caprinのミク廃更生日記

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父子で楽しめるカッコイイ軍隊&戦闘スペクタクル映像展 (超映画批評)

http://movie.maeda-y.com/movie/00940.htm

だが逆に言えば、女の子の観客にとってこの映画のストーリーは、夢を見る余地など一切ない。むしろ当のアタシたちが男どもの夢の対象にされているわけで、居心地が悪いかもしれない。

ところで、往年のトランスフォーマーファンにとっては、ロボットの名称に米国版のものが使用されているのが少々不満であろう。字幕が公開版で修正されるかは不明だが、できればオプティマスプライムではなくコンボイと表記してほしい。ただ、吹き替え版の声優にアニメ版でおなじみの玄田哲章をあてたその配慮はなかなか粋である。

また、『ビーストウォーズ』あたりで顕著だった、アドリブ風のギャグの応酬を髣髴とさせるコメディシークエンスが用意されているあたりも、ファンにとってはうれしい所だろう。戦いの緊張感をうまく逃すこうした遊びこそが、このシリーズの醍醐味でもある。

この映画の難点は、とくにラストバトルなど、トランスフォーマーが激しく動く際にカメラが寄りすぎて、逆に映像の快感度を下げている点だ。トランスフォーマーの動く速度のリアリティには相当力を入れたようなので、なるべくCGのアラが目立たないようにとの意味合いもあるのだろうが、こちらとしてはもっと引きの映像を入れてほしいと思う。

NSAやらFBIやら宇宙軍やら、際限なく広がるスケールのでかさも夏の超大作にふさわしく、またマイケル・ベイ監督作品らしい華やかさがある。広がったまま収拾つかなくなっている大味具合には苦笑するが、それもまた味というものだ。

正直なところ、同じブロックバスター(大作映画)でもスペクタクルの見せ方は公開中の『ダイハード4.0』の方がずっと上なのだが、こちらには親子で見られるという強みがある。マイケル・ベイはいんちきな日本描写で悪名高い『パール・ハーバー』のせいでわが国では不当に低く評価されているが、なんだかんだいっても毎回平均以上の映画を出してくる。世界有数の優れたエンターテイナー、良質なビタミン剤の安定した供給者であることは疑いない。


 う〜ん、自分もヲタクなんだけど、この映画、期待しまくりでいった分ほどには楽しめなかったな。ま、ストーリーははじめから期待していないし、見るべきところはそこじゃないのでどうでもいいんだが、肝心のアクションもCGもひとつひとつ見れば頑張っているのだけど、なんかコンボイの変形とかロボットのガチ対決な戦いにはあまりカタルシスを得られなかったなあ……。アニメと実写の違いというのもあるけれど、見せるべきポイントでの緩急のつけ方はCGでももうちょっとやりようがあるかもしれない。あと、ここの超映画批評の人も言っているように引きの映像はもうちょっと欲しかった。車からロボットに変形という現実にはありえない造詣を破綻無く、かつリアルなCGで表現というのもなかなか難しいようだ。