あのニート君の出所となったテレビ番組のニート特集その2 (オリーブの牧杖)
http://d.hatena.ne.jp/yodaka/20050328#1112024310
ちょっと前の2月10日、「ニートの日」にニート人たちが東京を練り歩くというイベントがあった。そこには結構な数のマスコミもカメラも来ていたのだが、その内容がニュースで報道されるころは、ほとんど無かったらしい。つまりは、TVではニートの行進は絵にならないのだ。常任理事国入りを阻止したい中国人が日本大使館で抗議デモしたり、韓国人が竹島問題で日本国旗を燃やすデモの集まりは、TVでインパクトのある絵、つまりは報道するだけの価値はある絵になる。だけどこのニートのデモ行進は、熱量の感じられないダラダラ、バラバラと歩くだけにとどまり、そもそも目的があって集まる会というわけでなかったので、盛り上がりには欠けた。報道することに意味はあってもこれで視聴率は取れないという意見は正しく、実際にそうなったようだ。
ただ、自主的に集まってなにかしようとしたニート本人には、このイベントがまったく意味の無いものではなかったと信じたいけどね。そもそも、そういう気持ちも無いニートはこの集まりにも参加するはずが無いし、ここに集まったというだけでも今の現状をなんとかしたいという気持ちがあるからね。しかし、彼らにしたって発起人以外は、なんとなく来てみたとか、誰かに背中を押されて仕方なく来たという人が大半で、そもそも人に合わせることが苦手な連中が歩を揃えて行進するということは無かったらしい。
しかし、このニート達の熱量の無さは、今の日本の沈滞ムードそのものだなあ。現在の家事手伝いを含めたニートが85万人、100万人突破するのも時間の問題だろう。少子化のうえに団塊の世代がどんどんリタイヤしていく中、日本の働く人口はどんどん減ってくる。それなのに働く気さえない若者ってどんな根性しているのだ。私には理解出来ない。もう大人・親のせいとか、社会のせいとか、言い訳を考えるインテリジェンスさがあるのなら、他にすることもあるだろうにねえ。
今、日本が必要としているリーダーとは、中国人を下請けで働かす能力より、屁理屈と理想だけは達者な若者をあるツボを押して働かせる気にさせる能力を持っている人のことだよなあ・・・。それは決して、人間を最適化して配置し、あちこちの工場をたらいまわしてこき使う派遣会社の社長とかとは、まったく異なる者だ。こっちはツボじゃなくて背中を後ろから蹴り上げて、滝壷に落とすイメージで、NHKスペシャル「漂浪するフリーター」なんかの時に出てきた最適化と金の計算だけは優れていそうな経営者はまんまそんな感じだった。
私は、彼らと我々は実は一心同体で、奴らを救わないとよっぽど能力のある一部の富裕層以外は、みんなで足引っ張り合って共倒れになるんじゃないかと考えているので、彼らの生態ウォッチはまだまだ続けるつもりだ。自分も能力が無いことが分かっているし、なんかあったらすぐに倒れそうな一人だから、今がしんどいというのは分からないでもない。でも、生きていく気があるのだったら、仕事という暇つぶしにつきあってみるのも悪くないじゃないかと思うのだが。