caprinのミク廃更生日記

初音ミクやVocaloid、ゲームやアニメのニュースサイト

池田信夫の「サイバーリバタリアン」第24回 ダビング10 そもそもおかしい6つの疑問 (ASCII)

http://ascii.jp/elem/000/000/148/148726/

 義務でもないダビング10にメーカーが対応しているのは、放送波がスクランブル化され、ダビング10に対応しない受信機にはB-CAS社がスクランブルを解除する暗号鍵を配布しないからだ。このため、電機メーカーはダビング10に対応せざるを得ない。B-CASは無料放送に必要のない暗号をかけて参入を制限するもので、独占禁止法(第3条)に違反する疑いがある。

 もともと総務省令では、放送波にスクランブルをかけることは「有料放送」に限定されていた。ところが2002年2月に、情報通信審議会の「サーバー型放送システム委員会」で、なぜかコピーワンスの導入が決まった。

 このとき、コピーワンスのフラグだけでは無反応機に対応できないので、そのエンフォースメント(強制)の手段としてB-CASと抱き合わせにすることが決まった。コピー制御信号も一緒にスクランブル化すれば、その暗号の鍵がないと受信できないからだ。つまりコピー制御をメーカーに強制するために、B-CASを抱き合わせにしたのだ。

 世界の公共放送局に、受信制限やコピー制御をしている局はない。NHKの受信料も、すべての視聴者から(見ても見なくても)徴収するものだ。ところがBSデジタル放送では、受信料を払っていない者は見るなという意味の受信確認メッセージが出る。これはWOWOWスカパー!と同じ有料放送で、見なければ払わなくてもいいことになり、NHKが不払い者に対して「見ていなくても受信料を払え」と訴訟を起している論理と矛盾する。


■関連リンク B-CAS社は会社法違反 (池田信夫 blog)

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/0b67146c4bfbcb03d5977fa0eff075a3

B-CAS社は、もとは電話番号も公表していなかった。FACTAなどで指摘されて一部情報公開したが、最近はウェブサイトの住所が私書箱になっている。実態は、GIGAZINEでも紹介されているように、雑居ビルの一角で、ここで4400万台もの受信機を「審査」できるはずがない。実際には、ARIBの会員企業が自社で規格を決め、それ以外の企業にはテレビを作らせないように参入を阻止するためのペーパーカンパニーである。

 NHKで一括して「審査」しているんですね、分かります。


□コメント欄より

会社概要のページから、なぜか出資比率が削除されていますが、古い記録によると、株主は

日本放送協会 18.40%
㈱WOWOW 17.70%
東芝 12.25%
松下電器産業㈱ 12.25%
日立製作所 12.25%
東日本電信電話㈱ 12.25%
スターチャンネル 6.50%
㈱BS日本 1.70%
ビーエス・アイ 1.70%
㈱BSフジ 1.70%
ビーエス朝日 1.70%
㈱BSジャパン 1.70%

筆頭株主NHKで、社長が歴代NHK天下りであることもあわせ考えると、もとはBSを有料放送化しようとして設立した可能性が高い。ところが放送法では受信制限が禁じられているので、現在の奇妙な「受信確認メッセージ」が出るのでしょう(地上波では出ない)。

もう一つ目を引くのは、放送と無関係なNTTの出資比率の高さ。SSLの証明書はNTTデータが発行しており、B-CASセンターも認証システムもNTTがつくったものです。したがってB-CAS社は、NTTの認証したカードを発行するだけの完全なトンネル会社です。1枚3000円のB-CASカードの利益は、株主にどのように配当されたのでしょうか。

 NTTが作ったカードを流すだけのトンネル会社ということなのか。この出資者を見ると、有料放送のWOWWOWやスターチャンネルだけが、コピーガードであるこのカードの正当性を語れるような気がする。いや、BSに必要なコピーガードを地デジの無料放送にまで広げたという意味では、他のBS放送会社や、AVメーカー、NHK、NTTなどと同じ穴のムジナなのかな!?

代表取締役社長 浦崎宏(元NHK総務局長、経済部次長)
代表取締役専務 吉永弘幸(元WOWOW常務取締役・放送・事業統括本部長)
取締役 鏑木耕二(元東芝

取締役(非常勤) 森茂雄(NHK視聴者サービス局長)
取締役(非常勤) 奥村直司(松下電器東京支社 AVCネットワークチーム参事)
取締役(非常勤) 田胡修一(日立コミュニケーション・法務部部長)
取締役(非常勤) 関根太郎(不詳)
取締役(非常勤) 岡本光正(東芝執行役常務)
取締役(非常勤) 加藤武夫(BS日本取締役)

監査役 吉田朗(不詳)
監査役(非常勤) 宮本敦浩(不詳)
監査役(非常勤) 佐藤和仁(WOWOW取締役IR経理担当)

常勤の取締役として、各メーカーから順番に部長クラスが派遣されていますが、彼らがARIBとの窓口でしょう。技術的な調整は、すべてARIBがやっており、B-CAS社に行っても「ARIBの規格に合わせてくれ」といわれるだけで、まったく当事者能力はありません。

 技術的なことは、すべてARIBまかせというペーパーカンパニーでもあるのか。まったくその実態がトンネル会社でもあり、ペーパーカンパニーでもあるというのなら、いったいこの会社は何をやっているんだ!? 実態が無いとは言わないが不透明過ぎるよ……。そういえば、B-CASJASRACと違って代表者がインタビューを受けるとか、会社説明をするとかほとんと見たことなかったなあ。そういう意味でいえば、JASRACの方がマシ。まさかJASRACよりもひどい団体ということなのだろうか!?
 NHK経由で政治家の御用聞きとか、各会社からの老人ホーム出向所とかなら、消費者に関わらない別の所でやってね。

もう一つの問題は、B-CASがPCメーカーの参入障壁になっていることです。今年の4月までは「B-CASの出力信号はCPUに流してはならない」という規格をARIBが決めていたため、ピクセラなどのボードメーカーは、B-CAS専用のPCIバスを設けてデータを暗号化し、CPUを通さずに出力しないと、TVチューナー単体ボードは売れなかった。この奇妙な要件は、B-CASで復号化した生データをCPUに流すと、ソフトウェアでコピー制御が外される、というのが理由でしたが、何のことはない。FriioのようにB-CASのスロットをつけてしまえば、その出力信号のコピー制御フラグを無視してハードディスクに書き込めばいいので、こんな規制は無意味なのです。これは独禁法第3条違反の「不当な取引制限」です。

 PCのTV視聴や録画に関してはもうちょっとなんとかして欲しい。使い勝手の上でアナログよりも退化しているんだもんなあ。