caprinのミク廃更生日記

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それでも賃金水準は平均的な生産性で決まるんだよ (山形浩生 の「経済のトリセツ」)

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070213/p1

結局これをきちんと理解してもらうには、日本の所得水準がなぜ高いのかをちゃんと説明しないとダメだ。サービス業は貿易できないから、というのはその通り。労働サービスを輸出入できるようになれば国際的に賃金も横並びになる――これも……まあそういうことにしておこう。池田くんはこれでこと足れりとしている。確かに、これだとなぜ差があるのか、ということは説明できるだろう。でもこれでは不足だ。差があるだけなら、中国のほうが高くなったっていいはずでしょう。ついでに、サービス業以外は? 貿易がどんどんできる産業では、賃金はすべて同じになってるかな? なってないよ(下の注を見てね)。

現状では、サービス労働が貿易できない――または貿易しにくいことは否定できない。でも、その条件を前提にしたら、なぜ日本の所得水準は中国より高いの? そもそも知りたかったのはそういうことだ。それにちゃんと答えないとダメでしょう。

そしてそれを説明しようとしたら、ぼくのやった説明が絶対必要になる。ぼくはそれが、その職業の個別生産性とは関係ないんだよ、ということを述べたわけだ。これ自体には異論はないと思う。じゃあ何で決まるのか? 繰り返すけど、国全体の所得水準は、国全体の平均的な生産性で決まってくるんだ。それが池田くんの言うとおり絶対価格の水準を決めて、その中で各種の労働や財の市場における相対的な需給バランスに基づいて相対価格が決まる――まさにぼくの説明通り。池田くんの説明は、専門用語は使っているけれど、でも実は中身はまったく同じだ。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070213/p1


・反論リンク 生産性と「格差社会」 (池田信夫 blog)

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b8b2dd3502ef769c7f5baf18143f53e1

残念でした。価格は、どんな教科書にも書いてあるように、需要と供給で決まるのだ。その需要を決める要因の一つが所得だが、所得が上がれば価格が自動的に上がるというメカニズム(因果関係)があるわけではないし、所得と「平均生産性」には何の関係もない。製造業の生産性が上がっても、たとえばジャズ喫茶の限界生産性が下がれば、そのウェイトレスの賃金は下がるのである。

話はこれでおしまいだが、彼が何を誤解しているのかを推測してみよう。どうもクルーグマンやソローが出てくるところをみると、彼のいう「平均生産性」とは、私が前に何度か書いたTFP全要素生産性)のことをいおうとしているのではないか。中国の労働者が日本人の1割の賃金で働いたとしても、それは脅威ではない。なぜなら、労働生産性が違うからだ。彼らには、ラジカセはつくれてもPS3はつくれない。それは日本人がよく働くからではなく、過去の資本蓄積や共有知識などのインフラの効率 (TFP)が違うからだ。中国のTFPが日本なみになれば、付加価値が上がり、賃金も上がるだろう。

しかし「平均生産性」が「平均賃金」を高めるわけではなく、TFP上昇の影響は部門ごとに大きく違う。たとえば半導体産業ではTFPの影響が大きいが、喫茶店では影響はほとんどない。したがって競争が激化して賃金が各部門の限界生産性に近づくと、ウェイトレスのような単純労働者の時給は下がるかもしれない。いま問題なのは、このように国際競争やIT化によって平均賃金は上がっても賃金格差が開いていることだ。山形氏が長々と展開する「平均」談義は、格差社会について何も言うことができないのである。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b8b2dd3502ef769c7f5baf18143f53e1

 なんかどちらがより正しかなんて、どうでもよくなってきちゃった……。どこかの段階で「卵が先か、鶏が先か!?」的な水かけ論になってしまったのかなあ!? 中国の人件費が日本人のそれより圧倒的に安いから、日本は中国にたくさん工場を作ったわけで、これが日本人と中国人が全く同じ賃金になると、「言葉が通じる」「日本人に感情論で反抗しない」「政府による介入が強い」などの点から、工場は中国から日本に戻っていくと思う。(スライドしてより安いインドやマレーシアあたりに工場を移設というのもあるよね、実際そういう流れもあるし) そうなった場合は、これまた需要と供給のバランスから中国人の賃金は日本人の同レベルからまた下がっていくのだろうか!? あ〜、でも中国の工場が独自にPS3レベルの製品を作れるようになったら、その賃金も日本人より上がる場合もあるのか!? う〜ん、なんとなく分かるようで、よく分からない……。

 自分みたいな下流からすれば、すでに自社工場を持っているような中国人は、秋葉原なんかに来ても高級品をドカ買いしたりして、自分の生活よりも無茶苦茶良い生活をしているように見えて非常に妬ましい。なんせ、中国は人口が多いから、割合としては少ないけれどすでに富裕層の数を単純に計算すると、日本の富裕層を越えるのも時間の問題だとも聞く。(ここにすでにお金持ち名華僑を入れているのかどうかは分からないけど。あと富裕層といえば、インドやロシアでもすごく増えているんだってね。) けれど、中国でも一、二番を争うくらい活況な上海でも大学生の初任給は2万円あたりと、日本の大学生とはまだまだ10倍もあったりする。将来的に、日本が中国の賃金の低いレベルに合わせていかないといけないのか、それとも中国が日本の賃金レベルにまで高くなっていくのか、自分が下流であるからこそ、フラット化する世界の経済には目を向けていかなければいけないと思う今日この頃、皆様はいかがお過ごしですか!? 日本がこれから相対的に生活レベルを下げるのはいいとしても、それならそれで物価も世界レベルに下げてもらわないと生きていけない。だって、喫茶店のアルバイトが時給80円になる世界でチロルチョコ30円、ビックリマン新シリーズが80円の物価では食生活もままならない。1時間働いて、ビックリマンチョコしか食えないのか!? 私の味方は、うまい棒10円だけなのかっ!!
 かといって、地球の資源が限られている以上、世界中の人間が日本人やアメリカ人並みの生活がいつまでも続けられるわけないのも確かなんだよなあ。