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バッドエンド症候群を超えて ――虚淵玄論(小説『Fate/Zero』について) - 鳥籠ノ砂

 虚淵玄は、株式会社ニトロプラスの取締役かつシナリオライターである。同社のデビュー作『Phantom』を手がけたのち『吸血殲鬼ヴェドゴニア』『鬼哭街』『沙耶の唄』そして『続・殺戮のジャンゴ』といったゲームシナリオを担当した。

 虚淵玄を語る上で欠かせないのは、いわゆるバッドエンド症候群の存在である。「心温まる話を書きたい」はずなのに物語を突き詰めると悲惨な結末に陥らざるを得ず、その傾向に彼自身が苦悩して断筆も考えていたことは既に有名な話である。