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ヘリコプター・マネーという愚民政策 (池田信夫 blog)

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7b23d61878dcbf6ad900123f5f3a7186

あなたが市役所に行くと、1世帯4万円のクーポン券をもらえる。これが他人の金だったらうれしいだろうが、その財源はあなたの税金だ。埋蔵金」を使うなどというのはまやかしで、そのぶん国債の償還財源が減るのだから同じことだ。つまり4万円の税金で4万円のクーポンを買うだけなので、あなたが合理的ならバラマキ財政政策に効果はない――というのが中立命題としてよく知られている理論だ。

しかし実証的には、この理論は厳密には成り立たない。それは人々が近視眼的で、将来の課税より現在の現金の価値を高く評価するからだ。朝三暮四というやつだ。つまりバラマキ政策は、国民が猿のようにバカであればあるほど効果の大きい愚民政策なのである。

つまり合理的に考えれば財政政策の効果は中立だが、心理的な効果を考えるとプラスにもマイナスにもなりうる。今の日本のように財政赤字が拡大しているときのバラマキは、非ケインズ効果のほうが大きいだろう。逆にいうと、与謝野馨氏など「財政タカ派」の主張する増税論が消費を拡大する可能性もある。どっちにしても財政政策の効果は心理的要因に左右されるので、もっとも重要なのは政府への信頼である。

だから大きな政府か小さな政府かという論争は的はずれである。日本は(国債の償還を含めた)潜在的国民負担率でも45%と、先進国では相対的に「小さな政府」だが、世論調査では重税感が強い。北欧のように「高福祉・高負担」の関係がはっきりしている国では、日本ほど重税感はない。日本ではクロヨンと呼ばれる捕捉率の差や(1世帯あたり世界最大の)農業補助金など無駄づかいが多く、税金が有効に使われていないという不信感が強いことが最大の問題なのだ。