じてまかせる場合もあるだろうが、それは上司の監視やバックアップの元、進めるのが正しい組織のあり方だと思う。少なくとも部下の独断で進めて、障害を悪化・長期化させるなんてのはプロの意識として正しいとは思えない。

 そのことを押さえたうえで,あえて言わせてもらえば,トラブルシューターには,「たとえ判断が間違って自分の人事評価が下がっても,それが何だ」という気持ちで仕事に取り組んで欲しい。上司に障害を報告せず,わずか一昼夜,手元に情報を握っただけでガタガタ震えるような小心者には,絶対に務まらない。一匹狼こそが,トラブルシューターの真髄なのである。

 お客様は!?
主人公はあなたじゃないし、ましてやあなたの人事評価とかはどうでもいい。「お客様のために最善をつくしたが判断を誤った」ということはあっても、「私の評価が下がるから、それが何だ」という気持ちで、判断を間違えられたら、お客も上司もたまらない。


■関連リンク 第2回 ホワイトカラー?ブルーカラー? 肉体労働嫌いにSEは務まらない

http://www.myspacehooker.com/proxy/index.php?q=aHR0cDovL2l0cHJvLm5pa2tlaWJwLmNvLmpwL2FydGljbGUvQ09MVU1OLzIwMDcwNTMwLzI3MzA0Ny8%3D

 システム保守業務を担当している同僚から,「最近は障害がなくて楽だね。ずっとこうあって欲しいね」と笑顔で話しかけられたことが何度かあるが,そのたびに筆者は「馬鹿な事を言うものではない」と叱咤した。冗談ではない。システム障害が激減したら,保守担当のSEはクビになるじゃないか。こいつ,トラブルシューターという仕事の本質を分かっていないな,と感じたものである。

 システム障害あってのトラブルシューターだ。正直な話,完璧に安定稼働してもらっては商売あがったりなのである。トラブルシューター稼業は,SEでありながら,ほかのSEにはない矛盾を抱えた商売なのだ。

 うーん、保守というかトラブル対応専門で仕事していた人なのかな!? 保守業務ってどちらかというと、システムの不備が出る前にいろいろ対策しておく仕事かと思っていた。


■関連リンク 第1回 SEは“超能力者”か? 障害対応に欠かせない一瞬の閃き

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070530/273036/

 いやあ、どのテキストもいろんな意味で凄い。あまりに凄すぎて逆にこの人の著書を読んでみたくなったよ。(笑)
正しいことを言っている場合も多々あるんだけど、なんだかところどころに俺様理論が出てきて、素直に読めなくなってしまうんだよな。