caprinのミク廃更生日記

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新作エヴァ観た 久々に綾波萌えの感覚を思い出したよ

■公式サイト エヴァンゲリヲン公式サイト

原作・脚本・総監督 : 庵野秀明
監督 : 摩砂雪 鶴巻和哉
キャラクターデザイン : 貞本義行
メカニックデザイン : 山下いくと
新作画コンテ : 樋口真嗣 京田知己
総作画監督 : 鈴木俊二
カニック作画監督 : 本田雄
特技監督 : 増尾昭一
テーマソング「Beautiful World」宇多田ヒカル
碇シンジ : 緒方恵美
綾波レイ : 林原めぐみ
葛城ミサト : 三石琴乃
赤木リツコ : 山口由里子
碇ゲンドウ : 立木文彦
冬月コウゾウ : 清川元夢

 映画の日に「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観てきた。いや〜、まいった、久々に綾波萌えの感覚を、そして自分はやっぱりエヴァンゲリオンを好きだったんだなあということを思い出したよ。つか、期待に反して正直おもしろかったんだよ、これが!! だってさあ、個人的にはTV版の終わり、映画版3作とも最終的には「騙された!!」という思いがあったために、この新作を見るときにはシンジくんの「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ」よろしく「期待しちゃ駄目だ、期待しちゃ駄目だ」とつぶやきながら観に行ったからねえ。(我ながらキモい) しかし、今はまた再びエヴァについてみんなと語りたくてしょうがない。あの当時の熱狂と絶望と肩透かしを知っているヲタクなら分かると思うけど、あのアニメはそれぞれの立場から、何かを語りたくてしょうがないアニメだったのだ。


■EVAパンフレット各種
 今回のパンフレットとちょっと気になって昔の劇場版のパンフもゴソゴソと押入れから取り出してみたり。あっ、新作のパンフ上下が逆だ……。


 ストーリーや台詞はかなりTV版に準拠しているため、これを完全なる新作と呼ぶには抵抗があるのだけど、絵的にはほぼ書き直されていれ、 Zガンダムみたいに昔のしょぼい絵と新しいハイクオリティの絵がコロコロ切り替わることはなく、その点は富野監督よりも庵野監督の方が志が高く感じられた。書き直しもここまでくれば立派な狂気。手間も下手に元絵があるために逆に新作よりも大変そうな感じがした。当たり前だが、レイアウトもパースもTV版とは違ってくるので、4:3の元絵に両サイドを描き足せば16:9になるというような簡単な話じゃないのだ。とにかく、やっぱ観る側としては、12年後のちゃんと進化した作画であることが素直にうれしいな。これも監督やスタッフの経験値が上がったからこそ、このクオリティで出来るのだろうなあ。ま、これは個人的に見た感想なので、プロやマニアから見たら違うのかもしれなけど、どうしようもない作画崩壊はまずないと思う。全編を通してとても綺麗、綾波もかわいい。(おい)


ここからネタバレあり。これから観に行こうという人は見ない方がいいかも。





■今回の『序』はTV版の1〜6話の再構築版
 映画は『序・破・急・?』で4部作構成。今回はシンジが無理やりエヴァに乗せられるシーンから「ヤシマ作戦」まで。よってアスカはまだ出てこない。
 ちょっと急展開だけど、長いストーリーを圧縮しているのでこれはしょうがない、ここは許容範囲内。初めて観た人の中には、理由もなく少年が急にロボットに乗せられることに、違和感を感じる人は多いかもしれないが、まあこれはそういうアニメだと思うしかない。


■新世紀という冠が取れた
 12年の月日を考えると当然の結果か、2000年をまたいだわけだし、今更新世紀もなかろう。シンジの使っている携帯音楽プレイヤーがシーケンシャルアクセスのSDAT である点などiPodや携帯の普及した今見ると古臭く感じる部分もあり、それが逆に新鮮に感じることもあった。まあ、シンジの葛藤を表すシーンとしてあのアイテムは必要だからな、あれがiPodだったら多分萎える。


■結局、一番楽しめる人は当時TV版をリアルタイムで観た人で、いまだにあのラストを引きずっている人(特にヲタク)かも
 自分が行った映画館がわりかし地方の映画館だったからかもしれないけど*1、TV版をリアルタイムには見ていない、もしくは覚えていないであろう現中学生や高校生、それに家族連れとしての小学生なんかも結構いた。上は30、40代もそれなりにいたように思う。とにかく年齢層は幅広い。でも、やっぱり一番楽しめるのは、当時の熱狂やたくさんの予備知識を持っている20、30代のTVリアルタイム世代だよなあ。当時、シンジと同じ14歳の人でも今なら26歳、もうシンジよりもミサト達大人の方に近い年齢だ。当時は翻弄されるチルドレンの方に共感を得られたかもしれないが、今なら大人達の都合や葛藤もわかるようになってる。この新説エヴァを通して、当時の気持ちを追体験しながらさらに深く物語を読み解ける。まさに一粒で二度おいしいとはこのことだ。

 あと、意外にもパチンコ・スロット関係でエヴァを始めて知ったという人もそれなりにいるみたいなのだが、ゼーレ、死海文書、LCL、MAGI、N2爆弾、S2機関、リリスなど物語を詳しく知ろうと思うと予備勉強が必要になりそうで、これを今更やるのは結構大変かもしれない。ATフィールドとかセカンドインパクトなんかは、意味が分からなくてもなんとなく雰囲気が伝わるのだけど。あっ、でも今の時代インターネットがあるからそういう苦労は少なくてすむのかな。なんせ、TV放映時は、コミュニケーションツールとしてのインターネットも携帯電話も普及前の段階だったもんなあ。(携帯電話はまだ仕事で使うのがメインだったと思う) そう、ネットの論議といえば、Niftyフォーラムか、草の根ネットBBSだった頃の話だ。(遠い目)


■タイアップのUCC缶コーヒーはたくさん出てきてうざかった
 ミサトの生活だとあれは基本的にビールオンリーなところだからなあ、ネルフ本部でコーヒーなのはともかくミサトのマンションであのUCCコーヒーの本数は多すぎ。ま、エビスビールよりもUCC缶コーヒーが多いのはそのまんまCM料の違いだろう。(笑) 他にはローソンとかピザハットとかも登場する。まあ制作費が厳しいくらいならタイアップでもなんでもどんとこいというところ。(それでクオリティが上がるのなら)
 あと、それとは直接関係ないけどシンジが裸の時、ミサトがビールを取った後のつまようじ束には笑った。同級生のトウジ達の扱いが軽いのはメインストーリーを重視したらしょうがないかな。でも、委員長とかはもうあまり出てこないだろうなあ。


■裸といえば、綾波の部屋での着替えシーンはドキドキした
 描写が細かくなっているので(どことは言わないが)、当時のリビドーを思い出したというか、なんというか。(笑) 正直、綾波のシーンは台詞の少なさも相まってあまり多くはないのだが、包帯グルグルでの登場シーン、シンジに押し倒されるシーン、月をバックに立っているシーン、「笑えばいいと思うよ」で笑うシーンなどどれも印象深い。なるほど、あの笑い方が2007年度版の解釈なのか。
 あと、今回は綾波とミサトのおっぱいなら、綾波の勝ち。大きさだけが勝負の決め手ではないのだ。(意味不明)


■でも、今回の最萌え(燃え)キャラ!?は実は綾波でもミサトでもエヴァでもなくて、第三新東京市ジオフロントの風景そのものだったりする
 3D CGで新たに書き直されたそれはとても緻密で美しく、夕日をバックにタワーがいっせいに競り上がるシーンや、武装化される兵装ビルシーン、エヴァもろともブロックごとパージされるシーンと、どれもかっこいい。また、エヴァで特徴的な信号や電柱、鉄道などの各交通手段もみな描写がパワーアップしていてる。もちろん、ネルフ本部のディスプレイ、ワイヤーフレームアンビリカルケーブルの残り秒数、エントリープラグの神経接続図、ネルフの秘密回廊などは言うに及ばず。
 一時期流行った「廃墟萌え」や、写真集まで出た「工場萌え」や「ダム萌え」などという人や擬人化以外に萌える特殊な方々のニーズも汲み取ってくれる。(庵野監督もそういうのが好きらしい。)


■今回文句なしにかっこいいといえば、ひし形の使徒(ラミエルだっけ!?)
 「ヤシマ作戦」は今回の最大の見せ場だ。TV版では変化しなかったが、今回ラミエルはいろんな形に変形して攻撃や防御を行う。このデザインが何かのシューティングゲームのボスキャラみたいでむっちゃイカすんですよ。そういえば、PS2の初期セットアップ画面に出てくるクリスタル群にも似ている。コアを狙う側と守る側の攻防が熱い。これはぜひとも実際に見て確かめてくれ。


リリスとカヲルが早くも登場
 TV版ではまだ登場しなかったリリスとカヲルが早くも出てくる。ミサトがシンジをリリスのもとに連れてくるというのはTV版とは違う構成だ。*2 なんかリリスの仮面が変わってる!? また、相変わらず意味深な発言の多いカヲル。結局お前は何が言いたいんだ!? そして、これまたカヲルのシーンの中にリリスに似た使徒が!?


■他の使徒もかっこよくなってたよ
 エヴァが最初に戦うサキエルが第四使徒!? ここらへん使徒のナンバリングの変更がどうストーリーに関わってくるのだろうか!? リリスやカヲルの存在の意味合いもちょっと変わってきそうだ。あと、シャムシエル、主に触手がパワーアップ。一言で言うとキモい。(ひでえ)


■TV版とのいろいろ微妙な差異 ネルフとゼーレのロゴが違うなど
 ロゴのデザインがかっこよく変わるのはいいけど、ネルフのロゴは新旧ロゴ入り混じっていて謎だった。なんで!? ゼーレのマークも微妙に違っている。あとは、映画版の最期の赤い海のままとか、どうも計算してやっているのかそれとも思いつきなのか分らないけど、深読みやミスリードを誘いそうなギミックがあちこちに仕込んである。


■シンジがポジティブになった!?
 個人的にはポジティブになったというより、映画の尺が短いためにシンジが悩んでウジウジする前にEVAの搭乗を余儀なくされるからだと思う。基本的にはTV版との性格は変わらないかな。でも、その副作用でなんかシンジがすごくカッコよくなり、主人公っぽくなった。(主人公だってば) 逆に何も分からない14歳の少年にこれでもかと決断を迫るネルフの連中は今見るととてもひどい大人達のようにも見えるね。リツコは、TV版よりもさらにシンジ達をエヴァのパーツとしか見ていないようだし、ゲンドウにいたっては父親としての立ち振る舞いはいっさいしない。(ネルフのオペレーターの人達なんかはそもそもチルドレンと接する機会さえ無い。もしくはそういう機会も持とうとはしない。) うーん、前回はここまでひどかったかなあ!? ゲンドウに関してはどっかの段階で「よくやったな」とシンジを褒めるようなシーンもあったような気がしているのだけど……。
 しかし、他のサイトさんの感想も見て、気付いたのだけど、ミサトの立ち回り方はだいぶ良くなっているのかも。言うことを聞かないシンジを平手打ちするシーンは壁を叩くという風に変更されている。上司として命令するだけではなく、時には母や姉の代わりとしてシンジを気遣い、「お父さんから逃げちゃ駄目よ、自分で判断しなさい」など命令ではなく自己決定を促すシーンが増えたことは今後、シンジの決定に重要な変化をもたらすかもしれないな。*3
 ま、なんにしろ日本があの景気の悪い失われた10年を経験して、2007年度版のシンジがポジティブに見えるのはいいことだよね!? トウジに殴られることは変化がないものの、無気力な目だったTV版から、少なくとも反抗する目つきに新説版は変わっている。そんなシンジになにか期待を持たせられるじゃないか。


■宇多田さんの歌はまあ合っていなくないこともない
 まあ、オールドファンは高橋洋子が良かったとか言うかもしれないけど、新説エヴァならあれもまたアリなんじゃない!? 個人的には違和感を感じるほどではなかった。しかし、どうせやるなら挿入歌で劇中内に曲を入れるとかもっと一体感を持たせて欲しかったなあ。また、どうせなら「Fly me to the moon」も宇多田バージョンできっちり登場させないと。*4 他の音楽はリニューアルものが多かったが、個人的には戦闘シーンのあの勇ましい曲はオリジナルの方が好きかもしれない。


■最後の予告シーン
 ミサトの「サービス!!サービス!!」にも久々に聞いて感動したのだけど、第6のエヴァの存在と最後の方で出てきた見慣れない眼鏡っ娘キャラ。あんですとー、ここに来て新展開と新キャラの登場ですか!?ぶっちゃけ、ありえねー!! 次回題名は『破』というわけで、まさに過去の作品をぶっ壊す新しいストーリー展開になるのか、今から楽しみでしょうがない。そして『2008年公開予定 スタッフ募集中』というパンフの一文も気になって気になってしょうがない。今からパンフで募集かよ、製作は本当に大丈夫なのか!!(笑)


 とりあえずこんなところ。思い出したらまたあとで書き直すかもしれない。個人的には1部は大満足な出来だったけど、他の人はどうだったのかなあ!?願わくばこのままのテンションで前回の映画版みたいに実写に逃げたり、迷走したりせずに「トップをねらえっ!」ばりに大団円を迎えて欲しいと思う。庵野ももう大人なんだから途中で投げ出さずやりきってくれ、本当に頼むよ!! あと、実写を入れるなよ!!

 さあ、みんなも「期待しちゃ駄目だ、期待しちゃ駄目だ」とか「騙されちゃ駄目だ、騙されちゃ駄目だ」とかつぶやきつつ、劇場に向かおう。DVDなんか待ってちゃ駄目だ!!


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*1:今回は梅田に行かなくて正解だったと思う。初日はものすごい混雑だったらしいね。

*2:TV版ではリリスの幽閉は最高機密でミサトには直接知らされてはいなかった。

*3:TV版のミサトはお姉さん的立場よりも、上司として命令する立場の方が多かったように記憶している。

*4:iTunesでダウンロードしてみたのだが、こっちは今風にカッコイイ曲に仕上がっていて文句なし。