caprinのミク廃更生日記

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「交渉人 真下正義」観てきた (公式HP)

http://www.odoru-legend.com/

*ネタバレ有り

 「踊る大捜査線」のスピンオフ映画を観てきた。まあまあおもしろかったのだけど、個人的には踊る大捜査線の本編ほどカタルシスは残念ながら得られなかったかな。本編の方の織田祐二のハッスルプレーというか個人プレーを苦々しく思っていた向き、またはこれを単品の映画として考える向きの人にはまた違う感想になると思うのだけど・・・。

 で、ストーリーはまあよく練られていると思うのだけど、コミカルが主体なドラマ本編との連動があまり無く、またシリアスにやるならシリアスにもうちょっとネゴシエーターの妙が無ければいけないと思う。犯人に対して真下が一方的に電話を切るなどの演技をさせたのなら、ちゃんと他にも「犯人との信頼関係を築く。」「犯人側に対して絶対Noとは言わない。」「状況証拠によってのみ判断する。」などの交渉の基本的事項をもっと徹底的に演出すべきだと思う。思うに真下は、駅員の局長に対しても信頼関係の交渉に失敗しているし、犯人とは信頼関係を得るどころか一方的に電話がかかってくるのを待っている状態だったし、最後の列車の中の爆弾にあるか無いかの判断に「勘です。」では今まで積み重ねてきた交渉がまったくどっちらけてしまう。これではプロファイリングを基調とする交渉課準備室そのものも存在価値が疑われる。もし、これが通常のドラマのように、なんとなく問題をクリアする運だけで乗り切る役どころであったら、映画全体をもっとコミカル寄りにふったほうが良いように思う。
 そして、そうでないのなら恋人との交渉には失敗するけど、仕事の時はちゃんと交渉を成功させるというシナリオの方がかっこいいじゃないか。ストップウォッチで通話時間を計る、犯人の音声をパソコンでクリーニングする、映画の引用を検索する、ハイテクの対比として線引き屋に思いっきりアナログなことをさせるなど、いろいろ小道具を使っているのなら、最後の「勘です。」はさすがに無いだろうと自分は考える。それに青島と仲が良かろうが真下は官僚側の人間であり、結局は現場重視ではドラマに重みが無い。

 でも、ユースケサンタマリアの飄々とした演技は真下の役にあっているし、車であちこち捜査する「べらぼうめっ!!」刑事との信頼関係とか、地下鉄広報の人(アリtoキリギリスの人だっけ!?)とのおもしろいやり取りとか、いい味出しているところもあったのだけど・・・。まあ、この映画の一番のネックはやはりスピンオフ映画ということで、本編ほどお金を動かせなかったとか、撮る期間が短かったとか、製作そのものの問題があったことだろうか!? いじればもっと化けた映画になったと思うので、そこは本当にもったいないと思う。

 逆にそれら上記のことにこだわらない人には総じて評価が高いらしいのだけど、仮にも交渉人と題名が付く以上はねえ・・・。

 また、「踊る〜」らしく犯人との対決より、警察内部などの捜査側(今回は地下鉄の中央司令室がメインだけど)と現場の対立模様に主題が置かれるのだけど、今回はもうちょっと犯人側の事情や身元をはっきりして欲しかったなあ・・・。結局「奴は何者!?」とか「奴の列車を動かす目的は!?」とか「奴と会社の関係」とか「恋人の位置が何で分かったか」とか「引用した映画のヒントの示すところ」とか、いろいろ謎が残ったもんなあ・・・。(中には私の理解力が低いからというのもあると思うけど)

 さて、次は「容疑者・室井」だけど、どういう展開になるか楽しみ。多分、また見に行くと思うのだが、この映画はこの「交渉人」とは連動していたりするのだろうか!?

あと箇条書き

私的に

・暴走列車のデザインはまあ許せる範囲(嘘でも映画としてのリアルがあればまあ・・・)
・脇道などの隠しレール 都市伝説もまあ映画の都合としては良し
パトレイバーのパクリとかいうのは、どうでもいい。実写であの雰囲気を出したのは偉いと思う。
・ただし、カラスの演出はそれほど効果的では無かったと思う。
・あの車は警察網をくぐれるものか!?
・暴走列車はそんなに見つからないものか!?
・西村雅彦もまあ良し
・ユースケ目立たないのは成功
・駅員局長のおばあさんはあまり意味なし、帰った事実を局長は知っていたのだろうか!?
・最近あったJR西日本の事故とはそれほど関係は無い。(パニックするところはあったが列車自体は事故に遭わない) なので自粛するまでにはいたらないと思う。

 人によっては意見が異なるかもしれないけど、まあ個人的な感想なので許してくれ。

公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE

公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE