caprinのミク廃更生日記

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社会をサバイブするということは!?

■社会で生き抜く上で大切な13のこと (fake24の日記)

http://d.hatena.ne.jp/fake24/20070715

1 仕事はつまらないものだと思うこと。楽しく思えることがあったらラッキーだと思うこと。
2 上司が言ったら絶対、お客さんが言ったら絶対。でもこころのなかまで服従しないこと。
3 「自分は何もできないんです」と考えているキャラを演じること。
4 20秒以上連続で話続けないこと。(会議でのプレゼンは別)
−短く話す練習をしましょう。
5 会議では最低1回は発言すること、仮りにその発言に意味がなくても。
6 上司のお説教は聞いているふりをすること、言われたことに対して深く悩まないこと。
ー真に受けると大変なことになります。
世の中にはマネジメントのできる上司はほとんどいません。同じミスをしても説教の内容、ミスを指摘するポイントは人それぞれ異なります。つまりはそれだけ上司の意見なんてあてにならないのです。それに成功したひとのやり方が自分に合うとも限りませんから・・・。自分一人で反省しましょう。
7 酒を注がれたら思いっきり飲むこと、そしてその場で酔って(酔ったふりして)寝ること。次回から飲まされなくなります。
8「芸をしろ!」と言われたら「恥ずかしそうに」に芸をすること、そしてすべること。頑張ってやって滑ったら次から強制されなくなります。逆にウケると、芸キャラになります。
9 飲み会の1次会には参加すること。2次会には別に(無理に)いかなくて良いです。
10 同期に相談されたらただ誠実に話を聞いてあげること。たとえ自分の仕事を放り出しても。ただ聞くだけでいいんです。
11 成績が悪くても落ち込まないこと。自分のやり方で業務を継続していればいつかあがります。−上司や他人の意見に振り回されるといつまで立っても良くなりません。
12 自分は仕事ができないなんて絶対に思わないこと。心のごこかで自分はできるんだぞってことを忘れないこと。(これが一番大切だと思います。)
13 うまく行かないときは開きなおること。

 ぶっちゃけ話でいえば、1の「仕事はつまんないもの」という決め付けもいいのだが、どちらかというと「仕事をおもしろくなるように工夫する」という前向きな考えの方が好きだなあ。仕事の大半は苦痛を伴う単純な作業かもしれないが、それをすることで日々自己スキルを高め、新入社員の今より大きな達成感を得られるような仕事に立ち向かえるようになりたい。つまんないモノをつまんない顔で仕事しているんじゃなくて、つまんないモノの中から小さな喜びを見つけ出すこと、より大きな喜びを見つける・掴む手段のためにつまんない仕事を喜んですること、そのための工夫はいくらでもある。

 また、同様に2の「上司の言うことは絶対」といいつつも「こころは服従しない」+6の「上司の説教は聞き流せ」という文脈では「上司は信用しないのが一番だ」と言っているように聞こえる。そりゃ部下達の立場からすれば、90%くらいは正しいのかもしれないが、やがてその部下もキャリアを重ねて上司になっていく。その時に上司である自分が部下に「上司は信じるな」と言える人間になっているか、もうちょっと長期的なスパンで物事を考えてみたい。10のうち9間違ったことを言う上司がほとんどかもしれないし、まともなマネジメント出来る上司はいないのかもしれない。でも、部下はその言葉を全て聞き流すのではなく、言われたことを反芻し、10:9以外の言葉、10:1しかない上司の正しい言葉を見つけ出し、それを聞いて実行出来るのが本当に優秀な人なんだと思う。またfake24氏がマネジメントをどういう言葉の範囲で使っているのか分からないけど、部下を教育するという意味でいえば、会社は学校じゃなく(教育じゃなく)仕事をする場なのだから、上司が部下を教育する必要はあっても、上司がそれを必要と感じなければその教育を実行する義務や義理はないのだ。*1 でも、それでも基本的には上司だって本当に部下に信じてもらいたいと思うんだよね。上司であるからして完全に仲間であるという意識は持たなくてもいいのかもしれないが、自分が失敗した時には安心してケツを持ってくれる、後方支援をしてもらえるくらいには、上司との信頼関係も築いておきたい。完全に見放した部下を上司は「あれは私の責任です」などとかばってはくれない。ただ、「あれはあいつの責任です」と言うだけだ。その時にほとんどの部下は「見放された」とショックを受けると思うのだが、そもそも自分が上司の言うことも聞かず、初めから見放しておいて、自分側が見放された時に「ひどいっ!!」というのも何か違うような気がする。*2

これができれば何年かは仕事が続きます。
そうしているうちに大抵の会社の中では、同期がどんどん倒れていき、あなたがその年代の中心的な存在になります。つまり会社のホープになるのです。

 結局、自分がホープになった時、つまりは以前よりも仕事の出来る、新社会人よりも責任のある上の立場になった時、果たして、3、6、7、8のような「本音を隠しキャラを演じる」という小賢しい技だけで社会をこれからも渡っていくのか、自分的にはちょっと将来に不安を感じる。11の「上司や他人の意見に振り回されるといつまで立っても良くなりません。」というのもそりゃ他人の正しくない言葉に必要以上に振り回されるのは間違いだけど、自分のやり方を必要以上に過信して突き進むのもどうかと思う。失敗をしているのならなおさら。また、10の「同期に相談されたらただ誠実に話を聞いてあげること。たとえ自分の仕事を放り出しても。ただ聞くだけでいいんです。」が真実ならそのうちの何割かでも「上司の話を誠実に聞いてあげること。」も同様に行って欲しいと思う。世代や年齢という立ち位置の違いだけで、その態度を変えるのはちょっともったいない話だ。部下の立場からも聞こえのいいように言い直すと、単に上司の言うことを「ハイハイ」と聞くイエスマンになるのではなく、上司を自分の都合の良いようにコントロールすること、なにかあった時に自分をかばってくれる・味方になってくれる上司を作ること、要は自分の話を聞かせる前の段階として相手の言うこともまずは「聞く」ということをやってもいいのではないだろうか!?

 なによりfinalvent爺の言葉の

1 社会に出て3年以内に貰えるおカネでバイト料より多い分は会社側の失費だということ
2 年上で無能に見える人はあなたより生存適応能力が高いということ
3 社会というのはサービスの関係だけどなんとなく心の関係のフリをするところだということ
4 貰ったカネを全部使わないこと、貯めたカネの使い道を考えておくこと
5 マジで悪人や不運にぶつかっても最終的に助けてくれる人はいないということ
6 つらいことをやっていてもそれに慣れてしまうものだということ(いい悪いなしで)
7 病気になったら社会から放り出されるということ
8 コミュニケーションは技術より人柄とモラルだということ
9 会議を効率的にやる必要はなしだということ(それなりの理由があってそうなっているのであってあなたは基本的に招かれざるお客さん)
10 異性との距離の取り方を自分なりに覚えること、もっと言うとフツーの人は清潔っぽくて普通に話せるならそれで十分
11 人があなたに話しかけやすくしたり、からかっていいくらいの隙を作っておくこと(はいそこでボケて)
12 結婚、出産、親の葬式という人生イベントをどう社会との関係でこなすかを学ぶこと

 は、もっとしなやかな人生の経験を踏まえた含蓄のある言葉だと思うんだよねえ。8の「コミュニケーションは技術より人柄とモラルだということ」はまんまfake24氏のいくつかの法則と相反することになるだろうし、3の「社会というのはサービスの関係だけどなんとなく心の関係のフリをするところだということ」などは小賢しいスキルである以上に、実はもっとしたたかな戦略だと思うのだ。取引会社との間にあるのは実はただの個数や取引金額の無味乾燥なやりとりだけであっても、そこにはこころのやり取りもあると相手に錯覚させること、やり取りをスムーズにするためだけにただ機械的に効率化を推し進めるのだけではなく、電話対応などがあれば人柄やモラルを持ったコミュニケーションをココロがけてやることなど、携帯やインターネット、コンピュータを介在していくら効率化を図ろうとも、最終的には人対人のコミュの場で手抜きしてはいけないと思う。上司であろうと、お客様であろうと、取引先であろうと、信頼を勝ち取るのは結構ささいなことだったりするのだ。

 あっ、fake24氏の法則4、5、10、12、13は同意だ。その通りだと思う。
あと、自分でこのテキストを見返してみても、なんかえらそうにみえる所も多いと思うけど、実のところ、私自身はとても褒められたもんではない無能な部下だったりする。ただ、私も何年か仕事をしてきて一番下っ端から抜け出てみると、上司の苦悩もなんとなく分かるようになってきたので、ちょっとこういうことを書いてみたくなったり……。結局、fake24氏の『生き抜く』法則は限りなく若者にはウケがいいというか、「その通りだ」と同意をもらいやすい話だと思うのだけど、「そうしているうちに大抵の会社の中では、同期がどんどん倒れていき」という現象は、自分が他人を貶めていった結果の出来事であり、梅田望夫氏などがいう『若者よサバイブせよ』とは根源のところでちょっと違う話だと思う。絶望をもって孤立無援で生き抜くよりも、同期も上司もお互いの利害関係のために利用しあったとしても、時には手を取り合って(馴れ合って!?)生きにくい現代をサバイブする方が、今は現実的な『生き抜く』という話だと思う。


■関連リンク 社会に出た後で自分が学んだ12のこと (眠れない理由2.0)

http://blueperiod.blog.shinobi.jp/Entry/635/

*1:義務教育じゃないのだから、自分の仕事も抱える上司が学校の先生みたいに一から手取り足取り教えてくれるわけがない。また、仕事自体が出来ても、教育の出来ない上司はいっぱいいる。もちろん、手取り足取りは教えてくれなくても、部下を正しい方向に導いてくれるようなヒントをくれる上司はより優秀な人だといえるが、まあそんな人は本当に少数だよな。

*2:もちろん例外もあって、中には本当に信頼のおけない「手柄は俺のモノ、失敗は部下のモノ」とする上司もいるが、その時は同期とさらに上の上司を使ってその上司を囲い込み、徹底抗戦する覚悟がいる。