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ホワイトカラー・エグゼンプション導入は時期尚早 (nikkei BPnet)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070208_we/index.html

仮に経営側の主張通り、年収400万円以上の人間にホワイトカラー・エグゼンプションを適用した場合、カットできる残業代は11.6兆円(労働運動総合研究所試算)。効率化という意味では達成確実な数字だ。ただ、多数の労働者の就労意欲をそぐ分、中長期で見れば確実に組織パフォーマンスは低下する。一部の人間が奮起しても、多数派がモチベーションダウンしては意味が無いというのは、目標管理の安易な導入で得たはずの教訓だ。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070208_we/index1.html

「おまえは成果の割に、ダラダラ残業しすぎだ」、「この業務は必要ないからこっちを手伝え」と部下を指導し、コストカットに励むのは、上司たる管理職の本来の存在意義だ。そのためには当然、部下の仕事内容から働きぶりまで、きっちり把握することが必須となる。「そんな難しいことなんてできないよ」と言うのであれば、まして「部下の成果を質ではかる」なんて論外だろう。成果主義にせよホワイトカラー・エグゼンプションにせよ、求められるのは、まずは管理職のマネジメント能力なのだ。

その上で、日本全体に職務給と成果主義が普及し、各会社員が裁量を持って業務を切り回すビジネスパーソンへと進化した後で、ホワイトカラー・エグゼンプションは議論すればいい。経営側の努力義務をすっ飛ばして、いきなり労基法の制限を無くしてしまえというのは、まったく本末転倒な話だ。

最後に1つ。現経団連会長はの御手洗冨士男氏は社長時代、「業務の妨げになるから」という理由で自社のフレックス勤務を廃止した前科がある。そんなお方が「従業員の裁量を尊重するべき」という理由で、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入を推進しているのは、性質の悪いジョークとしか思えない。

 経団連の会長からして信じられないし、労働者側の失った残業代11兆円超との引き換えに見合うリターンがちゃんとあるとはどうしても思えない。また、管理職がちゃんと部下を把握出来ていないのに「部下の成果の質」を計れるなんて不可能という点は大いに納得するものがある。