フリーオに引導を渡せるか:“自作で地デジ”に一筋の光?――アイ・オー vs バッファロー徹底比較 (ITmedia +D PC USER)
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0805/06/news001.html
一般的な感覚では「1回見るだけの番組はそれなりの品質で、永久保存版は高画質で」というのが普通だと思う。しかし、地デジの世界では「1回見るだけの番組は高画質で、永久保存版はそれなりの画質で」なのだ。DT-H50/PCIであれば品質を保ったままBlu-rayへのムーブも可能だが、GV -MVP/HSだとSD画質に落としてDVD-RW/DVD-RAMにムーブするしかない。これではムーブというよりは「劣化ムーブ」だ。
また、マザーボードを交換したら見られなくなるという仕様がPC自作層にとってどれほど無価値なものか、まるで理解されていないとしか思えない。今度のボーナスでCPUとマザーを交換しよう、そう考えている自作ユーザーはごまんといる。録画した映像のバックアップを取ることすらできない“新しい時代のスタンダード”を見ると、「カサはカサ立てに置いてください、盗難については責任を持ちません」と書かれている飲食店のようないらだちを覚える。
もちろん、これはユーザーである我々以上に、アイ・オー・データ機器やバッファローをはじめとするメーカー自身が感じていることだろう。ガチガチの規制のために、明らかにユーザーの不利となるような仕様にせざるを得ないこと、また、そのためにCPUリソースを無駄食いするローカル暗号や機器相互認証などを組み込まなければならないこと、そしてそれらの開発のために価格がさらに上乗せされること――メーカーの忸怩(じくじ)たる思いは相当なものだと思われる。
とにかく不正の恐れがあれば全部禁止という、すべてのユーザーを犯罪者予備軍扱いする現在の方針は、大多数を占める善意のユーザーの利便を大きく損なうという点でも到底納得できるものではない。それよりもむしろ、IDなどを埋め込むなどして、不正使用したときの流出元を確実に押さえられるようにしておくような方向で進めるべきではないだろうか。Dpaの正式名称は社団法人デジタル放送推進協会だが、「推進」という文字がこれほどそらぞらしく感じる団体もそうはない。