『おおかみこども』は『サマーウォーズ』を超えられるか?
【ネタバレなし】「おおかみこどもの雨と雪」はどのように面白いのか? - @fromdusktildawnの雑記帳
オイラ的には「サマーウォーズ」は、なによりも小説的な意味で面白くなかった。
「サマーウォーズ」をそのまま小説にして読んだとしたら、途中で読むのを止めるぐらいつまらないだろうな、と思う。
読者を感情移入させるストーリー骨格が弱すぎる上に、小説的なレベルでリアリティを醸し出すディテールの作り込みがまるで弱い。ばーちゃんが総理に電話するとか意味不明というか迷惑なだけにしか思えなかったし。
そこをアニメ的な音と映像で魅力的にしているから、それはそれでそこそこ楽しめるのだけど、なにぶん骨格が細いから、いくらアニメ的な肉を付けても、なんか体格がよくならない。
■関連リンク サマーウォーズを田舎の大家族の嫁の視点で観たら - Togetter
前も書いたかもしれないけど、こういう大家族だと料理とか洗濯、洗い物、布団干しなどを娘や息子の嫁たち(つまり女たち)が全部やらなきゃいけないんだよあ・・・といつも思いながら観ています。大変だよなあ・・・って。描かれていない部分まで想像してしまう。
■関連リンク 404 Blog Not Found:Epoch is made - エポック・メイキング - 映画評 - サマーウォーズ
栄ばあちゃんの黒電話や主人公ケンジの紙も大活躍したが、カズマのアバターやSX-9だって大活躍したのだ。リアルかネットではない。アナログかデジタルではない。そして大家族と個人でもない。リアルもネットもであり、アナログもデジタルもであり、そして大家族も個人も、なのである。本作は弁証法的な映画でもあった。
■関連リンク サマーウォーズ TV放映ではわからないこと - NAVER まとめ
A12:ラブマシーンとの再戦まえ、万助と太極拳をしているときの会話
万助「もうすぐ兄貴になるんだろ」
佳主馬「なろうと思ってなるんじゃない。しかも妹だし」
万助「いいもんだぞ、兄弟って。おやつは半分になるし、ケンカもしょっちゅうだし」
■関連リンク サマーウォーズにみる、表層の豊かさと、深層の軽薄さ - 未来私考
まず誤解のないように言っておくと、この作品は娯楽作としての一定の水準は間違いなくクリアしているということです。映画を観て楽しく爽快な気分になったりしたい向きには十分満足のいく映画でしょう。しかしその爽快感は実のところ映画的な物語のうねりから生ずるものではなく、天才アニメーター細田守の精緻な絵コンテが観るものの情動を揺さぶっているだけに過ぎないのではないかと。