caprinのミク廃更生日記

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確かに日本人は金だけのために働かない。しかし、それで見くびられるのは不愉快だ (YAMDAS現更新履歴)

http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20070621/money


■関連書籍 内田研二「成果主義と人事評価」(講談社現代新書) (YAMDAS Project)

http://www.yamdas.org/bmm/books/seika.html

 本書に書かれるように、成果主義の本来の目的は、社員のやる気を出させて会社の業績を上げることである。しかし現実にはそれがうまく機能していない。社員のやる気にも会社の業績にもつながっていないわけだ。

 その原因として、成果主義に対する経営者側の甘えが挙げられている。市場からの要請もあり、リストラの方向に傾斜せざるを得ない経営者は、成果主義を単なる減点評価のための手段、もっとひどい場合は社員に対する脅しにしてしまう。業績の下方修正の責任を問われ、「くだらない質問だ。従業員が働かないからいけない。毎年、事業計画を立て、その通りやりますといって、やらないからおかしなことになる。計画を達成できなければビジネス・ユニットのトップを代えれば良い。それが成果主義というものだ。」と言い放った富士通株式会社の秋草直之社長の発言(「週刊東洋経済」2001年10月13日号)は、そうした経営者側の意識をよくあらわしている(それにしても、何度読んでも腹が立つ言い草だよな)。本書の文章を引用するならば、「社員の自立を強調する経営者は、自立した社員に依存したいのだ」ということか。

 しかし、である。年功序列から成果主義への変化というのはもはや避けられないし、避けるべきでもない(もう一方の「終身雇用」についてはまだ僕自身考えが揺れている)。それ自体が否定されるようではいけない。現在それがうまく回っていないとして、それならどうすれば良いのか。著者による提言は奇を衒ったものではなく、成果主義が効果を発揮するような環境整備、適切な規模の組織作りを同時にやりましょうということだ。人材を消費する企業でなく、人材に投資する企業であれというわけ。


■関連リンク ソニーCEOストリンガー氏「日本人は金のためには働いていない」 (B3 Annex)

http://toshio.typepad.com/b3_annex/2007/06/ceo.html

 この差異は、結構日本人自身も理解しにくいのではないか!? 働くことの意義はどこにあるのか!? 少なくともアメリカ式をそのまま当てはめてもうまくいかない。では、どうすれば!?


■関連リンク お金では部下は「やる気」にならない (ITmedia エグゼクティブ)

http://executive.itmedia.co.jp/hensyubu/archive/84/0

 仕事の成果に基づいて給与でモチベーションを引き出そうとする成果主義が一時期流行ったが、その後ぴたりと聞かれたくなった。8割方の企業が何らかの形で成果主義を導入しているというが、その実態も能力主義に落ち着いているのが現状。「正しく評価されなかった」という不公平感が強く、これがモチベーションを下げる原因となったからだ。

 「人間はお金によって動機付けられるというのには疑問がある」――太田氏は言う。日本のように豊かになった社会では、お金はもう動機付けにならない。むしろ、もらえるはずだったお金のことをずっと覚えているように、お金というのはむしろ不満、不安というネガティブな方へと作用するという。

 太田氏は、成果主義の失敗は「人間はお金以上に自分の能力や実績を承認されることにこだわる」という性質がある点を軽んじてしまったことにあると分析している。人間はお金を重視する「経済人」としてよりも、承認や名誉を欲しがる「承認人」なのだ。このような欲求を満たしてあげなければ、部下のモチベーションは向上するはずがない。