それでもTOYOTAの「車が売れていない」という危機感は正しい。だって、ラインナップに軽は入っていないのだから。
■車が売れていないという誤解或いはあんた馬鹿ぁについて (量産型ブログ)
http://d.hatena.ne.jp/tomozo3/20071102/1193992330
取り敢えず、一言で言うならば「あんた馬鹿ぁ?」
売れなくなったのは新車の普通自動車で車じゃないですよ
データを確認すると確かに新車販売は低迷を続けているものの中古車販売/軽自動車を含めて考えれば、「車」が売れていないわけではないことが分かる。
と言うわけで、保田氏の論も美谷氏の論もそもそも前提が間違っている、と言うことで。
要は購入パターンが変化した、と言うことでしょう。
また、環境問題を考えるとかつてのような自動車販売を行うのではなく、新しい自動車利用の提案とその上で利益を上げる体質作りじゃないんでしょうか。
グラフ化ご苦労様です。
う〜ん、でも相手の考えている前提もある程度汲み取ってやらないとかわいそうかも。少なくとも「あんた馬鹿ぁ?」とか「前提が間違っている」と断言するほどには「車が売れていない」という話が間違っているわけではないと思う。tomozo3氏の出したデータも数値が正しくても、分析の仕方によってはいくつかの側面がある。
◆tomozo3氏と保田氏のイメージする車というものが違う
ちょーちょーちょーいい感じBlogを見たが、最初の車にオープンカーの黄色いボクスターを買うような奴の言うことだ。この人の想定する、少なくとも自分の買う車の中に「軽自動車」が入っている可能性は薄いだろう。「車が売れない」でtomozo3氏の言う車が「軽や中古を含めた車全体」としたら、保田氏の場合は「軽や中古を含めない車」を想定しているのかもしれない。
◆tomozo3氏の「車が売れていない」とメーカー(特にTOYOTAみたいなTop企業)の「車が売れていない」が違う
この記事だけを見たら「なんだTOYOTA絶好調じゃん」となるかもしれないが、それでもTOYOTA内部の危機感は本当に強い。というのもメーカーにとっての「車が売れていない」にはいくつかの修飾文がついてきて、「海外で売れているほどには、日本国内では売れていない。」や「数が出ている割には、売れていない。(=利益が出ていない)」などが代表的なとこだと思うが、メーカーや販売店の声をメディアが拾うとそれら全てを含めて「車が売れていない」という論調になるのは仕方のないことだと思う。あと、何よりTOYOTAの場合は、ラインナップの中に軽自動車が含まれていないのも大きな要素かもしれない。TOYOTAの人が「車が売れていない」と言った時には「軽」は勘定の中に入っていない。
また、実績をいくつか列記すると、
・TOYOTAの2007年3月期連結決算は、売上高が前期比13.8%増の23兆9480億円、営業利益は同19.2%増の2兆2386億円と、いずれも過去最高だがこれは海外が好調だったから。
・しかし、国内の販売は2年連続減少。
・TOYOTAの新車登録台数の国内シェアは50%超まで行った。ただ、TOYOTA単独(つまり、子会社のダイハツの軽などは除く)では、11万台減。他のメーカーの苦戦は言うまでもない。
・NISSANが新車登録台数では2位を堅持。多種多様なラインナップを揃えたのが、功を奏したか。ただし、こちらもOEMでNISSAN自身が作っていない軽が売れている。HONDAは3位から軽のSUZUKI、ダイハツに抜かれ、5位に転落。Fitで巻き返しを狙う。
・国内の新車販売台数は、1990年の約590万台がピークでそのあと減少傾向、ここ3、4年は400万台割れ。軽は普通自動車と比べればまだ好調だが、最近はかげりも見え始める。
う〜ん、やっぱりそれなりに売れていない要素はあると思うよ。「普通自動車の新車だけでなく、軽や中古も含めた全体を見ろ」というのは、まあ同意なんだが、こういう自動車メーカーの発表を取り上げれば、新車中心になるのはしょうがないところ。中古ゲーム市場でもそうだが、直販下取り以外では商品が中古になったら、メーカーの直接の利益とは繋がらない、メーカーの手を離れた市場が出来上がっているからなあ。*1
また、日本人の生活スタイルの変化も列記してみると、
・若者のインドア化 そりゃネットで何でも買える時代なら別に遠くに出かけなくても良い。
・デートに車は必要ではない!? 今の若い人は見栄を張らなくても平気。
・さすがにガソリン代150円超はちょっと……。駐車場とか維持費も異様に日本は高い。物価は上がるし、消費税なんかも高くなりそうだし、車だけにお金を使っているわけにはいかない。
・日本の人口の半分はすでに3大都市圏、関東、関西、名古屋周辺に集中しているらしい。そこに住んでいれば車以外の交通手段が発達しているので、別に車が無くても平気。 逆にそれ以外の地方で車が必需品というのはすごく理解出来るが。
・まあ、結局のところ金がない。車自体にはすごく憧れているけれど、自分なんかはもろにコレ。(笑) 無い袖は振れないし、見栄のために頑張るほどには、明日の希望も見えない。なにはともあれ、不安な未来のために車より貯金だろ。
こんな感じか。数字のデータも大事なんだが、こうやって見ると現代人の心理も車が売れないことに大きく影響していそうだね。
◆日本市場が小さくなっていくのはこれからが本当の始まりだ。本物の地獄はこれからだぜっ!!
中古が売れているといっても、その原資も有限だ。新車が売れていない現状が長く続けば、それが10年ずれて中古市場の弾数にも撥ね返ってくる。また、軽やコンパクトカーの利益率の低さもなかなか難しい問題だろう。HONDAのFitなどは、もう今年いっぱい2ヶ月以上の納期待ちでかなり売れているようだが(HONDAの販売店に行って聞いたのでこれは間違いない。残念ながら今注文しても年内には乗れないらしい。)、コンパクトカーのFit3台売るのとセダンのCivic1台売るのでは利益率ではトントンな所じゃないだろうか。コンパクトカーを売らないと販売台数のかさ上げが出来ない。でも、コンパクトカーだけ売っていても利益率が低いので苦しそう……。
■関連リンク 「車が売れない!」から読み取れる事 (たけさんのスローライフ)
http://ameblo.jp/take3slow/entry-10052445680.html
■関連リンク 国内で車売れない危機打開策 トヨタ本気でアイデア募集 (J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2007/05/18007623.html
国内の自動車需要(全需)は、2006年度の軽を除いた日本国内の新車販売は前年度比8.3%減の358万台と、29年ぶりの低水準だ。登録車市場の低迷の原因としては、経済性や実用性を求めて軽自動車に人気が移っている影響とされてきた。しかし、軽を加えても同4.1%減の561万台であり、国内市場全体が収縮していることが鮮明になっている。
「トヨタに限ったことではなく市場全体が抱える問題だが、どれだけ自動車メーカーの経営がグローバル化しても、ホームランドである自国の市場で調子が振るわない企業の繁栄が長続きするはずがない」と、関係者は厳しい表情で語る。
団塊の世代にあった『カローラ→コロナ→マークⅡ→いつかはクラウン』というTOYOTA信奉はもう若者には通用しない。それに、若い期間工達はTOYOTAを大嫌いときてる。そりゃ奴らは、給料低いから車買う金ないもんな。
■関連リンク 自動車工場で奴隷として働いているオマエら、目玉よく見開いて読め (Anonymous Diary)
http://anond.hatelabo.jp/20070722231000
■関連リンク トヨタが自分勝手になる仕組み (誰も通らない裏道)
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2007/10/post_876c.html
■関連リンク トヨタの素晴らしい若者マーケティング (【B面】犬にかぶらせろ!)
http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20071017/car
カローラbBことルミオンは、Fitとの販売台数競争のためのカローラ販売数の水増し要員だろ!?
■関連リンク 軽自動車販売、7か月連続マイナス…10月 (Yahoo!ニュース - レスポンス)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000039-rps-ind
軽もいつまでも売れるかどうか!?