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Panasonicブランドのeneloopは生き残ることが出来るのか!?

eneloop登場以前の充電池は使いにくいものだった

だから今回のPanasonicのブランド戦略には正直困惑している。

ライトユーザー層向けの二次電池市場というのはeneloopが切り拓いたものだ。私同様、これまで「充電池は使いにくい」といって敬遠してきたライトユーザー層のニーズをマーケティングによって掘り起こし、自己放電を抑えるイノベーションによって新しい市場を切り拓いた。日本企業らしくない稀有な成功例だと思う。eneloopが新たに生み出した市場だから、その世界では「充電池=eneloop」であり、圧倒的なブランド力を持っている。

なのにその「eneloop」の看板を小さくするとはどういうことだろう?


■関連リンク eneloopを残すつもりだったPanasonicと独占禁止法と国際経済競争

売却先のFDKとは、富士通の子会社である。富士通Panasonicは、言うまでも無く電池事業、その他での競合関係にある。

通常、こういった売却の時にはブランドも一緒に売却されるのが一般的だろう。しかしeneloopブランドはPanasonicに残った。これはそれだけeneloopブランドが強力であることをPanasonicが認識している証拠だと考えられる。

その中で一つだけはっきりさせておきたい事があるので念のため追記させていただく。この話は本質的にはお客さまには関係が無い事である。これを忘れてはならない。Panasonicの関係者はこれを言い訳に使うべきでは無い…いや、Panasonicはこれを言い訳にすることは無いだろう。客に寄り添う事で、時にはマネシタなどとあざけりを受けながらも成長してきた会社なので、これがベストではない事ぐらいは百も承知だろう。その上で、取り得る限られた選択肢の中での判断だったのではないか、というのが要旨である。

また、EVOLTAの方を売り払う事でeneloopの工場を残すべきだったのでは無いかと言う意見も拝読した。忘れてはならない前提条件として、三洋が経営を行き詰まらせたのは、確かに引き金となったのは新潟県中越地震であるが、本質的には市場変化への対応の遅れと、コスト構造からの採算性の悪化である。Panasonicニッケル水素電池の生産拠点は海外にある。一方三洋の生産拠点は日本国内にあった。(分離されたFDKトワイセルの会社概要にあるように、ニッケル水素電池の生産で国内に残っているのはこの拠点のみだ)2009年は円が急速に値上がりしはじめ、どこまで円高が進むかという事に各社頭を悩ませていた時期である。最終的に、どちらを売却すべきかと言うのは当時の内部資料を見なければならないだろうが、おそらくこの辺りから三洋の工場が売却され、Panasonicの工場が残った理由がある。またパナソニックの国内電池関連施設は、トヨタとの合弁で作った当時のパナソニックEVエナジーとの関連などもあり、そう簡単に手放せるものではなかった事も推測できる。(ただ、パナソニックEVエナジーも、独占禁止法の回避のため、出資比率を引き下げざるをえなかったわけであるが)

 この人、実はパナかサンヨーの中の人なんじゃね?もしくはそれに近しい立場のような気がするくらい的確なんだが。
もともと親族会社であるSANYOをPanasonicが昔のよしみで助けたことから始まったこのeneloop問題だが、あのデザインのまずさは単にデザインにとどまらず、超大会社の日本経営的歪みの象徴みたいなもんだな。

 ただ、Twitterとかで「Panasoniceneloopを殺した」とまで呟かれるのには違和感あるよなあ。経営不振にあえいでいたSANYOを救ったのは、Panasonicなのだから。Panasonicの今の経営が悪いのは重々承知だけど、SANYO単体では今の未来よりも圧倒的に絶望的だったと思うわけで、『eneloop』というブランドを残した以上、うまくソフトランディングしてくれることを望む。