caprinのミク廃更生日記

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佐野元春 ネット時代の音楽ビジネスを語る (ナタリー)

http://natalie.mu/news/show/id/3965

そのほかにもぼくとレーベルの間には、新しい時代に起こりがちないくつかのコンフリクトがあった。その原因をよくよく冷静に見てみると、旧来の構造をインターネットが開放して再構成したところにあるんじゃないかと気づいた。それから1週間か2週間よく考えてぼくは思ったんですね。従来のレコード会社のビジネスは変容しなければならない。このままでは楽しい未来は待っていない。

ぼくはロックンロール音楽で育った。成長して作詞や作曲ができるようになり、10代の頃に感じたあんなポップソングを書いてみたいと思ってメジャーからデビューしてレコードを出した。音楽リスナーあってのビジネスです。ぼくのフィロソフィーはすごく簡単なんです。レコードビジネスはロックンロール音楽に恩恵を受けている。ロックンロール音楽を愛するリスナーにベネフィットを落としていくということを最優先で考えなければならない。しかしCCCDはどうだろうか。まるで大人向けの論理だ。音楽を、楽しいロックンロールを売る側がおまえのことを信じてないよ、と言う。その関係の中で流通される音楽はクールなのだろうか、と自問自答して「違うな」と思った。彼らが喜ぶことをやらなきゃいけない。それでぼくは自分のレーベルをスタートした。それが、DaisyMusic

 やっぱり僕らリスナーだけが「ワーワー」言うよりも、音楽を作っている人がこうやって冷静に語ってくれると重みが違う。大手レコードメーカーとメジャー契約をしていると独立してもやっていける人じゃないといまだ大きな声は出せないのかもしれないが、ここから少しづつでも変わっていけばと思う。なんせ、音楽ファンであるリスナーはもう変わってきているのだから。


言及リンク ひとりぼっちの反乱 (子供騙しの猿仕事日記)

http://d.hatena.ne.jp/k_turner/20071031

 感動的なレポートなので、ぜひ全文を読むことをお勧めする。佐野元春は自らの表現欲求に誠実で、またその行動に対して理路整然と説明できる稀有な存在だ。ネットが当たり前のものになる以前から今日までの彼の考えや実践してきたことが大変よく分かる。こうした会合を開いたことからも明白なように、彼は音楽をとりまくビジネスに真摯に取り組んでいる。ただしビジネスを盾にリスナーを疎外する方向性に対しては、真っ向から立ち向かう姿勢を崩さない。

 内容もさることながら、この会合でもうひとつ重要なのは従来からある雑誌や新聞のようなメディアを対象としたものではなく、ブロガーだけを集めて開かれたことだ。それはビジネス的な判断というより、彼の嗅覚と言った方が良い。旧来型のメディアより、ブロガーの行動力に賭けたのは、ミュージシャンとしての姿勢と直結している。それは結果が出るよりもまず、アクションを起こしてみようとするラジカルなものだ。


■レポリンク 「佐野元春ブロガーミーティング」レポート (ネタフル)

http://netafull.net/blog/022620.html