caprinのミク廃更生日記

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 スチームボーイ

http://www.steamboy.net/intro.shtml

 スチームボーイ見てきた。ああ、そうだ大友克洋って、こういう漫画描く奴だったよということを思い出した。アキラで大ヒットしたばっかりにあれ以上の映画を期待されてしまうある意味かわいそうな人なわけだが、この作品は「気分は戦争」みたいな漫画家大友克洋の初期作品に近いなと思う。

 なんというか、むちゃくちゃなストーリーのもと、けったいなマシンが動きまくり、ラスボス!?(実は味方の変な要塞)が暴れまくる。そこには宮崎駿のアニメのような感動話は無いが、「戦争とはくだらないものだ」という嫌みを含めたドタバタ喜劇は戦争の本質をよく表現できているように思う。ただ、話が広がりそうで広がらない、どっちつかずの脚本はもうちょっと分かりやすくするか、反対にやるならとことんひねるかが欲しかったな〜。

 映像はすごい。当時のロンドンの町並みの表現、9年間それのみを描いてきたスタッフのいるスチームの表現や、いちいち奇天烈な動きをする数々の歯車や機械は本当に手がかかっていてギミックを見ているだけで楽しかった。コマ送りを使ってDVDならより楽しめると思う。だけど、10年近くかかっただけあって、見せ方は3D CGを使っていても古臭いかな〜。抽象的な映像美でいえば「イノセンス」の方がすごかった。キャラと背景をまとめてエフェクトをかけた一体感は、ともすればやりすぎて、「キャシャーン」になってしまうわけだが。(笑) そして不幸なことにこういう映画を見る人は、「イノセンス」なんかを見るような目が肥えた人が多いんだよね〜。美しい、すごいだけでは、何かが足りなかった、おしい・・・。

 声優はプロではないので、下手。これわりかし致命的で、脇役の説明くさい台詞のところで本質の説明よりも「かつぜつ」の悪さが気になって気になってしょうがなかった。主人公とヒロインはまだ許せるというか結構頑張っているのに対して、オヤジキャラが軒並み駄目なのはいかがなものか。特にメガネの人は最悪。まあ、これは監督のせいではなく、どこからか横槍がはいってりしたのだろうけど。

 あと、スカーレットは役どころとしては、ヒロインなんだけど、最後まで話にうまく絡んでこない気がした。キャラとしてはなかなかはっちゃけたいい奴だったので、もったいないと思う。残念ながらハァハァは無理だった。おとなしくハリポタも見ることにしよう。(笑)
 どうやら続編を作るみたいなので、大人になったスカーレットがもっと活躍をするところを見てみたいですな。エンディングが次に続きそうな感じで作ってあり、主人公ももっといいところがありそうだ。今度は脚本にちゃんと筋道が通った作品でぜひお願いしたい。