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残念ながらサンヨーブランドが消えるのは既定路線だ

パナソニック、三洋の人員9割削減 3年後メド  :日本経済新聞

 パナソニックは子会社の三洋電機の規模を大幅に縮小する。3年後をメドに国内外で2500人前後いる従業員を10分の1程度に減らす。鳥取県の子会社は売却、北米のテレビ事業の分離を検討する。1950年に設立、ピーク時に売上高2兆円企業だった三洋の事業機能はなくなり、解体されることになる。

 今年度中に本社人員約1000人を配置転換や早期退職などで100人規模に減らす。法務、知的財産の管理など法人として維持する上で必要最低限の人員にするが、パナソニックとの一本化も検討する。

 なんか恣意的なこの記事タイトルの書き方もどうかと思うが、はてブなどの辛辣なコメントがひどいな。これはさすがにパナソニックを擁護したい。サンヨーを買収してからこのかたずっとシナジー効果を出せなかったパナ経営者をさすがに評価は出来ないが、これはサンヨーの9割の人員を用が済んだからリストラするという話では絶対無い。
 終戦後、松下がGHQに財閥の疑いをかけられ、企業として完全解体されそうになった時に、出来たのが公職追放指定でGHQに追い出された井植歳男(幸之助の義弟に当たる)が作った三洋だ。だから、松下と三洋はもともとが本当の兄弟会社であって、パナソニックが単にサンヨーのブランドが欲しかっただけとか見当違いだよ。むしろ、パナ経営者がもっとシビアな判断を持って、当時からすでに死に体の兄弟会社サンヨーを助けなかった方が、今の散々な赤字状況よりはマシだったと言えるかもしれない。(当時から結構反対意見はあったんだよ。でも、最終的には身内人情で助けてしまった。) でも、そうしていたらみんなが大好きなブランド『eneloop』も『Xacti』も『ゴリラ』なんかももっと早く無くなっていたんだろうな。
 で、サンヨーを助けるためにパナソニック自らも出血してあまりにも多い重複事業を整理し、今やほとんどのサンヨーの人間は、すでにパナに移籍終了してるはずだ。数万人いたサンヨーの社員が今や2500人になってることからもそれが分かる。もちろん、パナとサンヨーの重複事業のせいで不幸にもリストラされた人、逆に早期退職で多めの退職金をもらい悠々自適な人(こちらはある意味勝ち抜けの勝ち組か)、ハイアールみたいな会社に飛ばされてしまった人、サンヨーを見切ってサムスンとかに魂を売った人とか、アイリスオーヤマみたいな新進新天地の家電メーカーに飛んだ人とかいろいろいるだろうが、それは今の赤字続きのパナの社員にも同様な人がいるわけで、一方的にパナソニックをひどい会社と非難するのはどうなんだ? 重複する事業の中でサンヨーの技術の方が上だからということでリストラされたパナ社員もいるというのに……。技術レベルが低いからだと言うかもしれないが、そいつらからしたらサンヨーを買収してしまったばかりのとばっちりだよ。太陽電池リチウムイオン電池の世界需要の失速、2社合わせたシェアが高すぎて独占禁止法に引っかかりニッケル水素蓄電池『eneloop』ブランドをそのままパナに持ってこれなかった(製造はもはやFDKトワイセルに委託、パナはおいしい果実を食べられなかった)などの紆余曲折があった後、電池部門のパナエナジー社などでは、和歌山工場はほぼ稼働しなくなり、元サンヨーの洲本工場は逆にパナの人間が出向している例もある。それさえも今のパナの赤字続きじゃあ、さらなる工場縮小・海外移転もありうる。撤退の決まったプラズマの尼崎工場のように……。
 そして、最終リストラで1/10になった250人はもうサンヨーの実働部隊などではなく、サンヨーという大きなブランドを無事消滅させるための完全に残務処理専用部隊だ。大きな会社を畳むということはそれだけ大変なことなんだろう。要はこれはもう始めから既定路線であって、このことで今更パナソニックを攻めるのはさすがに酷なことだよ。
 あ、今の『eneloop』のデザインがダサいという点では大いにパナソニックをけなしていいけどもっ!!

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