caprinのミク廃更生日記

初音ミクやVocaloid、ゲームやアニメのニュースサイト

時をかける少女の初回イベントに行ってきた


時をかける少女 ポスター

 東京より一週間遅れで大阪でも長編アニメーションの「時をかける少女」が公開された。テアトル梅田では初回イベントとして「時かけ少女」のイメージガールコンテストをやったのだけど、募集期間が短かったのにもかかわらず100人以上が応募し、その書類選考を勝ち抜いた3人の女子高校生はみんなかわいい娘さんだったよ。しかし、コンテストに出場した理由が、お父さんに勧められてだったり、お兄ちゃんが応募したとかだったり、まったく本当にうらやましいお父さんとお兄さんだな。「うちの娘(妹)は、我が身内ながらかわいい…」とかちょっと自慢に思ってんだろうなあ。(笑) また、鑑賞後、舞台挨拶として細田守監督も出てきてくれて、それもなかなか楽しかった。さすがに公開質問では差しさわりのない質問が3つその女子高生からされただけで、「ハウルの(降板!?)経験がこの映画に活きましたか!?」とかいうのは無かったのでその点は残念。俺的にはストレートに「女子高生とか好きですか!?」とか聞いてみたかった…。(駄目人間)


・舞台挨拶とイメージガールコンテスト
 舞台挨拶時に写真撮影禁止とかいう話はなかったのだけど、一応縮小してアップ。まずかったら消します。

 さて、肝心の映画の方だが、東京組の話ではかなり良いということでかなり期待が高まっていたのだけど、いやはや噂にたがわずなかなか良い出来だったと思う。

 小説オリジナルと初代映画版のヒロインだった芳山和子は、このアニメーションにも親戚の謎のおばさんとして出てくるのだけど、初代時の彼女の振る舞いというか印象はかなり優等生タイプで大人しいものだった。(まあ、このイメージは原作よりもさらに映画版の大林監督によって作られたイメージが強いのだけど) だが、今回のアニメーション版のヒロイン・真琴は男の子二人を振り回して、一緒に野球するぐらい活発で、見ているだけで楽しくなってくる要はちゃきちゃきタイプだ。また、劇中で真琴はとにかくいつも走っている印象があり、ワープ(タイムリープ)するために走って走って走りまくり、跳躍するたびに転げまわる。そういうはちゃめちゃっぷりがいかにも現代的で楽しく、いろいろ工夫を凝らした繰り返し跳躍・転がりアニメーションも楽しい。昭和の芳山和子(というか原田知世のイメージなんだろうが)は細田監督の世代を含め、すでにおじさん世代には神格化されたアイドルみたいなもんなのだろうが、2代目の「時かけ」を現在の話にするならば、やっぱりこういう真琴みたいな平成娘でなくっちゃね。ま、もちろんお気楽極楽に見えてもこっちの平成娘はこちらはこちらでいろんな問題も抱えているわけで、同級生に告白された彼女の望みはタイムリープによって余計にややこしいことに…。あ〜、この先はネタバレになってしまうので、ボーイ・ミーツ・ガールの好きなアニメ好きはとりあえず見にいくべし、というか細田監督も舞台挨拶で言っていたのだけど、私のようなおっさんとかじゃなく今のこの夏休みに入った時期にこそリアル中高生とかが友達と一緒に見に来て欲しいとのこと。映画自体も今の季節にあった夏の話だしね。ま、映画のラストの方は結構畳み掛ける複雑な展開になり、すっきり問題が解決、みんながハッピーエンドというラストではないけど、それがかえって後からじわじわくる良さがあるので、大人でもそれなりに楽しめると思うのだけどね。あと、そこで流れる奥華子主題歌「ガーネット」の入り方もなかなか良いし、曲自体も好きだな〜。

 また、有名芸能人を声優に使っている「ブレイブストーリー」や「ゲド戦記」なんかより、キャラクターにあった声優がしっかり演技している。決してうまいというわけでもないけれど、今時の高校生の言葉遣いとあいまってリアルな雰囲気が出ている。真琴の声の仲里依紗(16歳)の「イッケー!!」も若々しくて素晴らしいし、芳山和子の声も原沙知絵が「魔女おばさん」としてミステリアスな感じをうまく出していると思う。少なくともブレイブ・ミツルのウエンツ瑛士ゲド戦記・テルーの手嶌葵の棒読みよりは素直に聞ける。
 そして、なによりシナリオもアニメーションとしても上記2作よりもこちらの方がおもしろいと思う。もちろん、制作費でいえば圧倒的にブレイブやゲドの方が上なので1コマを1枚絵として見た場合の緻密さや情報量の多さはこの2作に譲るとしても、アニメは動かしてなんぼだから動きに感じられる雰囲気や空気は「時かけ」の方が見ていて気持ちいい。アニメは常に滑らかに動いていればいいんじゃなくて、タメも止めの動きも必要だからね。まあ、走るシーンのリアルさではこちらもヒロインが走りまくるアニメ「千年女優」に一歩遅れを取るかもしれないが、もともと貞元絵がそんなリアル志向でもないし、これぐらいキャラはあっさりした方がいいのかもしれない。背景はジブリの美術を担当した山本二三氏がやっているので、これもそれなりに頑張っている。タイムリープ時のCGの使い方も肘に付いた数字もなかなかかっこいい。単純に全体の情報量が千尋ハウルに比べて少ない気がするのは、それこそ制作費の差だろうし、フィニッシュにこだわって際限なく手間をかけても意味がない。現代の街の駅周辺や坂のある風景の表現は十分に表現出来ていると思う。ただ、ぜいたくを言えば、「時かけ」ということでやはり尾道をイメージした絵も見たかったところだ。
 しかし、それにしたって、おっさん的には夏の大空をバックに飛ぶ少女は問答無用に美しく、素晴らしい。ラストの方の真琴が見上げる空も好きだな。 また、ヲタク的には主人公の真琴も、プリンを横取りしたことで姉が自殺するんじゃないかと心配する妹も、意中の人に告白するため奔走する眼鏡っ娘もそれを応援して空回りする友達もなかなかいい味を出しているし、腐女子的にも真琴の同級生2人の千昭と功介の絡みが妄想を掻き立てられる余地!?があるので、そのスジの人でも多分大丈夫だ。俺的には功介の方がかっこいいと思うな。(聞いてねえ) ここらへん、アニメだから出来る演出でもあるので、角川もこのアニメがヒットしたからといって安易に同じストーリーで実写化はしない方がいいかもしれない。最近では「デビルマン」とか「最終兵器彼女」の実写版という失敗した例もあるし、あのアニメによる繰り返しや空気感をちゃんと表現するには、それこそ大林監督級ぐらいの人じゃないと難しいだろう。角川だから売れるためならなんでもするかもしれないけれど、やるならやるで慎重にキャスティング等をお願いしたいね。あっ、逆に細田監督の方に実写化された小説をアニメ化してもらうのがおもしろいかもしれないなあ、「さびしんぼう」とか「ふたり」とか「6番目の沙代子」とか、どうよ!? 大林監督の尾道3部作ならぬ細田3部作なんていいなあ、ポワワ。

 しかし、本当に惜しいのは、公開している劇場の少なさだよね〜、都市部の東京でも大阪でも1館づつしかやっていないらしい。宮崎駿の息子が初監督で叩かれまくっている「ゲド戦記」の劇場数のいくらかでも「時かけ」に回して欲しいぐらいだよ。(笑)


時をかける少女 (公式サイト)
時をかける少女Blog (公式Blog)

時をかける少女特別企画Link集 (WEBアニメスタイル)

「時をかける少女」予告 劇場版(再生時間 約1分46秒)


・感想リンク 時をかける少女 (cinema)

・批評リンク 『時をかける少女』70点 (超映画批評)

・批評リンク 『時をかける少女』 この夏にぜひ一度は体験してもらいたい映画 (アニメアニメ)

http://www.animeanime.jp/kansou/tokikake.html

・感想リンク集 『時をかける少女』感想リンク集・はてな版 (愛・蔵太の少し調べて書く日記)


・参考リンク デジタルカウンターによる作品 時の連鎖 宮島 達男


時をかける少女 絵コンテ 細田守

時をかける少女 絵コンテ 細田守

時をかける少女 〈新装版〉

時をかける少女 〈新装版〉

ガーネット

ガーネット

・関連リンク 「ガーネット」発売!! (奥華子の日記)


時をかける少女

時をかける少女