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新房昭之『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 【新編】 叛逆の物語』 - 青春ゾンビ

賛否両論あるようだけども、個人的には大傑作ではないかと思っている。作画、構図、アクション(ほむらVSマミ戦の素晴らしさよ)。劇団イヌカレーらによる空間設計や美術はまるで宮沢賢治のスペイシーとLSDNHK影絵劇『シルエット』が融合したかのようなドラッギーさ。全てがTVシリーズを更新している。物語の構造も素晴らしく、今作は決して蛇足などではない、と断言したい。

序盤は細部に豊かな差異を散りばめながらTVシリーズの反復を見せる。しかし、豊かな差異は暴走していき、ダーティな雰囲気を纏っていたTVシリーズが嘘のように、死んだはずの者が皆「魔法少女」の役割を活き活きと真っ当する世界が続いていく。パッと見た感じ初期の『美少女戦士セーラームーン』や『プリキュアシリーズ』のようなものを期待して劇場にやってきた母娘にも満足頂けるような、恋と砂糖菓子にまみれた幸福な映像が繰り広げられていく。しかし、例えば謎のダンスを取り入れた変身シーンにしても、どこかネジがはずれ歪つで狂っている。