caprinのミク廃更生日記

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自己責任論批判の作法と戦略 (こら!たまには研究しろ!!)

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090208#p1

 あるX君が失業しているとしましょう.「もし」X君が「職を得られるよう」「社内で評価される」「待遇が悪い仕事でもがまんしてやってみる」ための努力をもっとしていたら「X君」が失業者になっていた可能性はずいぶん低いでしょう.その意味で,「X君が失業している」ことはX君の「自己責任」ではあります.その意味でミクロの自己責任論は論理的には正しい.
 しかし,これをマクロの話に置き換えると事情は変わってくる.有名な例えに,

「今年のクラス目標は"全員がクラス平均以上の点を取ること"だ」

というネタがあります.言うまでもなくこれは不可能ですよね.こんな目標を立てる教員がいたらさっさとクビにした方が良い(笑).「A君のテストの成績が平均点を下回ること」は自己責任ですが,平均点をとれない学生がいることは自己責任でも何でもなく.単に平均という言葉の定義の問題です.
 失業の問題もこれと同じ.若年失業率がこれほど高く,有効求人倍率も悪化の一途をたどるなかでは全員が死ぬほど努力しても「失業しちゃう人」はいる.その意味でマクロの自己責任論にはなんの根拠もないわけです.