caprinのミク廃更生日記

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1枚3,000円のCDが売れたときのJASRACの取り分 (P2Pとかその辺のお話@はてな)

http://d.hatena.ne.jp/heatwave_p2p/20080424/1208984800

どうも「CDが高いのはJASRACがぼったくってるせいだ」と思っている人がいるようだ。痛いニュースなんかを見ていると、とりあえずすべての原因はJASRACだ、みたいな人が多いなぁと。私もJASRACは問題の多い組織だという印象を持っているけれど、かといってやることなすことすべてがおかしい、何か問題がある、という絶対的な悪の組織というわけでもないだろう。


■関連リンク 音楽著作権管理事業者の新規参入を阻害するのは「Culture First」なんでしょうか

http://d.hatena.ne.jp/heatwave_p2p/20080423/1208938362

実際、JASRACとの包括契約がある以上、さらに他の著作権管理団体と契約を結ぶとすれば、利用者(放送局など)は単純にコストが上乗せされるだけに終わる。おそらく、JASRACとしてはどうしても避けられない状況になるまでは、包括契約のレートを下げるということはしないだろうし、結局は他管理団体が放送局との契約を結ぶことが難しい状況が作り出される。で、そうなれば著作権者も他管理団体に著作権を信託することはない。さらに新規参入組はこの分野には進出が難しくなる。

とはいっても、この件がうやむやになれば、おそらくこれまで通りの包括契約を進めると思う。簡単にいえば、JASRACの独占体制を維持するためには、もってこいの契約だからね。最も音楽著作権を多く管理する団体の楽曲が定率の使用料で使い放題なんだもの、わざわざ他の著作権管理団体と契約を結ぶのも損だよね。そうなれば、利用者との契約も、著作権の信託も一手に引き受けることができると。


言及リンク CDが100万枚売れたら (hasenkaのメモ)

http://d.hatena.ne.jp/hasenka/20080424/p3

CDが1枚3,000円だとしたら
3,000円 * 0.06 * 1,000,000 = 180,000,000円(音楽著作権使用料)1億8千万円
180,000,000円 * 0.06 = 10,800,000(JASRAC)1千80万円
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CDが1枚2,000円だとしたら
2,000円 * 0.06 * 1,000,000 = 120,000,000円(音楽著作権使用料)1億2千万円
120,000,000円 * 0.06 = 7,200,000(JASRAC)720万円
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だからCDに付加価値をつけて少しでも高く売ろうとする思惑が働く
安いCDの流通を妨げる結果になる


■関連リンク JASRAC独禁法違反だって、ついでに言いたいことを言わせてもらう。 (itkitkの日記)

http://d.hatena.ne.jp/itkitk/20080423/1208961254

例えば、あるアーテイストが自らの曲をJASRACに登録して著作権管理を委託したとする。その後その曲のCDを100万枚作って売ろうとすると、なんと本来の著作者であるそのアーティストは一枚につき約100円をCDが売れる前の段階でJASRACに支払わなければならないのだ。だから100万枚だと一億円!!・・・。当然後になってそこから著作権料は支払われる訳だが・・・。

これは誰が聞いてもおかしい、と思うはず。

だから、資本を持つレコード会社が著作権料の三割を得て幅を利かせるようになり、「メジャー」とか「インディーズ」とかいう実際は何の意味も持たないはずの括りを、みんな血眼になって意識する。(レコード会社はプロモーションとかその他諸々はする訳で・・・それがメジャーとインディーズの違いだったりするんだけど・・・)

この例を見てみても、何のために著作権を管理しているのかが全くわからない。

当然、管理に対して利益を得ることについては文句は言わないし、それ自体は正当なビジネス。しかし、目的が逆転している。著作権を正当に管理してお金を得るのではなく、お金を得るために著作権の正当感を利用している、としか思えない。だからJASRACは著作物の本来持つ目的を阻害している。

これだけ独占的に著作権を管理している以上「公」としての倫理感は不可欠だと思うし、著作物の目的は最優先で守るべきこと。


言及リンク JASRACが本当に搾取したもの (デジタルマガジン)

http://digimaga.net/200804/jasrac-took-the-future-of-the-music.html

 JASRACが私たちから本当に搾取したもの。それは日本の音楽の未来だ。2001年頃だったか、JASRACが登場したことによりインターネット上のMIDI配信サイトは全滅した。もちろんこれらの配信サイトは個人がそれぞれの楽しみとして公開していたものであり、広告が貼ってあったとしても収入も微々たるものだっただろう。

 まだ10代、20代の比較的若いのユーザが多かった。私も含めて、彼らにとって10曲年間1万円という金額(5万円という話もあった)は果てしなく大きかった。誰もが無償で30曲、50曲、100曲と打ち込んだMIDIを公開していたからだ。払わずに掲載を続けていたサイトには、容赦なく JASRACから警告メールが送られた。ほどなくして日本におけるMIDI配信サイトは全滅した。

 それから私は音楽から離れた。お金がないからだ。お金がなければ音楽に触れられない時代がやってきたのだ。CDも買うことがなくなり、音楽番組も見なくなった。買ったり見たりすれば欲求が出てきて、そしてまた著作権料という壁にぶつかるからだ。そうして育った今、音楽は私にとってあまり必要のないものになった。

 今や邦楽も洋楽も全然分からない。知りたいとも思わない。インターネットのMIDI配信サイトはクラシックか、もしくは自作だ。こんな状態でも若い人たちが自作の曲をアップしていることには熱い気持ちを感じるが、昔に比べて数が少ないことは明らかだ。

 日本の音楽業界は衰退している。しかし、JASRAC著作権料は順調に伸びている。どこから取っているのか、どこまで取れば気が済むのか。日本から音楽が消えるのは悲しいことだと頭では分かっているが、もう私には昔のような情熱はない。