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金子勇氏のWinny改良をダメにした京都府警ハイテク科について Winny事件まとめ

金子勇とWinnyの功罪 - novtan別館

よく、この手のソフトウェアを「包丁」にたとえ、使った側が悪いとして擁護されることはある。個人的には、当時の法的な問題としてはそうだろう。未だにあの逮捕は(少なくとも容疑としては)間違いであると思っている。しかし、そのたとえでいうと「あー人殺してえ…アシのつかない包丁さえあれば殺すのに」って言っているような人間が群れているところに包丁を無償で提供するようなものである。包丁自体に罪はない。が、道義的責任は問われるのではないだろうか、というのがこの事実についての僕の評価ではある。

僕もWinnyには間接的にだが被害を受けた。Winnyそのものが邪悪だ、とは言わない。しかし、ツールとして不完全な問題を残したまま、違法な使い方が想定されるところに投げ込まれたこと自体は良くなかったのではないだろうか。

 まあ、金子氏がただの無邪気な研究者とは言いがたいわけだが、確かAntinny.G【通称:キンタマウイルス】等が問題になった時、金子氏は「それを防ぐ手立てはすでに頭の中にある」とも「現Verの手直しをさせてもらえれば、もっと安全にP2P出来るようになる」ともおっしゃっていたが、裁判中の事案に付きWinnyソースコードを直接触ることを禁止されていたはずだ。(そもそもソースコードの入ったパソコン一切合切を押収されていた) 緊急の場合の超法規的措置が取られていれば、あるいは世界線も変わったかもしれないのだが、名ばかりは立派な「京都府警ハイテク刑事課」がそれをダメにしたと記憶している。というかこの京都府警、この金子氏逮捕以前にキンタマウイルスで警察の捜査情報を漏らしてしまっているんだよねえ。金子氏に全責任を押し付けたい警察だが、情報漏えいに関しては京都府警も大きくやらかしているのだ。
 あとねえ、WinMXWinnyが絶頂期の時、実はYouTube著作権侵害の温床としてP2Pと同様に悪者ソフト(YouTubeはブラウザ上で見るサービスだが)として著作権団体から同レベルでやり玉にされていたと思うが、日本純国産のP2Pソフトウェアはもはや見る影もなく、片やアメリカ産の動画共有サービスはGoogleに買収され巨万の富をもたらしているのを見ると、なんかやるせなくなるんだよね。その後にちゃんと法の整備をしていったYouTubeは確かによくやったと思うけどさ。


※ここから下の【関連リンク】は結構古い過去リンクも含まれ、時系列もばらけています。裁判は1審京都地裁では著作権法違反ほう助容疑の有罪判決、2審と大阪高裁では無罪判決となっています。また、Blog等でこのような主張されている方が今も同意見であるという保障は有りませんので、その点は注意して下さい。ただ、当時の生々しさは伝わると思います。IT業界にとっては大きな事件でした。

■関連リンク 京都府警、個人情報11人分が含まれた捜査書類をネットで漏洩

 京都府警は29日、捜査関係書類をインターネット上で漏洩していたと発表した。

 ネット上で閲覧できる状態になっていた捜査情報は、現在確認されているものだけで捜査報告書、鑑定嘱託書、指名手配書の3種類19件。20名分の名前が記載されており、そのうち11名については実在の人物だった。府警では、対象となった人物に順次連絡をとり、経緯を説明するという。なお、現時点では個人情報漏洩による二次被害の報告はないとしている。

 京都府警によれば、26日午前に「他県の男性から『インターネットに警察情報が流れている』と届け出があった」という。その後の調査で、下鴨警察署交番勤務の男性巡査が所有する私物のノートPCで2002年に作成されたファイルが、ネットで閲覧できる状態になっていたことが判明。巡査は、交番ではインターネットに接続できないが、自宅ではネットに接続していた。府警では、「巡査が作為的にファイルを公開した可能性もあるが、ウイルスや不正アクセスの可能性も否定できない」と述べ、今後も調査を継続する。

 なお、一部では、P2Pソフト「Winny」を経由して感染するウイルスが原因とする説もあるが、京都府警では「原因は調査中」とし、コメントを控えている。


■関連リンク 「Winny」開発者・金子勇氏、逆転無罪、大阪高裁で控訴審判決 -INTERNET Watch

 冒頭で裁判長が「一審判決を破棄、被告人は無罪」と述べると、傍聴席からはどよめきの声があがり、金子氏は安堵の表情を浮かべた。弁護団からは笑みがこぼれ、判決言い渡し中には、壇俊光弁護士がハンカチで涙を拭う姿も見られた。

 控訴審判決では、弁護側が問題としていた告訴状の有効性についてや、正犯者を特定した手法の問題点については、一審判決をそのまま認めた。また、金子氏の調書については、参考人として取り調べた際の調書を証拠としたことは違法だとしたが、判決全体に影響を及ぼすものではないとして、当該調書が証拠から排除されるだけにとどまった。

 一審判決では、Winnyは価値中立なソフトだと認めた上で、価値中立なソフトの開発・公開が著作権侵害の幇助に問われるかどうかについては、慎重な判断が必要だと指摘。判断基準として、1)実際のソフトウェアの利用状況、2)それに対する開発者の認識、3)開発者の主観的対応――の3点を示し、金子氏はWinnyが違法に使われていることを知った上で開発・公開を行っていたとして、金子氏に罰金刑を言い渡していた。

 一方、控訴審判決では、ソフト提供者が著作権侵害の幇助と認められるためには、利用状況を認識しているだけでは条件として足りず、ソフトを違法行為の用途のみ、または主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供している必要があると説明。金子氏はこの条件に該当しないとして、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。


■関連リンク 連載:インターネット事件簿

 検察側は「金子被告は中立的なファイル共有ソフトの開発を目指してWinnyを制作・配布していたのではなく、著作権違法行為を増長させることを企図していた」と主張し、Winnyを普及させた行為そのものの犯意に絞り込んだ論理を展開した。検察官はWinnyというソフトそのものの是非についてはいっさい触れていない。それどころか、Winnyそのものが、著作権侵害に抵触しないかたちでのファイル送受信が可能であったことまでも認めている。Winnyそのものは違法ではないが、Winnyを配布した行為に違法性がある――という主張である。

 一方、弁護団の側は、あくまでWinnyというソフトの存在の是非を前面に打ち出した。「本件は金子被告がWinnyというファイル共有ソフトを開発し、公開したことを著作権侵害の幇助行為に当たるとしているが、それは被告によって発明されたファイル共有技術そのものを違法として、処罰しようとするものにほかならない」「Winnyにはファイル共有の効率化のために驚くべき工夫、技術が盛り込まれており、その被告の独創性、開発能力は世界的にも驚異としかいいようがない。検察官は無理解によって、わが国の誇るべき頭脳が生んだ金子被告の貴重なソフト技術開発を、闇に葬り去ろうとしている」と訴えたのである。


■関連リンク 京都府警ハイテク犯罪対策室ってどんなとこ?

 本日(18日)の日経夕刊の関西版に詳しく記事掲載されましたので、取り上げさせて頂きました。

 1.京都府警ハイテク犯罪対策室(CYBER POLICE KYOTO)が摘発した主な「全国初」のサイバー犯罪

 2001年 「WinMX」利用者の著作権法違反事件
 2003年 「ウィニー」利用者の著作権法違反事件
 2003年 ネット上でパスワードを入手・売買するID屋逮捕
 2004年 「ウィニー」開発者を著作権法違反ほう助容疑で逮捕(上告中)
 2005年 ワンクリック詐欺のソフト開発者逮捕
 2005年 大量の迷惑メール送りつけを有線電気通信法違反で摘発
 2006年 偽のオームページに誘導するなどして個人情報を盗み取るフィッシング詐欺組織摘発
 2008年 「シェア」による著作権法違反事件
 2008年 コンピューターウィルスの作成者を逮捕
 2008年 携帯電話「着うた」の無許可ダウンロード事件。ほう助でサーバー管理会社の責任を問う

 2.メンバー数

 1999年、前身となる部署がメンバー3人でスタートし、2年後に正式発足。
 現在は17名。(他の都道府県警の同様の部署に比べると規模は大きいが、最大の警視庁の数分の1にすぎない)

 3.組織風土

 高い問題意識・・・「被害届を受けてから動き出すのではなく、今ここで手を打たなければいずれ大変なことになる、という自分たちの問題意識で捜査を始める。(これまで)摘発した事件の8〜9割はこうして掘り起こしたもの」(同室補佐 木村 公也警部)

 執念・・・「野放しにしたらアカン、絶対検挙したる、という熱意」

 多種多様な人材・・・「研究肌の人、現場指揮に優れた人、アイデアを出すのがうまい人。いろいろなタイプが集まっていることがいい結果につながっている」(同室 佐藤 成史室長)

 4.あらゆる法令の駆使・・・法制などが未整備な世界が相手だけに、あらゆる法令の駆使がカギになる。昨年、コンピューターウィルスの作成者を逮捕した際に適用したのは著作権法違反と名誉棄損。日本にはウィルスの作成、放出を処罰する法律がないため、感染すると画面に現れるアニメ画像と個人写真の無断使用を問う「裏技」だった。

 5.最後は尾行、張り込み・・・サイバー犯罪の捜査がネット空間だけで完結するわけではない。最後の勝負は「地べた」。容疑者を尾行し、張り込み、逮捕し、取り調べる。一見、華やかでスマートなサイバーポリスの世界でも、結局、地道な捜査や立件への執念が問われる。


■関連リンク さて京都府警ハイテク犯罪対策室の責任は:Winny最高裁判決は無罪|効率よく投資?豪ドルFXで1800万稼ぐ方法

これ少し昔の事件なので憶えていない人もいるかもしれませんが、
当時ファイル交換ソフトとしてWinMXを超えるものとして、東京大学大学院情報理工学系研究科助手の金子勇氏が2004年に
京都府警ハイテク犯罪対策室が逮捕したものです。
事件は地裁で有罪、高裁では無罪、そして最高裁で正式に無罪判決が確定しました。
ソフトプログラマーや法曹関係者などは、当初から一貫して京都府警の勇み足を指摘してきましたが、そのとおりになりました。
しかし2004年の逮捕から、著作権法違反の幇助という罪状で判決が確定するまで7年もかかっていることが恐ろしいです。
日本の司法制度の最大の問題点は、とにかく判決(和解でもいいのですが)まで時間がかかりすぎること。
一度裁判を経験するか、傍聴されるとわかると思います。


■関連リンク 連載:インターネット事件簿

京都府警が今一番注力しているのは、Antinny事件の後始末

 事件捜査はいちおうの終結を見ており、開発者の逮捕劇の舞台は今後、刑事法廷へと移る。そして現在、京都府警がもっとも注力しているのはWinny捜査ではなく、実はAntinyy事件の後始末なのだという。

 Antinny事件というのは2004年3月、Winnyを媒介に感染するウイルス「Antinny.G」によって、京都府警下鴨署勤務の巡査のパソコンに保存されていた捜査書類が漏れ、ひったくり事件の被害者11人の個人情報が流出してしまった事件のことである。この事件の発覚の翌日には、北海道警でも同様の流出が起き、窃盗事件などの現行犯人逮捕手続書や実況見分調書、捜査報告書など5種類の捜査資料がWinnyネットワーク上に流出している。

 警察庁は「捜査書類が外部に漏れるなど前代未聞」と強いショックを受け、早急に流出した情報を回収するよう両警察に命じた。だがピュアP2PであるWinnyネットワークにはサーバーも存在せず、いったん流れ出た情報を回収するのは不可能に近い。だが面目を非常に重んじる組織である警察にとって、内部資料が漏洩した状況を放置するというのは耐え難いことだった。窮しきった警察が頼ったのは、セキュリティ企業のネットエージェントだった。


■関連リンク 国内初、ウイルス作者逮捕 CLANNAD画像の「著作権侵害」で - ITmedia ニュース

 コンピュータソフトウェア著作権協会ACCS)によると、京都府警は1月24日、アニメ「CLANNAD」の静止画入りウイルスを権利者に無断で作成し、「Winny」を通じて送信できる状態にしていたとして、著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで、大阪府泉佐野市の大学院生の男(24)を逮捕した。

 ウイルス作者の逮捕は国内初。ウイルス作成を直接処罰する法律は国内になく、著作権法違反を適用した。

 調べでは、男は昨年11月28日、ポニーキャニオンなど3社が権利を持つアニメ「CLANNAD」の画像ファイル入り「原田ウイルス」亜種を作成し、Winnyネットワークを通じて権利者に無断で不特定多数に送信できる状態にしていた疑い。

 男は容疑を認め、「ウイルスを作ったのは僕です。CLANNADを使ったのは話題性があるからです」などと供述しているという。


■関連リンク Winnyの「原田ウイルス」作者に、懲役2年・執行猶予3年の有罪判決

京都地方裁判所は16日、原田ウイルスの作成者に、懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

 原田ウイルスは、アニメ「CLANNAD」の画像や同級生の画像などを使用したウイルスで、大学院生が作成し、Winnyネットワークを介して配布したもの。日本ではウイルス作成そのものを罰する刑罰が現在ではないため、ウイルス作成自体についてではなく、著作権法違反と名誉毀損の罪について刑事告訴されていた。

 法廷には記者が多数詰めかけ、テレビカメラも入るなど注目を集めていた。開廷後、被告人の大学院生が証言台の前に立ち、柴田厚司裁判長が判決文を読み上げた。

 柴田厚司裁判長は判決の理由について、大学院生は2007年11月上旬に同級生の顔写真などの画像を使用したウイルスを作成し、Winnyネットワークなどを通じて不特定多数にダウンロードさせたことが、被害者の名誉を毀損したと認定。また、同じくテレビアニメ「CLANNAD」の画像を著作権者の許可無く使用したウイルスを作成し、Winnyネットワークを通じて不特定多数にダウンロードさせたことが、著作権侵害にあたるとした。


■関連リンク 仁義なきキンタマ(じんぎなききんたま) : モニ太のデジタル辞典 : コラム : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 登場してから数年経ちますが、ウィニーを通じて広まる暴露ウイルスの勢いは、あまり弱まっていません。出始めのころはデスクトップのスクリーンショット画像をアップする程度でしたが、ファイルをまとめてアップロードするなど次々と新種の暴露ウイルスが登場しました。仁義なきキンタマもそのひとつで、非常にたちが悪いものですワン。

 仁義なきキンタマウィニーのネットワークに流出させるファイルは、デスクトップの画像に加えて、重要そうなデータをピンポイントで狙っています。まずメールソフトのアウトルックエクスプレスで送受信したメール、表計算ソフトのエクセルとワープロソフトのワードで作成したファイル、インターネットエクスプローラーのクッキーファイル、ウィニーで検索していた語句などなど。ほかにもいろいろありますが、致命的なのはメールとエクセル、ワードのファイルです。これらソフトは利用者がたくさんいるうえ、顧客情報などを扱っていることが多いので狙われるのですワン。画像の流出も恐ろしいですが、これらデータの流出は個人では責任が取りきれない事態をまねきます。


■関連リンク (3/3)インタビュー - Winnyネットワークはやっぱり真っ黒,NTTコミュニケーションズの小山氏に聞く:ITpro

 なんと128個もの実行ファイルを単独で公開しているノードがあったのです。しかも、このノードが公開している実行ファイルのほとんどは、わずか数種類のウイルスだったのです。これがどういう意味か分かりますか。

 つまり現在のWinnyネットワークには、同じウイルスに様々なファイル名やファイル・サイズを付けて、他人がダウンロードできる状況にしているユーザーがいるということなのです。

つまり、同じウイルスに様々なファイル名やファイル・サイズを付けて、ばらまこうとしている人がいるということですか。

 断言はできませんが、何らかの意図は感じます。

 もう1つ付け加えると、以前の調査では、Winnyで流通しているウイルスの「検出率」は50%程度でした。Winnyネットワークに存在するウイルスの半分しか、ウイルス対策ソフトが対応していなかったのです。

 この事実が今回の調査にも当てはまるとすると、先ほどの352個の実行ファイルは、すべてがウイルスだったかもしれません。Winnyネットワークは、何らかの意図を持った人が、ウイルスをダウンロード可能にしている。「真っ黒」だとしか言いようがありません。


■関連リンク WinnyやYouTubeにおける著作権侵害、ACCS久保田専務理事が考える対抗手段


■関連リンク リビング+:Winnyに参加しただけで摘発も? ?ACCS (1/2)


■関連リンク 大西 宏のマーケティング・エッセンス : ウィニー裁判-混乱している人がいる

ウイルス対策なしでは、インターネットは利用しないほうがいい
まずは、セキュリティの問題ですが、問題は3つでしょう。ひとつはウィニーがウィルスに冒されやすい欠陥を持っているということ、2点目は開発者ご本人が「技術的欠陥」と認めるように、一度放流したファイルは管理ができず消せないということ、つまり流出したファイルがネットをひとり歩きし被害が拡大するということです。もちろんウィニーそのもののソフトの欠陥を修正しセキュリティを高めることは必要ですが、開発者ご本人は係争中はできないという主張です。
そしてもっとも重要なのが、情報流出が起こる元凶はウイルスであり、ウィニーそのものではないということです。ウィルス対策などのセキュリティに無頓着なまま、インターネットの荒野というか戦場に、まる裸の無防備な状態で回線をつないでいるというユーザーに問題があるということです。こういったセキュリティに対する認識を広め、意識を高めていかないと、情報流出問題はたとえウィニーがなくなってもなくなりません。


■関連リンク ASCII.jp:Winnyの金子氏が夢見る次世代高速ネットの世界 (1/5)

――SkeedCastは技術的に「Winny2」ベースで作成されているのでしょうか?
金子:全部「Winny1」のほうがベースになってます。

――えっ、Winny1なんですか。
明石:Winny2は(京都府警に)全部持っていかれてしまいましたから。
金子:みなさん勘違いされているんですよ。お忘れでしょうけど、Winny自体も勘違いされていて、ファイル共有ソフトはWinny1なんですよ(笑)。私はWinny2を作って捕まってるんで。

――捕まっているって……。いいのですか、そんな表現で(笑)。
金子:有罪ではなく無罪が決まったわけですからね。Winny2にWinny1の機能をそのまま載っけたところがあったから、捕まったんですよ。Winny2は本来ファイル共有じゃなくて、分散BBSをやろうとして作ったものなので。もうみんな忘れてしまっているんですよ(笑)。逆に言えば、Winny2は本気で手抜きをしていて、ファイル共有に関しては効率が悪いんですよ。だけどみなさん、新しいほうがいいんだろうと思って勘違いされているんですね。

明石:Winny2はようやく再開できるってことですか。
――ツッコミますねぇ!(笑)
明石:こういう関係ですから(笑)。
金子:いやー、弁護士さんに「多分、また開発するとヤバイから」と言われました。
明石:じゃあ、ちゃんと作戦を立てれば?
金子:ちょっとやっかいですね。一応「無罪」が出たから、Winnyの続編とかを作って公開するのは問題ないと思ったのですが、弁護士さんの話を聞くと「(続編を作れば)悪用されているのがわかっている」状態で「(警察的に)改変し続けるのはいかがなものか」という感じらしいです。「(違法ファイル交換をする連中がいて)やるとわかっているのだろ、お前!」って言われて、裁判沙汰になったくらいですから、弁護士から「わかってますね? これ以上バージョンアップするとややこしいことになる可能性が高いですよ」と言われました。ということで、あんまり安易には開発できないです。

――InteropでSilverBulletのデモを見た人の書き込みとかを見ていると「TCPはもうオワコンだね」という意見もありましたよ。

金子:本当にTCPボトルネックなんですよ。みなさんあまり気付いていないですけど、SilverBulletで動作させてみると楽勝で10倍くらいの通信速度が出るんですよ。ヘタすると100倍くらい出ますから。

明石:都内の近いところ同士の通信だとそんなにTCPとかと変わりません。でも例えば東北と東京間で通信すると、FTPTCP系より10倍以上の速度が出たりします。今、首都圏に一極集中していたデータセンターがどんどん国内の地方に広がっていますよね。今まで首都圏に一極集中していたので、あまり通信速度の問題って気付かなかったわけです。でも、データセンターが北海道、沖縄、山陰とかに移ると、TCPだと「あれ? どうしちゃったの?」ってくらいスピードが出ない。だからこの製品を使ってリカバリーのソリューションにしたいとか、そういう話がよく出てくるようになってきました。われわれは海外との通信だけではなく、これから国内でもますます必要とされてくるだろうなと思いますね。


■関連リンク 2008-01-05 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」#1199537849

私は実務家ですから、刑事事件が立件される場合に、一罰百戒、ということが狙いとなる場合があるということは知っていて、それを否定する気もありません。要は、そういった手法に頼る合理性、一罰百戒「効果」が得られ国民に広く納得が得られるか、ということではないか、と思います。

そういった観点で、上記のような現状も踏まえた場合、ウィニー関係者が立件され有罪になったこと、特に、ウィニー開発者が有罪になったことは、何ら一罰百戒効果を挙げてはいない、ということになるでしょう。それだけではなく、今後の高裁、最高裁の判断が待たれるとは言え、地裁での判決では、この種の開発者に幇助責任が問われる場合の明確な基準が示されることもなく、悪用されるようなものを作り出し実際に犯罪として悪用された場合、作り出した者は悪用された犯罪の幇助犯として処罰される危険を常に負う、という、とんでもない現状だけが残ってしまいました。しかも、ウィニーについては、開発者まで立件してしまったことで、ソフトとしての改良の道を捜査当局が自ら葬り去ってしまっていて、結局、あの立件、起訴、有罪が何をもたらしたのか、ということになると、何ももたらさず、かえって事態をさらに悪化させただけでしょう。精緻な理論を駆使して(というほどの理論は駆使されてはいませんが)、この種の開発者に刑事責任がある、ということが理屈(屁理屈を含め)で説明でき、警察庁長官検事総長に誉められたとしても、刑事政策的には完全な失敗事例であった言っても過言ではない、と思います。


■関連リンク 高木浩光@自宅の日記 - Wikipedia ∩ Winny で何が判るか


■関連リンク 高木浩光@自宅の日記 - 故意による放流と過失による流出、Winnyにおける拡散速度の比較, いいかげん流通させている輩を罰せないか


■関連リンク 「Winnyは既に必要な技術ではなく、危険性を認識すべき」高木氏講演

 高木氏は、このようなやりとりを見ている中で、「だったらWinnyにアップロードすればいい」といった書き込みがあったことから、Winnyに注目。Winnyを試用してみた結果、こうしたネットワークに漏洩ファイルが流されるのは危険だと認識したという。高木氏は、当時Winnyについて議論していたコミュニティにおいて、「Winny著作権侵害よりもむしろ、名誉毀損やプライバシー侵害にあたるような映像の拡散が止められないといった観点からの懸念がある」と発言しており、他の関係者もこうした認識を持っていたと思うとした。

 こうしたことから、高木氏はWinnyについて「人がいやがるようなことをする輩が現われた時、たとえそれが多くの人が望まないことであっても、それを誰も止められない」ソフトであると説明。たとえ多くの人が流通するのは問題であると考えているファイルでも、それを止めることが出来ない点が問題であるとした。

 Winnyにはキーワードによる自動ダウンロードや、一定の確率で発生する中継などの仕組みがあり、ファイルが拡散する。さらに、Winnyのキャッシュフォルダ内のファイルは暗号化されているため、ユーザーが自分のPCでどういうファイルを送信可能な状態にしているのかを気付きにくくしており、一方でキャッシュの中身を知ることは送信可能化権の侵害を自覚することにつながるため、ユーザーの側でもキャッシュの中身を知ろうとはしないと指摘。結果として、ユーザーは無自覚なまま、望まないファイルであっても拡散の手助けをしてしまう仕組みになっていると指摘した。


■関連リンク Winnyユーザーへの求刑は軽すぎる:愚直なまでも著作権:ITmedia オルタナティブ・ブログ

確かにこの被告人は、漫画をアップロードしたことで、経済的な利益を得ておらず、その点を求刑と判決は考慮したようです。しかし、タダで配布されるからこそ、権利者の被害は甚大なのです。事実、この事件では漫画誌の発売日前にWinnyで漫画が「共有」されており、漫画誌の販売に影響が大きかったはずです。このユーザーがWinnyネットワークにアップロードした漫画ファイルのひとつを、逮捕された時点でどれだけ共有されているかをACCSで調べたところ、約1500件にも拡散していることが確認されました。このユーザーは2〜3年前から、漫画誌が発売されるたびに、ほぼ毎週このようなアップロードを続けていたことが裁判でも明らかにされていることから、その被害規模は大きいと言わざるを得ません。

懲役1年という求刑は、これまでのWinnyユーザーの著作権侵害事件への求刑と変わりません。同じような犯罪には同じような刑罰が下されるべきでしょうが、以前書いたとおり、著作権法違反の刑事罰は今年7月から、10年以下の懲役刑もしくは1,000万円以下の罰金刑またはこれらの両方が科せられることになりました。本事件は罰則の引き上げが適用される前の事件ですが、それでも懲役刑は最高5年まで求刑することができたはずです。


■関連リンク ファイル共有ソフト「Winny」開発・提供者に関する大阪高等裁判所の判決について | 活動報告 | ACCS

本日の大阪高等裁判所の判決は意外であり疑問を生じますが、詳細な判決内容の確認・検討をしたいと考えます。なおACCSは、今回の判決にかかわらず、被告には社会的・道義的な責任が生じているものと考えます。

なお、ACCSでは、「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer)」はインターネットの重要な技術の一つであると理解しており、これまでもその立場を明確に表明しています。ただし、著作権等への配慮がないままに、この技術を現状のファイル共有ソフトのような形で実現すれば、そのネットワークを通じて著作権侵害行為が蔓延することは火を見るより明らかです。なお立法においても、このような状況を前提として、来年1月1日から施行される改正著作権法では、違法にアップロードされた音楽や映像などであることを知りながらそれらのファイルをダウンロードし録音・録画することを、新たに違法行為として規定しています。

ACCSでは今後も、Winnyなどのファイル共有ソフトネットワーク上で蔓延する著作権侵害行為については、関連する団体などとも幅広く連携しつつ、侵害対策活動などを推進し、著作権侵害行為のない健全な社会を実現するための、総合的な取り組みを展開して参ります。


■関連リンク 会社に潜む情報セキュリティの落とし穴:Winny利用の果て――家族崩壊した銀行マンの悲劇 (2/2) - ITmedia エンタープライズ

 わたしは、Winnyの挙動が管理されないものであることから非常に危険な存在だと警告し続けてきました。仮に興味本位で使っても、その時点で違法コピーの流通などに加担する「共犯者」になっているといっても過言ではないのです。しかし、Winny中毒者は会社がどのような指導しても、頭では理解しながら操作をやめません。「使いません」と宣約書を提出しても、社則で禁止してもやめず、何とか「実行できる環境」を作り出すことに精を出します。

 そこには、「もしウイルスに感染し、漏えい事件でも起きたら……」という認識が全くありません。そのような報道を見ても、「自分には関係ない」「自分は大丈夫だ」「対策しているから平気だ」と、極めてあいまいな自信を主張します。第三者の目でみると、本当に怖いものです。中毒者のいる職場は、彼らの挙動だけで大騒ぎになったり、潰れたりする可能性があるのです。実際2008年には、Winnyによる情報漏えい事件が原因で倒産した会社も出てきました。


■関連リンク 「Winny」開発者の金子勇氏が会見、本日中に控訴へ

●「私は何をすればよかったのか」と金子氏

 金子氏は有罪判決について、「私はWinnyについては有用な技術だと思っており、裁判所の判断もそうだったが、技術そのものは評価していただいていると思う。また、(著作権侵害を)蔓延させるような行為はしていないという認定もあった。なぜそれで幇助なのかということについて、今回の判決は残念だと思っている」とコメントした。

 Winnyの公開にあたっては、「違法なファイルをやりとりしないでくださいと注意してきており、逆にそういった行為を煽るようなことをしたことはない」として、2ちゃんねるへの自身の書き込みも同様に、違法なファイルのやりとりをしないように呼びかけてきたと主張。判決では自身のどの行為が違法とされたのかが明確ではないとして、「私は何をすればよかったのか、何が悪かったのか。未だによくわかっていない」と述べた。

 また、著作権法違反の幇助とされたことについては、「開発するだけで幇助になる可能性があるということは、日本の開発者にとっては足かせになると考えている」として、「今回の地裁判決に関しては納得いかないということで、今日中に控訴する予定。できる限りのことを頑張っていきたいと思いますので、ご支援をよろしくお願いします」と会場の支援者に対して協力を求めた。

●日本の技術に与える影響は大きい、YouTubeは日本なら潰されていた〜LSE新井氏

 LSEの理事長である新井俊一氏は、「最初の逮捕の時から支援活動を続けてきて、おかげさまで1,600万円を超える支援金をいただき、弁護団を組織してここまで戦ってくることができた。今回、非常に残念な判決ではあったが、支援いただいたみなさんのおかげで、金子さんが一方的に悪者にされることはなく戦ってこられたことは、非常によかったと考えている」と語った。

 今回の判決については、「日本の技術に与える影響は大きい」とコメント。「米国ではGoogleYouTubeを買収するという大きなニュースがあった。YouTubeはもし日本でやっていたら、確実に潰されていた。さらに言えば、日本ではGoogleそのものも著作権法違反になるかもしれないということが最近ニュースになっている。検索エンジンを作ることもできない、YouTubeも出てこない。そういう日本で、これからのインターネットのベンチャーがどのように発展していくのか。非常に疑問がある」と訴え、「これから日本がインターネットの社会で伸びていくために、今回は本当に残念な判決になったと考えている」と述べた。


■関連リンク 「Winny裁判」で有罪判決、自由なソフト開発はもうできない? ? @IT

●新たなアイデアの登場を妨げる

 ソフトウェア開発に詳しいイグナイト・ジャパンのジェネラル・パートナー 酒井裕司氏は、判決を「大変遺憾」としたうえで、「元来リスクを避ける日本社会において、過去に事例が存在しないようなシステムの開発/オープンソースとしての公開に際してストップがかかっていくことは必至であり、新しいアイディアの登場を妨げかねないものになるだろう」と指摘する。特に「単機能として尖った研究をしなければならない大学、政府系開発補助、また、優れた個人においてテーマの萎縮が起きることが心配」という。

 情報セキュリティが専門の東京電機大学 教授 佐々木良一氏も「予想以上に、技術者を萎縮させると心配している。ただでさえ劣勢の日本のソフトウェア産業の競争力がさらに弱まる心配がある」とコメントする。

 研究者としてソフトウェアを開発している科学技術振興機構の研究員 阿部洋丈氏も「ソフトウェアの公開が萎縮する恐れがある」と語る。そのうえで今後の開発では、「ソフトウェア公開者は、自分のソフトウェアに違法行為を助長する恐れがあることを認識したならば、何らかの有効な対策をとることを強いられる」と説明する。

●リスク対策のガイドラインが必要か

 阿部氏はソフトウェア開発を行う際のガイドラインが必要と訴える。「現状では、一度公開したソフトウェアが悪用されていることを認識した場合、どのような対策を行っていれば、ほう助犯にならないのかという基準が明らかになっていない」としたうえで、「今後は、自由なソフトウェア公開をできるだけ妨げない形で、ほう助犯とならないために必要な対策のガイドラインを設けることが重要」とする。

 佐々木氏は「技術者倫理、情報倫理を意識して研究開発を行うことは必要だが、必要以上に萎縮しないことが大切。リスクを背負っても新しいことをやる姿勢が(技術者には)必要だ」と話す。ただ、リスクにも度合いがある。ソフトウェア開発で有罪というリスクは、個人にとってあまりにも過酷だ。


■関連リンク 「警察に協力的すぎたのが問題だった」Winny裁判の結審で金子氏がコメント

● 「正犯者として捕まえたかったのが出発点だったようだ」と事件の経緯を説明

主任弁護人の秋田真志弁護士は、2003年11月27日に正犯とされる2人の逮捕と同時に、金子氏の自宅に京都府警の捜査員が訪れたことから今回の事件が始まったとして、金子氏が逮捕されるに至った経緯を紹介。「著作権侵害を蔓延させる目的でWinnyを開発した」とする検察側の主張は創作であると訴えた

 最初の家宅捜索の時点で「金子さんを正犯者として捕まえたかったというのが、京都府警の出発点だったようだ」と秋田弁護士は説明する。11月27日の家宅捜索で、捜査員は金子氏のPCでWinnyによるアップロード実験を実施。これにより金子氏を著作権法違反の正犯として捕まえようとしたが、使用していたのが金子氏が自分専用に作っていたダウンロード専用のWinnyであったため、実験は失敗に終わったという。

 秋田弁護士は、「その時点で京都府警は相当失望したようだが、金子さんは『Winnyの開発を止めるという誓約書を書いてもいい』と言ってしまった。そこで捜査員は『著作権侵害を蔓延させるためにWinnyを作りました』といった言葉の入った申述書の見本を作り、金子さんがそれを書き写した」と説明。その後、2003年12月に事情聴取が行なわれ、2004年5月に金子氏は逮捕される。取り調べの中で金子氏は、警察や検察の求めに応じて調書に署名押印をしてきたが、弁護団との接見により「これはおかしい」と気付き、その後は署名押印を拒否するとともに、取り調べに対しても黙秘するようになったと語った。

 こうした経緯から、裁判については「Winnyがどういうものであったかが裁判の中で争われてきたが、一番の争点は、著作権侵害目的でWinnyが開発されたのかということ。検察側は、Winny著作権侵害を蔓延させるために開発したと主張するが、そんなことを考えて作るはずがない」として、著作権侵害が目的であるというのは検察側の作文であると訴えた。

● 金子氏は「どこまででも戦います」と争い続ける姿勢を示す

 金子氏も今回の事件については同様に「当初、警察に協力的すぎたのが問題だったと思う」と感想を述べた。金子氏は「警察は正しいと思っていたので、警察がそこまで言うならまあいいだろうといった気持ちで応じていた。弁護団の方々に会い、これはプログラマー全体に対する幇助の問題にもなってしまうので、安易に警察の言い分に従うのは誤りだと思った」と説明。警察や検察は信用できず、何を言っても悪いようにしか取られないので、途中からは黙秘したと語った。

 裁判については、「優秀な弁護団の方々にお会いできたことは良かった。最終弁論の内容も非常に正確なものだった」として、技術的な面からの主張については弁護側弁論の通りであるとした。弁護側弁論では、Winnyは暗号化機能やキャッシュ機能などを実装することで匿名性を高くし、送信者の特定を困難にすることで利用者に安心感を与え、著作権侵害を積極的に拡大させたとする検察側の主張に対し、そうした機能はファイル転送の効率を高めるためのものであると主張。弁護側は、2006年2月16日の公判で慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏が証言したように、Winnyの各機能はいずれもファイル共有の効率を高める機能であり、著作権侵害を助長するためのものではないと説明。利用者を容易に特定できないようにしたことは、IPアドレスなどが知られることによって利用者が攻撃されることを防ぐためだとした。

 また、海外の動向を見ても、ソフトの開発・配布側が責任を問われるのは異例のことだと主張。P2P技術の提供企業である米Groksterに法的責任があるとした米最高裁の判決でも、責任が問われるのは、著作権侵害を助長する明確な表現がある場合など、厳格な要件を満たすことが求められていると説明。新しい技術の悪用者が出たからと言って、それを立法によって処罰の範囲を明確にするならまだしも、幇助という概念で開発者を処罰しようとするのは誤りであるとして、無罪を訴えている。


■関連リンク Winny裁判、罰金刑は重いか?軽いか?--自己矛盾を抱えた判決 - CNET Japan

 まず第一の争点。氷室裁判長はこの日の判決理由で、「Winnyの技術的内容として認められるものは、以下の通りである」として、
1.PtoPテクノロジを使ったソフトである
2.個々のパソコンが対等に接続され、ファイルの情報もパソコン同士でやりとりされている(ピュアPtoP)タイプのファイル共有ソフトである
3.ファイルの情報を持ったキーが中継され、一次的な発信者がわからなくなる匿名性を持っている
4.パソコン同士をクラスタリングし、すみやかにファイルが送受信される効率性を持っている
5.特定のファイルは送受信しない無視機能がある
6.Winny1のファイル共有機能に加え、Winny2には大規模なPtoPのBBSを構築する機能がある
などを挙げた。だが氷室裁判長はこれらの機能を提示しただけで、これら機能にそもそも犯罪性があるのかどうかについては、言及しなかった。つまりWinnyというソフトそのものが犯罪的であるという検察側の主張は、却下したのである。

 しかし第二の争点については、氷室裁判長は次のような趣旨のことを述べた。

 「Winnyは、主犯の二人が著作権侵害ファイルをアップロードするための手段として有形的に容易ならしめたことは、客観的な側面から明らかに見て取れる。しかし弁護人は、WinnyはPtoPソフトとしてさまざまに応用可能な有意義なものであり、それ自体の価値は中立的であると主張している。では、そのWinnyを外部提供したことに違法性があるかどうか、主観的な対応はどうかを考えなければならない。そこで、Winny配布にどのような目的があったのかを、検討したい」(※筆者註:法廷で手書きした取材メモからの転写なので、文言は正確ではない。以下同じ)

 氷室裁判長は、「検察官は、被告がWinnyを公開したのは著作権違反を助長させる目的だったのは供述調書からも明らかだとしている。一方で被告は、著作権違反の助長は目的ではなく技術的検証が目的だった。供述調書は検察官の作文だと反論している。そこで被告の供述の任意性、信憑性を検討したい」と続けた。


■関連リンク 続: Winny研究者がなぜウィルスによる情報漏洩の責任を問われうるか - ものがたり

まず、誰もセキュリティ対策として既に流出したものを消すようにしろとか出来るとか書いているわけではない。この意味で「『出来るはず』なんて言っているが出来るわけがない」という主張には意味がない。セキュリティ対策とは現実的なコストにおいて問題発生の可能性を低めることであるはずで、出来ないことを出来るようにしろというものではないはずだ。少なくとも法は不可能を要求しない。また、「出来ない」と主張しつつ、Winnyの作者に何とかしろと対応を要求する人がいるとすれば、それはダブルスタンダードである。


■関連リンク ウィニー裁判で記者が「弁護妨害」 NHKが弁護団に謝罪 (1/2) : J-CASTニュース

ファイル交換ソフトウィニー」を開発し、著作権法違反幇助の罪に問われていた元東京大学大学院助手の金子勇被告(39)の控訴審判決で、1審の有罪判決が覆り、無罪判決が下った。金子被告側は、1審の段階から一貫して無罪を主張しており、やっとこれが認められた形だ。ところが、1審の段階で、NHKの記者が金子被告に対して「無罪を主張する限り、減刑の余地はない」などとして、同局のインタビューで、無罪主張を覆した上で犯行動機を明らかにするように求めていたことが、弁護団メンバーのブログで明らかになった。弁護側は「露骨な弁護妨害」と憤っており、NHK弁護団に謝罪した。取材する側の倫理が、改めて問われることになりそうだ。


■関連リンク ウィニーこそ史上最強の「ジャーナリスト」?:日経ビジネスオンライン

 しかし・・・・、ウィルス感染して自動的に秘匿情報をはき出すウィニーは、このジャーナリズムの「聖地」である取材においても「ジャーナリズム=人間の仕事」という図式を危うくしている。

 ウィニーが(制作者は自らの逮捕が原因だったと主張するが)セキュリティホールを塞がないまま放置され、結果としてウィルス感染によってパソコンの持ち主の意志を超えてハードディスクからデータを垂れ流し始めたことを「歴史の偶然」として片付けるべきではない。そんなことが可能な技術が既に用意されている。それはジャーナリズムにおいて言えば、ウィニーのようなプログラムですらジャーナリストの活動ができてしまう時代が到来したということだ。


■関連リンク Winny利用者へ「ファイル削除のお願い」送信、ISPらが指針策定 -INTERNET Watch


■関連リンク 連載:インターネット事件簿


■関連リンク 「危ない」と分かっていても ウィニー止められない理由(J-CASTニュース) - 経済 - livedoor ニュース


■関連リンク 「Winnyでいいから読んでほしい」? 現役世代の本音と著作権保護期間問題 - ITmedia ニュース


■関連リンク Winny、WinMXの今までの逮捕者の歴史


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