caprinのミク廃更生日記

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梅田望夫進化論 (Zopeジャンキー日記)

http://mojix.org/2009/06/08/umeda_shinkaron

もともと梅田さんは、ネットに完全肯定な立場ではなかったと思うし、特に日本のネットの言説やカルチャーを擁護しているのはたぶん見たことがない。梅田さんのキャリア的にも、志向的にも、ネット側にまるごと入り込んでしまうようなスタンスではなかったように思う。そして、ネットや新技術に熱狂はしていても、あくまでもそれを「見る」というスタンスからの熱狂なのだ。野球をプレイする選手ではなくて、野球を中継するアナウンサーのような立場だ。その引いた立場から、「あちら側」と「こちら側」の両方の世界を突き放して見ることができたからこそ、ネットの新しい動向を「翻訳」して、一般人に紹介する役割を果たすことができた。

ウェブ進化論』が出たときも、技術に詳しい人を中心に、「こんなことはとっくに知っているよ」といった反応がけっこうあった。それはある意味正しくて、『ウェブ進化論』は「一般啓蒙書」だったのだ。


■関連リンク 最高クラスの「荒らし」としての梅田望夫 (アンカテ)

http://d.hatena.ne.jp/essa/20090607/p1

この影響力のユニークさは、ほぼそのままイコール、梅田さんの立ち位置のユニークさだろう。単なる西洋かぶれの知識人でもないし、時流に合わせて変節する評論家でもないし、正論のふりをしてポジショントークを語る経営者でもなし、青臭い現実ばなれした正論をふりかざす若造でもない。

このインタビューが梅田さん以外のものだったら、読者は反発を覚えたとしても、上記のような既成のポジションの型紙にあてはめて、「まあ、こういう人はこういうことを言うよな」くらいで素通りしてしまうだろう。

それを許さないで、きっちり反論を吐き出させてしまう所に梅田さんのユニークさがある。


■関連リンク 「“上の人”が隠れて表に出てこない」一つの理由 (Baatarismの溜息通信)

http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20090607/1244343030

日本においてこのような「知的な議論」を行うだけの知見を有するのは、大学の研究者や文化人を除けば、政府、政党、官庁、企業、マスコミなどの組織において、議論の対象となる専門分野を仕事としている人となるでしょう。梅田氏は『「総表現社会参加者層」みたいなのが、人口比で言えば500万人』と行ってますが、その多くはそのような社会的立場にいると思います。

しかし僕が見たところ、それらの組織は、所属している人がネットで仕事に関わる分野について主張することを、好ましく思わないことが多いです。*1

日本ではそのような人がネットで発言する場合、ハンドルネームを使って正体を明かさずに発言することが多いです。そして何らかの理由で正体がばれたり、組織の方針が変化してネットでの発言を「黙認」しなくなった場合、過去の発言も含めてブログが削除されてしまうことが珍しくありません。