caprinのミク廃更生日記

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利権者団体が言う『文化(笑)』 「Culture First」なんてありえない。

 いいことを思いついた。音楽の場合、もう耳に直接課金したらどうだろうか? 耳は2つあるので、2重課金されるのはすご〜く嫌だが、CDを買ったら課金、そのバックアップ用にCD-Rを買っても課金、iTunesに登録するためのHDDにも課金、そこからiPodに転送しても課金みたいな重複取りは防げるからな。もちろん、映像の場合は眼に2重課金だが、HDD/DVDレコを買っても課金、メディアではDVDにもBlu-rayにもHD DVDにも課金よりは多分マシだろう。

■権利者団体が「Culture First」宣言、文化保護で補償金の拡大求める (Internet Watch)

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/15/18120.html


■関連リンク 著作権団体、統一標語「Culture First」で補償金制度維持の結束図る (ITpro)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080115/291110/


■関連リンク「文化」という言葉 (インターネットの真の姿とは)

http://d.hatena.ne.jp/qaze00/20080117/1200497032

ただ、今回の話に関しては、JASRACが増し増ししたその補償金で、どこのどの文化をどのように守っていくのか。現在、JASRACによってどう具体的に守られているのか。そこら辺を詳しくJASRACに説明してほしいなぁ、とは思う。補償金の内訳グラフとか。そこが不透明だから、あらぬ疑い(?)や批判を浴びるのだと思う。あらゆる企業や団体が会計の透明化の流れになっているのだから、JASRACさんも是非消費者に積極的にアピールしてほしいところです。決してボったくってるわけじゃないですよって。

ただこのニュースに書かれてある「文化を守る」という言葉や、cluture firstは、文化という名を借りた文化利権団体の搾取行為のように見えて、連発されている「文化」という言葉がどうしても空々しく聞こえてしまう。時代が進歩するときは、いつだってこういう摩擦や論争が行われるのかもしれないが、新たなハードやサービスが次々と出てきた以上、既存の延長ルールで無理やり型にはめようとするとルールがきしむので、コンテンツや文化を新たにとらえなおし、ビジネスモデルを論議しなおすことから始めていった方が、これから何十年先という長期スパンで見ていった時には、その方が良いのではないかと思う。


■参考リンク 小寺信良:「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言 (4/4) (ITmedia +D LifeStyle)

――平沢さんのようにミュージシャンが自分で著作権を管理するためには、何が必要なんでしょう。法的知識だったりパソコンの知識だったり……。

平沢氏: まず著作権というのは、何もしなくても法律で保護されているんです。勘違いを起こしやすいのは、著作権管理団体が、著作権保護のために戦ってくれるのではないのか、という点です。そもそも使用料を徴収している団体というのは、単に料金徴収団体ですので、トラブルが起こったときには解決してくれません。私は何回もトラブルに巻き込まれていますが、ああそれは当事者同士で処理してください、ということになるんですよ。つまり著作権は、第三者がガードしてくれているわけではないということですね。

 ここを見るまでもなく、「JASRACがじゃあ具体的に文化の何を守ってくれるのか!?」ということを考えると、今回の提言は非常に疑問だ。彼らの言う文化を作ってくれるアーティスト達は、少なくとも守ってくれないのだから。やくざがテキ屋などから取り立てる「みかじめ料」には、建前上トラブルがあれば調停してくれる「守り料(用心棒代)」も含まれるが、音楽やくざであるJASRACにはそれさえもないのだから、一面ではやくざよりも始末が悪いと思う。そして、単なる料金徴収団体が、後決めで新しいハードやソフトに対して「みかじめ料」をせしめる理由として、「文化を守る」なんていうもっともらしい言葉を使うから気持ち悪いのだ。


■関連リンク 文化の明るい未来(笑) (what's my scene? ver.7.2)

http://blog.livedoor.jp/whats_my_scene/archives/50840701.html

 あまり難しいことを考えたくない人達にとってみれば、「文化を守るため」という大義名分を聞かされれば、何も深く考えることもなく、立派な団体の偉い人達が言っているのだから、それに従うべきなんだろうぐらいの勢いもあるだろうし。

 で、こういう時代の流れを敏感に察知しているからこそ、色々な関連団体の中の人達は、世間が納得できるような大義名分を騙りつつ、新しい金づるを確保しようと必死になっている訳だ。逆に言えば、自分の取り分が100パーセント保証された暁には、にっこり微笑みながら「iPodこそ文化の担い手」とかなんとか言い出すに決まっているのだし…。


■関連リンク 権利者団体 私的録音補償金問題と地球温暖化を対比してみせる (MAL Antenna)

http://mal.cocolog-nifty.com/antena/2008/01/post_e8dc.html

いや、素晴らしい。権利者団体の方々は、私的録音録画補償金の危機を地球温暖化問題になぞらえて語っていらっしゃる。つまり「文化の危機」とは政治的プロパガンダであり、地球温暖化問題というレッテルと同じく、「大衆を脅かすための嘘八百」であると自ら暴露してくれているらしい。

他にも、「文化が経済至上主義の犠牲になっている」と語り、「経済性にとらわれない文化の重要性をアピール」しながら「補償金の「適正な見直し」で、文化の担い手に対する経済的な見返りを要求」という矛盾した論旨を見ていると、もういよいよなりふり構わず「カネ寄越せ!!!」と言いつのっているようでイヤになる。文化を経済至上主義から救いたいなら、例えば全ての著作権者がネット経由で消費者から直接対価を得られるような仕組みを作ったっていいだろう。または、全ての文化事業は国家予算のみで行うものとし、全国民には無償で享受させるという考え方もあるだろう。「文化を経済至上主義から救え!」と大上段に振りかざした刀が、どうして補償金対象を増やせ!などという矮小な要求に行き着くのか。どう見たって怪しさいっぱいではないか。

それは、我々大衆は専門家になる必要はない、ということである。我々は単に、おかしいと感じたら素直に疑問を発すればよいのだ。我々が納得できる説明を行う責任は相手にある。権利者団体が著作権強化を行いたいなら、なぜそうする事が必要で正しいことなのかをきちんと説明する責任があるはずだ。


■関連リンク 著作権という権利 (ひらづみ)

http://d.hatena.ne.jp/sdt/20080116#p1

私は基本的に見たいもの・聞きたいものに全力で金をかけるので、課金に対しては、作者が「今得ている金額では対価として不十分」と思うなら、そうしたければすればいい、とは思う。その金がダイレクトに作者に渡るのなら望むところだ。でもそういう話じゃないでしょう? 課金自体はいいが、その徴収された金が権利団体を二重に通した上で「著作権者に分配される」というシステムのくせに「文化のため」とか言われても困る。


■関連リンク 「文化を守れ」 (POLAR BEAR BLOG)

http://akihitok.typepad.jp/blog/2008/01/post-d172.html

確かに著作権だの補償金だのといった議論は、音楽と言えば「CDを買ってきてオーディオで聴くこと」、テレビを録画すると言えば「ビデオに録ること」な人々にとっては興味のない話でしょう。内容も難しいし、「文化を守るためにお金が必要」と言うなら支払ってあげれば――そう考える人々が増えるかもしれません。一見バカな議論に見えて、実はしたたかな計算に基づいた結果が今回の一件なのかもしれない、という風に見方を変えました(権利者団体だけに、多額の費用をかけてプロモーション戦略を練ったのかもしれませんね)。

 「Culture First」のシンボルマークが出来ているあたり、電通みたいな広告業者に頼んで用意されたプロモーションである可能性は高いだろうね。中身の内容はめちゃくちゃでも、「文化を守れ」というイメージ戦略は、著作権にあまり興味のない層には有効そうだ。


■関連リンク 「Old Culture First」 (無名の一知財政策ウォッチャーの独言)

http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_8500.html

 とにかく補償金が減ったので増やして欲しい、ただし、団体同士あるいは団体内での権益配分は今のままどんぶり勘定でと言っても、そんなことで国民の理解が得られると思う方が間違っている。もともと正当性があやふやであった金について、これが減ったから増やせということには、何の利も正義もなく、ただひたすら不当である。

 そんな連中があたかも文化全体を担っているかのごとき顔をするのは許されない。単なる権利者団体が、あたかも自分たちのみが文化全体の旗手であるかのごとき顔をして、「Culture First」など言うのはおこがましい話である。補償金制度について何ら新規な提案をできず、壊れたレコードのように同じことを繰り返し言い続けていること自体、自分たちが伝統文化と化したことを、斜陽文化と化したことを告白しているに等しい。その標語も「Old Culture First」と変えたが良かろう。


■関連リンク 音楽権利者団体「ipod、HDD、携帯電話、カーナビ等も課金の対象にすべき」 (痛いニュース(ノ∀`))

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1080245.html