caprinのミク廃更生日記

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株式会社「はてな」退職のお知らせ (旅行日記)

http://d.hatena.ne.jp/ryoko/20070630#1183212590

はてな」エンジニアのid:ryokoは、エンジニアにおいて、まだ、その域に達していないと自ら判断し、本日付で退職いたしました。
 来月からは外の人に戻り、はてなを応援をしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

 3ヶ月は早いなあ。決断が早いというべきか、諦めが早いというべきか。NetやWeb系のドッグイヤーで動く業界に、「石の上にも3年」みたいな悠長なことを言うつもりはないけど、ボーナスの査定で見切りをつけたのだったらそれはちょっと違う気もする。3ヶ月でそりゃいい評価なんかもらえるはずがない。個人的には「なにくそー」と思って続けて欲しかったというのもあるが、これはその会社と個人の問題だからここで外野がとやかく言うべきことでないのかもしれない。でも、この文面通り、他のエンジニアのレベルが高すぎて、自分がついていけず身を引いたとかだったらいいけど、「はてな」の内部が思った以上にドロドロしていてついていけないとかだったら嫌だなあ。(笑) また、金額面で折り合いがつかなかったというのなら、もっと安定した地味な企業を狙うべきで、ベンチャーに就職するのは今後諦めた方がいいかもしれない。ま、老舗の企業にしろ、ベンチャーにしろ、フレックスタイムの導入された企業以外での「遅刻」はどこの業種でも大きなマイナスポイントだよなあ。

 まあ、これは明らかに自分の能力がryoko氏よりも劣っているから言えるんだけどね。私の場合、「はてな」を「退社」する以前に「就職」さえ出来ないのだから。ただ、それだけ可能性もある企業だし、たくさんのエンジニアがうらやましがる企業だけに、3ヶ月で辞めるのはやっぱりもったいないと思った。ま、今更言ってもしょうがないのだけど……。
 とにかく3ヶ月ご苦労様でした、次の会社でも頑張ってください。


■関連リンク 社員どうしでボーナスを計算する (jkondoの日記)

http://d.hatena.ne.jp/jkondo/20051212/1134382615

各社員の評価は今期の会社への貢献度を元に100点満点で行い、最も貢献したと思う人を100点にし、そこから相対的に全社員を評価していきます。業務内容が違うために評価が難しい人については空欄にでき、他の評価者に判断を委ねる事ができるようにしました。

こうして集まった評価点を一箇所に集め集計を行うのですが、ここにも少し工夫を加えました。単純に平均値を取ったりするのではなく、「高い評価の人からの評価ほど意味がある」という風に重み付けを行いました。つまり、評価の高い人が行った判断ほど価値が大きくなるような計算を行ったのですが、これはちょうど「価値の高いウェブページからのリンクがあるページは価値が高い」というGooglePageRankアルゴリズムのようなものです。

こうして算出された値を元に、ボーナスの総支給額を配分して各社員に支給したわけですが、結果は概ね全員の感覚と一致していると思われるものであり、各社員がお互いのことをどのように評価している事も分かってとても良かったと感じています。


言及リンク 会社に勤めるということ。 (shibataismの日記)

http://d.hatena.ne.jp/shibataism/20070701/1183301755

大事なことは、会社としてのボーナスの総額は(普通は営業利益の何%とか)あらかじめ決まっていて、かつ、全員に同額を払うわけにはいかないから、何かしらのルールで全員がそれなりに「納得」するようなルールで秩序を作らなきゃならないということを理解することだと思う。(しかも、はてなの場合は結果よりもルールに「納得感」を持たせてしまっているからより厳しいが。。)

いくらきれい事を言ったって、会社である以上はこうなる。サバイブするというのはそういうことなんだと思う。

雇う側側(はてな)からすれば、PageRank的なルールで決めるというのは、ルールに納得感があるけれども、低評価な人がすぐ辞めるリスクは伴うが、会社としての秩序をを保って、新陳代謝を起こすためには、すごく正しいやり方だと思う。(多くの会社がこんなに納得感のあるやり方で評価できないから。)

 全ての情報を開示するという、誰にでも分かりやすいルールは確かにエンジニア向きなんだけど、会社の運営という意味ではそれはかなりの茨の道だ。*1 PageRank的なルールというのも、感情を持った人間を扱うとなると、全員を納得させる、とりわけ低評価をもらった者にも納得出来る評価はそりゃ無理だと思う。ルールも大事だけど、それを重視しすぎて「人よりもルールを尊重する」会社と思われないようにね。

 でも、「はてな」がこれ以上大きくなっていこうというなら、プログラマーだけでなく、経営に明るいというか文系的な頭脳も取り入れていかないといけないんだろうなあ。人が増えるにつれてエンジニア的仕事だけでなく雑用的な仕事とか根回し的な仕事も増えてくるので、そういう人達にも納得出来る仕事場にしていかないといけないはずだ。会社の飯のタネを創出するのはエンジニアかもしれないが、大きくなっていく会社を維持していくのはそういうたくさんの補佐をする人が必要になっていく。人もサバイブするけど、企業も「自分たちの夢を実現させる」ためには、その価値観を高め社会的影響力を大きくしてサバイブしていかないといけないのだから。


言及リンク 人事評価って難しいね. (最速配信研究会)

http://d.hatena.ne.jp/yamaz/20070701

とある有名外資系企業では毎年各ブランチの全従業員のパフォーマンスレビューを行い,下から5%の人間には退職いただくそうだ.

詳しいルールは聞かなかったけれど,これを聞いたとき,
「自分が5%に入らないように,わざと役に立たないか少なくとも自分より能力のないような人間を雇おうとする力が働くだろうな」

と思った.このルールだと自分よりいい人間ばかりを雇うということは自分の地位が危うくなることにつながるため,自分よりいい人間をいれようというインセンティブが働かず,結果として自分の能力自体が会社のパフォーマンスを規定してしまうということに繋がりかねない(悪いループに入ったときだけど).

 これっていかにも日本的な考え方だと思うのだけど、他の国ではうまくいってるのだろうか!?


言及リンク はてなの360度の人事評価 (U.gEn.FujitsU++)

http://d.hatena.ne.jp/rawlow/20070701/p2

プロジェクト単位でメンバがシャッフルされるような環境じゃないと、社員同士が評価し合う360度評価ってうまくいかない気がするんですよね。
前の会社は360度評価がわりとよく機能していたけれども、それは社内からプロジェクト単位でチームが毎回組成される仕組みだったからだと思います。
いつも変わらないメンバで360度評価やってたら空気が淀みそうです。主要メンバへのYESマンだけが残りそうで、金太郎飴みたいなチームになりそうです。

今は、はてなの社風とかやり方は優位性があるし、事業も小さいので金太郎飴の方が強いのでしょう。ただ、今後会社を大きくしていく上で固定メンバによる360度評価を継続すると、次への飛躍が難しそうなイメージがあります。社内に新しいDNAを取り込みたいなら、固定メンバでの360度評価はそぐわないだろうなという印象です。

 こっちはうまくいっていた人の話。そうか、いつも同じメンバーでの360度評価は確かに問題が多そうですね。
ま、社長もこれが絶対正しいとやっているわけじゃなくて、試行錯誤しながらやっている感じなので、次回のボーナス時期にもその査定方法は変わりそうだ。もっともこれ以上にアメリカ方式を見習っていくと、そのボーナス制度もなくなって、毎年の契約更新で年収決定+成功報酬(失敗ならもちろん何も払われない)という形になっていきそうな気がする。

*1:「それでもはてななら……はてなならやってくれる!!」という思いもある。